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改めて幽霊ねえさんが耳を傾けると、やはり何も状態は変わっていないのか、息継ぎもないその声が続け様に聞こえ続けている。
「…まあそうなると私と一緒にいたのは化け猫目当てだったわけですよね、こういうのって噛ませ犬って言うんですよね、いやですねぇ猫なのに、相手化け猫なのに犬ですよ、毎日私の傍で笑っていてくれたのも全部化け猫のためなんですよね、決して私と一緒に居て楽しかったのではなくてあれに会いたくて我慢していたんですよね、私ったら完璧に道化じゃありませんか、幽霊の癖して何夢見ているんです、ああでもあれも妖怪ですしね、大差ないのに、大差ないでしょ、私じゃ駄目だったなんて変な話ですよね、あれ?でもあれはガールフレンド居ませんでしたっけ、え、あの馬鹿は恋人が居るにも関わらずナナシさんをたぶらかしたの?え、何それ、何それずるくないですか?私がナナシさんのこと好きで好きで仕方ないの知っててそうします?性格悪すぎじゃありません?文字通り泥棒猫ですよね」
「って、俺にあらぬ嫌疑かかってにゃいか!?え、なにこれ怖!」
「うーん…届いてないみたいねぇ。それよりも考え方が歪みすぎじゃない!?ナナシちゃん、本当に支配人で良いの…?」
「…私の気持ち」
「ちょ、ちょっと待つにゃ!俺なんにもしてないにゃ!勝手に恨まないで欲しいのにゃ!」
慌てる化け猫を他所に扉へ耳を近づけた幽霊ねえさんは、未だに聞こえてくる彼の声に顔を顰めた。
そして、その横で彼女はそんな二人の言葉にも耳を傾けず、今自分が彼をどう思っているのか、それを考えていた。
「私がクッションにナナシって名前をつけて毎晩ちゅっちゅしてたことを知らないとしてもですよ、日頃あれだけ牽制と威嚇し続けてたら普通気付きますよ、私の部屋がナナシさんの写真まみれということも知っているでしょうし、この前なんてこっそり預かったコートの匂い嗅いでいるところだって目撃したはずでしょう、ああその前なんてナナシさんが使ったフォークをぺろぺろした事まで見られましたね、何故こんなに目撃されるのか不思議に…いや、よく考えたら目撃されすぎでしょう、いやよくよく考えてみればそこを目撃されるという事は、同じ場所に用事があったということですよね、それは化け猫も同じ事をしようとしていたということじゃありませんか、ど変態が同じ店に居るなんて考えたら身震いが、あれだあれでしょ、同じ場所に居たならどさくさに紛れてブーツで踏んでもらうとかわざとネクタイを曲げておいて直してもらうついでに匂いを嗅ぐとかやるつもりだったのでしょう?まだ私だってやってないのに、あぁ汚らわしい、犯罪ですよ犯罪、ストーカー容疑でナナシさんの半径10キロ圏内に入らないで下さい、私たちを引き裂こうなんて変態なんかにさせませんから、私たち、いえ、ナナシさんが好きなのは、化け猫…」
「やだ!気持ち悪い…!化け猫もそんなところ目撃したなら、ナナシちゃんに支配人はやめるように言いなさいよぉ!」
「あ、あれは…あまりにも気持ち悪すぎて思い出したくなかったのにゃ。ていうか!変態に変態って言われたくないにゃ!そんな犯罪まがいのことやってんのはアンタだけにゃ!」
化け猫が自身の危機を察して叫ぶと、ふと中から聞こえていた声が途切れたのだ。これは扉を開けて化け猫を抹殺にかかるのかと思い化け猫だけ身構えるも、一向に扉は開く気配がない。
恐る恐る耳を傾けると、恐ろしい気配ではなく悲しそうな声が二人の耳に入ってきたのだった。
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