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「というか、そんな不愉快極まりない嬉しそうな顔をするナナシさんは、どんな方が好みなのですか?ちょっと語ってくださいよ。絶対気色悪いですから、あとその好みから外れるようにしますから。」
「もう涙も出ませんよ」
大分慣れてきたのか、彼女は彼の辛らつな言葉にもめげずにいられるようになった自身を心の中で褒めてしまう。この言葉が、もう少し優しければ。先ほど夢を見させてもらったのだと自分を騙し、肩を落とした。
気色悪いと言いながらも、彼は彼女に異性の好みを問い質した。彼女にとりわけ特殊な条件があるわけでもなく、今の彼女の望みは一緒の目線で通常の会話をしてみたい、それだけである。
「好きな人のタイプですか…。えっと…優しくてかっこよくて頼りがいがあって、やっぱり背が高いほうが…」
「うわ、普通…貴女って本当に特徴も個性も品も何もかも無いですよね、総じて有りえないです。」
「む…」
答えさせたのはどちらなのか、そんな是非を問うこともなく、つまらなそうに聞き流す彼の姿を見て、彼女はほんの少し、初めての抵抗を見せた。
それは本当に小さな抵抗。付け加えるようにして、ある条件を口にしたのだった。
「…あと意地悪しない痛いことしない人です~優しくないと嫌いです~」
彼とは間逆である二つの条件は今作ったものであり、しかも本心では言っていない。それもこれも、彼に対する当てつけとささやかな抵抗。普通と言われて少し腹が立ったことも加えてか、不貞腐れるようにしてそう答えたのだ。
どうせ外れて嬉しいだの、またつまらないだの、ぼろぼろに言われるのがオチなのだ。少しの抵抗を見せても良いだろう。そう考えていた彼女であったが、返ってきたのはたった一文字だった。
「は…?」
「え?」
一文字、それは馬鹿にしているわけでも彼女の好みを否定しているわけでもない、付け加えられた二つの条件に異を唱える彼の声であった。
「っ…貴女さっき意地悪でも私が好きだと言ったじゃないですか!どういうことなのです!」
「えぇ!?」
激怒する彼は椅子から立ち上がり、もの凄い剣幕で彼女に異議を唱えた。
どういうことなのだろう。彼女にも理由が分からず、今何が悪かったのか、それだけを頭の中で考えていた。
「そんなに…そんなに彼の方がいいのですか…?私の方がナナシさんの事遥かに多く理解しているのに…毎晩密会しているのに…!」
「ギャルソンさん…?」
「そ…それにキスだってした仲なんですから!どう考えても彼が間男じゃないですか!この仲に割って入るとかありえないでしょう!?」
「あのー…」
「ナナシさん!よくお聞きなさい!」
「は、はい?」
床に座り込んでいる彼女の前に駆け寄ると、焦りの表情を見せる彼は、彼女の両肩を掴みながら揺さ振るかのように迫った。
彼女の好みから外れるようにする、そう発言した彼が言う台詞ではないはずだが、突如声を荒立てる彼に彼女は唖然として見つめる事しか出来なかった。
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