SantaClaus
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「私も最初から本心を話せばよかったのでしょうが…なんか、照れるじゃないですか」
「も…貰った私のほうが照れますよっ?」
「ふふふ!それは良かった」
照れると言いながらも、ギャルソン自身も嬉しそうに微笑み、ようやく二人して笑顔になっていた。
「この指輪、一生大切にします!」
「うんうん、そうして下さると嬉しいですよ」
右手を胸にして喜んだナナシ。
そんな嬉しそうな姿を見てか、ギャルソンは顎に手を当てる仕草をしては、ナナシの指輪を見つめていた。
「んー…いっそのこと、左手にはめてしまえば良かったのでしょうか?」
「左?」
「ええ、左手の薬指に」
「…?」
左手の薬指の意味を考えるのに、指輪を貰った時と同様、やはりナナシは時間がかかった。
そして肩をびくりとさせると、ようやく思い当たったであろうその意味に、嬉しそうだった表情を一遍させた。
「え、な…何を言ってるんですか!?」
「どこまでも嬉しい反応を返してくれますねぇ、その間が面白いですよ」
「うぅ…面白くないです…!」
どこまでが本気なのだろうか。
笑いながら顔を覗いてくるギャルソンに、ナナシはようやくその意味を理解すると、そっぽを向いて再度その顔を真っ赤にしたのだった。
「気分も乗ってきたことですし…その指輪、ちょっと貸して下さいな」
「え?あ、はい」
「そこに立って下さい」
今度は何をするのだろう。
ギャルソンはナナシから指輪を受け取ると、最初に指輪が収まっていたであろう箱にしまった。
ナナシには全く予想がつかなかったが、言われたとおりその場に立つと、ギャルソンは大きく腕を広げくるりと回ると、そのままナナシの手を取って胸に引き寄せた。
「死が二人を分かつなど、私達を見て誰が言えましょう!死も生も全てを受け入れ、この聖夜を共に祝福しているのです!」
声高らかに発するその言葉に、ナナシは唖然とするしか出来なかった。
それはまるでミュージカルの俳優のようで、身振り手振りに芝居じみた台詞を吐くギャルソンに、何が始まるのかとナナシは目を丸くして、何の反応も出来ないままその様子を見ていた。
「ナナシさん」
呆然としていた意識は、名前を呼ばれたことで引き戻された。
棒立ちをしているナナシを他所に、ギャルソンは突如足元に跪き、ナナシを下から見上げる形となった。そして、先ほど指輪を閉まった箱を取り出すと、箱を開けてナナシの目の前へと差し出した。
「この指輪に誓って、私の存在と私の愛を証明します」
金色の指輪を見ている前で差し出され、ナナシは一層鼓動を早めた。
だってそう、このシチュエーションは映画で見たことがある。
「どうか…どうか、幽霊であるこの私の花嫁になっては頂けませんか」
映画の中で、プロポーズをする二人にそっくりだ。
芝居じみているのに、ギャルソンの表情は至って真剣で、指輪を差し出すその瞳に見つめられると、身体が全く動かなくなってしまった。
真っ直ぐナナシを見つめたギャルソンは、そう言って微笑んでいた。
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