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「やだ…!み、見られちゃった…」
告白する前に暴露してしまった失態に、彼女は顔を真っ赤にして恥ずかしがるも、彼の表情は一向に変わる気配はなかった。それどころか、その無表情を保ったまま、少しよろけるような足取りで、ゆっくり、ゆらゆらと直ぐ近くにあった部屋へと消えて行ったのだった。
「あれ?ど、どこ行くの?」
「ナナシ…ちゃん…?それは意味がわかって言っているのかにゃ…?」
「え?何が?」
「…支配人はナナシちゃんが誰に渡すのも知らないし、今のことが練習だってことも知らないにゃ」
顔を青くしながら手を振るわせる化け猫のヒントに、彼女はまた10秒ほど無表情になった。
「ギャルソンさん!!」
「支配人!!」
二人は声をそろえると、先程彼が入っていた部屋の前へ駆け寄りドアノブを回した。ガチャガチャと音を立てて回すも、鍵が掛かっているのか一向に扉は開こうとしない。
完全に誤解を招いたとしか言いようのないこの状況に、彼女は泣きそうになっていた。
「ち、違うんです!ギャルソンさーん…!」
「し、支配人?ちょっと冷静に考えるのにゃ!俺が貰うなんて変な話なのにゃ!一番仲良かったのは支配人のはずにゃ!」
「さっきのは練習で…!ほ、本当はその…」
扉越しに弁明するも、何の返答もない。しかし、返答はないのだが中から何やら声が聞こえてくるのだ。二人は一旦弁明を止め、顔を見合わせるとそっと耳を扉に当ててみた。
「…いやでもね薄々思ってはいたんですよ、ナナシさんって誰にでも優しいって分かってたし私も例に漏れてなかっただけなんだって、でもねあそこまで優しくされたらそりゃあそういう気にもなりますよ、だって誰より一緒に居たのは私ですもの、一番仲良くて特別なんだって勘違いしちゃいますよ仕方ありませんって、今日なんて絶対もらえるとかアホ丸出しで勘違いしてましたし、キングオブ勘違いですね、ちょーうけるんですけどー」
「ギャルソンさん!?何を言っているんですか!?」
「やばい、本格的にやばい。語尾ににゃ、とか付けてる暇がないくらいやばい」
これはただ事では済まされない事態へと発展している事に気付いた二人は、扉越しに聞こえてくる負の念に圧倒されながらも、どうすることも出来ずにあたふたとするしか出来なかったのだった。
「ねえ、どうしたのぉ?」
その時だった。温厚そうな声色が、二人の後ろから降ってきた。
「あっ…ね、ねえさーん!!どうしよう!」
「や、やだぁ…どうしたのぉ?泣きそうじゃないの!」
「し、支配人が未だかつてないネガティブ勘違いに入っているのにゃ!!」
「え~?」
声の主、幽霊ねえさんは偶々そこを通りかかったのだが、二人の異常な焦り方に気付いて話しかけてきたのだった。
人が増えればどうにかなるかもしれない。そう思い、二人は事のあらましを一部始終説明すると、いつもは温厚な幽霊ねえさんがあからさまに嫌そうな顔をして溜息をついた。
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