絶望レストラン
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それは夏の通り雨のように。
「厳正なる選考の結果、応募されました作品は落選の運びとなりました。心よりお詫びと」
少しの予兆と共に。
「すまないがこのご時世だ、次の契約は打ち切らせてもらうよ」
突然の豪雨に前が見えず。
「…ごめん、俺は結婚とか考えて付き合ってる訳じゃなかった。だから別れよう」
その場で雨宿りにもならぬずぶ濡れで。
「だめだわ私、正直に言う。あんたの元彼と結婚するの。ごめん…黙ってられなかった」
むせかえる湿気に息をしたくなくなる。
この一週間で起きた全ての出来事が私の息の根を奪っている。
呼吸するのも苦しくて、その光景がフラッシュバックすると胸の痛みに枯れていたはずの涙がまた零れた。
「全部」
小さい頃から漫画家になるのが夢で、何年経っても入選しない実力に、これが最後で最高傑作だと託したそれも。
理不尽な罵声に胃を痛めながらその夢のために頑張っていた会社も。
これが最後の恋だと信じ四年も付き合った恋人からの薄っぺらな別れも。
ずっとこの全ての努力と恋を見守ってきた友人からのカミングアウトも。
「終わりにしよう」
握りしめたロープを片手に、鍵も閉めずに出ていくには容易な理由であった。
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