愛≧飽
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「と、言うわけなのぉ~私だってナナシちゃんとお話したいのよぉ!」
「わ、私とですか?」
それが決行されたのは次の夜であった。
「お菊ちゃんなんて近々ショーがあるみたいで、新作の服を作るため最近流行してるものとか色々聞きたがってるし…」
「そうなんですか…」
「そうそう。たまにはね?女子だけでお話しましょうよぉ?」
なんて自然、そして何て素晴らしいアイディアなのだろうか。これほどまでに、彼女に感謝した事は無い。
彼女のアイディア、それはしばらくの間、女子会という名の隔離部屋を用意する事である。お菊ちゃんのファッションショーを一ヵ月後に控えているため、その間はほぼ彼女を連れ出してくれるらしい。まさに願ったり叶ったりの策なのだ。
「でも…」
きっと彼女は『引き止めて』と上目遣いをしてくるだろう。これも既に想定済みである。
「そんな…!ナナシさんを取られてしまうなんて辛いです!」
「ギャルソンさん…!」
「いっつもナナシちゃんを独り占めにするなんてずるいわぁ、私達だってずっと喋りたかったんだからぁ」
「う…そういわれてしまうと…。ナナシさん、貴女はどうしたいですか?できればその…たまには、彼女達にナナシさんとの楽しい時間を分けてあげたいと思うのですがね。私が独り占めするのも勿体無いくらい、貴女との時間は楽しいですから」
「え!そ、そんな…照れちゃいますよ」
決まった。
「…じゃあ、しばらくは幽霊ねえさん達と一緒に居ますね」
一字一句、私の読み通りである。
「決まりね!さぁさぁ、こっちへいらっしゃ~い」
「そ、それじゃあまた!」
「ええ!また今度!」
にやける顔を抑えつつ、出来るだけ悲しそうに見送った後、私は一人ガッツポーズをしてしまうのだった。
「ああ…!久しぶりに独りきりです!何しましょうか、そうだ掃除しましょ、いやホールの手伝い、いやいやそれから…」
やらなきゃいけなかったことが、今ではやりたいことに変わっている。不思議なくらいやる気に満ち溢れていた。
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