私が二人 逆ver
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「・・・!」
「へ…?」
そう言ってワザと見せつけるように、そっくりさんの頬にキスをし返した。嬉しそうに、泣きそうに見つめてくるそっくりさんと、ぽかんとしているギャルソンさん。本当はずっとこうして欲しかったのにと、してくれるなら本物がよかったのにと、ちょっとだけ泣きそうだった。
「…もう、大丈夫ですから、その人を返してください」
「・・・」
「もう我慢しません。最初からこうすればよかったのですから」
返せと言われても離さないそっくりさんと、抱き留められている私に近付き、ギャルソンさんはキスしてくれた。
「へ!?」
「…嫌じゃないのでしょ、ずるいですよ、私は折角我慢に我慢を重ねていたというのに」
「あ、あの…」
「これは私自身の願望が強すぎて形になった思念体。もう一人の貴女を愛している私です」
そっくりさんじゃなくて、こっちもまたギャルソンさんだった事と、欲しかった言葉をくれた嬉しさで涙があふれた。
ぺろりと目元を舐め上げたそっくりさんはうっとりとこちらを見つめている。
「な、舐めたいとまでは!その…いや、えっと」
表情をころころ変えながら狼狽えるギャルソンさんがおかしくて、泣きながら笑って見せると、最後だったのかもう一度そっくりさんは口を付けて消えていった。
「あっ…消えちゃった」
「…満足しましたからね、叶えば消えますよ」
あのそっくりさんは満足して消えたのだと言う。二人きりになり、何を言えばいいのか迷ってちらりと見ると、少し不貞腐れたように私を見つめていた。
「私ではなくてあっちを選ぶなんて、この浮気者」
弁解したくて何か言おうとしたが、視界はギャルソンさんの胸でいっぱいだった。
「ずっと、ずっとこうしたかった。嫌われたくなくて、冷静なふりで貴女に似合う私でありたかったから…」
さっきより強くギャルソンさんを感じ、嬉しさと気恥ずかしさで何も言えなくなってしまった。細い見た目なのに男の人の腕で、ちょっといい香水みたいな香りがして、頭がくらくらする。
「嗚呼…温かい、柔らかい、良い香りです」
「それは…ちょっと変態臭い」
「もういいです、二度と手放す気ないので何と思われようが良いのです」
私だって同じような事考えてるのに、何て言えなくて、それでもやっと特別になれたのが嬉しかった。
「もう、我慢しないでね?私、ギャルソンさんの特別がいいの」
ずっとこのままだったらいいのにと、腕を背中に回して抱き返すと、ギャルソンさんは少しびくりとした。
「…我慢するなとこの状況で言われたら、どうなるかわかってます?」
「え!いや、そ、そういう意味で言ったんじゃなくて!」
「駄目です。またアレが出てこられちゃたまったもんじゃないですからね、満足いくまで堪能させて頂きます」
考えてみれば今はソファーに男女で組み敷かれている状況。そんな言質を取ったにやりと笑うギャルソンさんを、もう止めることはできなかった。
「わー!どこ触ってるんですか変態!」
「…なじられるの、結構好きです。あと嫌がられるのもいいものですね」
「やだー!紳士なギャルソンさんに戻ってー!」
過度に過度なスキンシップを過ごすことなったのであった。
Fin.
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