BrownBrown
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「っ…そっ、れは…ほんとれすか…」
「ギャルソンさん…」
ようやく顔を見せてくれた彼に、彼女は安堵の表情を見せた。
鼻がつまっているからなのか、泣きじゃくっているからなのか、呂律の回らない口で彼女の声に応えたのであった。
「ガチ泣きにゃ…!」
「も、もう関わるのはよしましょう?ほら、行きましょ…」
そんな姿を確認して、改めて面倒だと思った二人は、彼女と彼を残してその場を後にした。
残された彼女は、開けた扉から出てこない彼に一歩近づくと、少し恥かしそうに微笑んで見せた。
「…猫さんは練習相手になってもらっただけなんです。本番は…ギャルソンさんに見て、受け取って欲しかったから」
「…っナナシさん~…!」
傍から見れば、成人男性が泣きじゃくりながら女の子を襲っているようにしか思えない。しかし、そんな彼を見ても嬉しそうに、それでいて少し恥かしそうに受け止める彼女は、優しい手つきで頭を撫で続けていた。
「泣かないで下さい…私も泣きたくなっちゃいますから」
「だっ、て…しつっ失恋、したって思って…!」
「…嬉しい、そんな風に思ってくれていたんですね」
相変わらず泣きじゃくる彼に、彼女は困惑してしまうが、背中を擦ってやると落ち着くのか、次第に呼吸が整っていった。
「ナナシさん…」
「はい?」
急に彼女の名を呼び顔をあげた彼は、両手で涙を拭いながらその身体を離した。改めて彼を見れば、まるで子供のように泣きながら、彼女の方を見つめて口を動かした。
「…好きです…!泣くほど、大好きです…!」
「…はい。私も、泣かせちゃうほど大好きです」
そう言うと、ようやく二人して笑顔で目を合わせたのだった。
「泣き止んだら、一緒にチョコを食べましょう!ね…?」
「っ…そうし、ますっ…」
「はい、ハンカチを」
「…貰ってもいいですか」
「え?」
彼女に背中を擦られて、部屋の中へ入っていく彼が情けないのは誰が見ても思うこと。
どれくらいしたら泣き止むか、それはチョコの香りが漂うまで誰も知り得ない事である。
fin.
8/8ページ
