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唇と唇が触れる瞬間が好き。
熱く抱擁するこの距離も、香る彼女も、温度差で火傷しそうな体温も、全てすべてが好きだ。
「んっ…」
必死に目を瞑る瞼も、身長差を埋めようとするつま先も、勇気を出して回してくれた腕も何もかもが好きだ。
「…ちょ、ギャルソンさん!」
だから一時も目が離せない。
「な、何でキスするのに目開いてるんですか!?」
上擦った声も、染まる頬も、目まぐるしい表情も愛おしい。
「ナナシさんの全部を見ていたいからですよ」
悔しいではないか、今まで出会ってなかった頃の彼女を見ることはもう出来ない。これからの彼女を片時も見逃してたまるものか。
「だからって…」
もじもじとする手が愛らしい、離れていく髪が寂しい、温度が欲しい。
「目を離さないですし、離れたくもない」
力強く手繰り寄せて離さない。戻ってきた温度と香りが心地よい。
「…キスするときは目を瞑って下さい。恥ずかしいし礼儀ですよ!」
意外と強気でくる口調に驚きつつも、お構いなしに見つめながら口をつけた。
幸せだ、この幸せを見逃すなど愚の骨頂。
こちらの視線に気付いて腕の中で暴れる彼女を尻目に、それでも口内を舌で這いずる。この癖は止めることはできないだろう。半分彼女も笑いながら口づけあって、いつでも目に焼き付けて、彼女を見つめ続けたいと心に誓った。
fin.
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