SantaClaus
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「え、え…?」
右手の薬指に、金色の指輪がはまって、いる。
「この店の前の持ち主が置いて行ったものです。あ、別に曰く付きとか、不幸を呼ぶ代物ではないのでご安心下さい。私の鑑定済みですから」
小さいリボンがモチーフの、可愛らしいデザインの指輪。
その存在が視覚と思考回路を占領し、彼の声すら入ってこない。
「そんなものを私が持っていても仕方がないでしょう?前々からどうしようかと手をこまねいていたところだったのでね」
なんて可愛い指輪なのだろうか、好きなデザインだ。
そして、その次に、この指輪が何故はまっているのか、誰がはめてくれたのか、ゆっくりと考え始め。
「絶対ピッタリだと思っていましたよ。その指輪も、ちゃんとつけてくれる主人が現れて喜んでいることでしょうに。一石二鳥ですね」
誰がこんな素敵なものをはめたのだろうか。
指輪を。
ゆび、わ
「…ナナシさん、喜んでくれるのは嬉しいのですが、少しは声を出しても構わないのですよ」
「…っ、…!」
最終的に、このように慌てるまでには、全く彼の説明が頭に入ってくる事はなかった。
突如として現れたそれにナナシは口をぱくぱくさせながら、ギャルソンが喋っている間、声にならない声を上げていた。
「全く…クリスマスなんですから、少しは予想できたでしょうに?ま、貴女らしいと言えばそれまでなのですが…」
それを見て困ったような笑顔を浮かべたギャルソンは、ナナシの顔を覗き込んでは、何か返答して欲しいと声を掛けたのだった。
「こ、こん、な!こんな高価なもの頂けっな…!」
ギャルソンの言うとおり、クリスマスに誰かからプレゼントを貰うのは自然なことではある。そしてこの指輪、とても可愛らしいくナナシの好みのデザインなのだが、普段から物を貰うという行為に慣れていないことと、何よりギャルソンからプレゼントを貰っている事に驚きが隠せなかったのだ。
ともするとナナシは、素直にそれを受け取ることが出来ず、指輪のはまった右手とギャルソンの顔を上げ下げしながら、あたふたと交互に見つめていた。
「高価…うーん、確かに金でしょうけど、いいんじゃありませんか?誰にも知られずここに置いてあるよりは」
「金!?あ、あのこれは、流石に頂けないというか…」
困惑しているナナシに苦笑いが出たギャルソンであったが、緊張をほぐそうと補足したその説明に、ナナシは余計に指輪を貰う事へ躊躇いが生まれてしまう。
はめてもらった指輪を擦りながら、どうしようかと困っているナナシを見たギャルソンは、少し表情を硬くして目を逸らした。
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