絶望レストラン
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ぐちゃぐちゃな髪、泣き腫らして涙の線にアイラインとマスカラが溶けだしている。服も仕事着のままロープだけを持って徘徊しているこの様は、夜も更けた今見られたら悲鳴を挙げられるであろう。
でもいい、もうなんでもいいのだ。
「ここにしよう」
ふらふらとさ迷ってどこまで歩いたか分からなかったが、目の前には誂えたかのように廃墟が見えている。どうみても人の居る気配はない。それどころか幽霊さえ出そうなのだが、今からそれの一員になる。
独りで逝くならここがよいと決めた私は、ふらふらとその中へ入っていった。
中へは鍵が壊れていたのか直ぐに入れた。暗すぎる内部はそこそこに原型を留めており、ホラー映画にでも出てきそうな雰囲気を醸し出している。きっと幸せだったあのころに来たら怖がっていただろう。今は不思議だがここが相応しいとすら思い始めている。
どこかで椅子と梁を探してそこにかけよう。
月明かりでギリギリ分かる店内の扉を手探りで開けると、応接間のような場所へと入れた。
椅子もあれば釣り下がっている照明もある。
あそこならきっと、そう思いややあって縄をぶら下げ、首を突っ込んだ。
「…これが絶望」
脳裏に私の遺体をみて後悔しながら罪悪感に苛まれるあの人たちを思い浮かべると、少しだけ嬉しくなった。そして今まで抱いていた夢や希望が私を殺すのだと思いながら、台から足を離した。
衝撃が首にかかり、酸素も血液も止まっていくのがわかる。それが苦しくて、でもこの胸の痛みも苦しくて、私は絶望しながら意識を失った。
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