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「うぅ…ちゃんと言えるか分からないんです…!顔を見たら、恥かしくて駄目かも…」
「うーん、それなら…顔を見なきゃいいにゃ!」
「え…見ないで?」
「そうそう!こう、その箱突き出して、お辞儀する形で『好きです!』って一言言えばいいにゃ!ていうか支配人が喜ばないはずないからそんなに考えなくてもいいにゃ…あの人今日の朝からうざいほどご機嫌だったのにゃ」
後半面倒くさそうに助言していたのはさておき、これは名案であるとばかりに彼女の顔が明るくなっていた。
「それなら私も恥かしくて噛んだりしないかも!猫さん凄い!」
「そ、そうかにゃ?そう言われると照れちゃうにゃー!」
「あの、もし良かったら一回練習してみていいですか?きっとこれなら失敗しない!」
「いいにゃいいにゃ!ばっちこいにゃ!」
そして彼女は、その綺麗にラッピングされた箱を取り出し、化け猫の前に改めて立つと、本番のように彼が目の前に居ると考え、その表情を硬くした。本当に渡した時、彼はどう受け取ってくれるのだろう。どう返事を返すのだろう。
もやもやとした不安と焦土に胸が高鳴る。しかし、まずはこの気持ちをしっかり伝えることが大切なのだ。
「わ、たし…」
思った以上に声が出ない。練習なのにこれではいけない。
そう思うと、肺にこれ以上ないという程息を溜め、箱を突き出して下を向きながら叫んだ。
「…私っ、貴方が好きです!受け取ってください!!」
「おぉ!惚れ惚れするくらい良い声にゃ!受け取ること間違いなしにゃ!ていうか朝から受け取る気満々の支配人には勿体無いくらい良い声にゃ…」
自分の気持ちを言葉に出したのは恥かしかったが、ここまでしっかり言い切れた自分に、自信が満ちていくようだった。
その声量に清々しささえ感じられ、一応差し出したその箱を化け猫に渡すと、化け猫は頷きながら太鼓判をおしてくれた。
「これで自信も」
「はい!もう失敗する事なんてありません!今から渡しに…猫さん?」
箱を返してもらおうと彼女が手を伸ばすも、化け猫の手は一向に箱を放さない。何事かと化け猫の顔をのぞき見るも、引きつった笑みにが明後日の方を向いている。
「ん?」
その目線を追ってみると、ある人物が立っている事に気付いた。
「「…」」
その人物と目が合うと、お互い無表情で見詰め合うこと10秒。
「っうぇい!!え、ちょ…ギャルソン、さん!?」
先に動き出した方が負けなどという言葉を思い出しながら、先に声をあげ驚いたのは彼女の方であった。
いつからそこに立っていたのか定かではないが、この光景を見ていたのか、視線は一点に彼女へと突き刺さっていた。
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