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「…私って本当に馬鹿ですよね、泣くくらいなら、最初から好きにならなきゃいいのにね、ばか、ですっ…よね…」
「やだぁ!泣き始めてない!?」
「うわー…なんかもう救いようがないにゃ…なんで泣くかにゃ…」
「どうする?やろうと思えば壁抜けて鍵開けてくるけど…」
「もうその方が…ん?ナナシちゃん?」
そんな中、彼が遂に泣き始めたらしく、扉の中からは鼻をすする音と共に嗚咽が聞こえてくるではないか。ここまで来ると、流石に面倒臭いで片付けられなくなってきた二人は、強行突破を考え始めた。
すると、二人の後ろで何かを考えていた彼女が、二人の間をすり抜けて扉の前へと踏み出したのだった。
「ギャルソンさん、もし声が聞こえていたらこのまま聞いていて下さい」
こくり、と白く細い喉を鳴らし、緊張した面持ちの彼女は、そのまま扉へと話しかけた。
先ほどから声が届いていないにも関わらず、それでも言葉を掛けたのは、彼に届いて欲しいと共に、気持ちを伝え切れなかった自分への問いかけでもあった。
「…いつも優しくて、色んなお話をしてくれて、どんな時でも私を一番に考えてくれて…本当は、もっと前から言うべきだったんです。こんな風に改まって言うから恥かしくなっちゃうんですよね…」
ずっと言えなかった、自分が意気地がなくてこんなことになってしまったのだ。それが申し訳なくて、だけど今なら、彼が離れてしまうと考えたら、言わずにはいられなかったのだ。
「私は、貴方が…ギャルソンさんの事が大好きです」
ずっと、それを言いたかった。
頑なに外野の声を拒否していた筈なのに、彼女が真っ直ぐ扉に向かって言うと、まるで開錠の呪文のように鍵の外れる音と共に、扉が少し開いた。
「!」
「「あ」」
化け猫と幽霊ねえさんが思わず声を挙げると、その隙間から顔をくしゃくしゃにして、ぼろぼろと涙を流す彼が顔を覗かせていた。
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