S&S2
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「…ナナシさんも言って下さいよ、私を愛していると。否定などさせませんから」
見つめながらそう言う彼は少しだけ拗ねているかのようで、中々自分も好きだと言わない彼女に不安を感じているのか、彼女に拒否権のない同意を求めた。
「…あ、え…と…」
「キスのし過ぎで唇が動きませんか?」
「ち、ちがっ…!」
「ふふ…ほら、言って下さい。その口からちゃんと聞きたいのです」
「…わたしはギャルソンさんのこと」
それまで惚けていた彼女であったが、突如返事を求められ、その言葉でようやく我に返ったのか、やっと震える唇で声を発した。
「大好き、です…」
「…本当に?」
「はい…!本当は、ずっとずっと好きでした…!」
「どこが好きになったのです?こんなに意地悪しているのに…」
「…意地悪でも、ギャルソンさんならいいんです。好きになっちゃ駄目って言われたけど、それでも私…!」
「ナナシさん…」
ずっと秘めていた想いを打ち明けた彼女は、これまで以上に鼓動が高鳴っていた。特殊な性癖を持ち合わせているわけではないが、今までの仕打ちも彼女にとっては彼に特別扱いされているようで、内心嬉しかったのである。それがどうだろう、ここに来てまるで映画のワンシーンのような台詞で想いが通じたのだ。これほど嬉しい事は無い。
「はぁ…」
幸せいっぱいの胸を撫で下ろすと溜息が出ることもある。彼もその幸せな溜息をついたのだろう。彼の幸せな顔はどんな表情なのだろう、彼女は顔を上げて彼を見上げた。
「ギャルソンさ…ん?」
盛大な溜息が聞こえて顔を上げると、そこには幸せも何も、実に不機嫌そうに眉間に皺を寄せて見下している彼の顔があった。
「どこまで低脳なのですか、貴女」
そして、低く冷たいその声が響くと、彼女の中でも幸せが音を立てて崩れる音が響き始めたのだった。
「貴女馬鹿ですか?冒頭の説明聞いていました?そういう雰囲気に呑まれない為の訓練だと言ったのにそこまで恥ずかしいこと言います?」
「嘘…嘘でしょ…」
彼女が気付いた時には、彼は既にいつもの蔑むような目つきに変わり果てていた。
彼は組み敷いていた体勢から改めて椅子に腰掛けると、寝そべりショックに打ちひしがれる彼女を見下しながら言葉を続けた。
「ひ…酷いです!だって、だって…!」
「だって何です?私にそういう感情持つなと注意した上で訓練である事も説明しました。これ以上私にどうしろと言うのですか。」
「これは酷すぎます!私の心弄び過ぎです…!!あそこまでしておいて…私だけ本気だったとか…」
「へぇ?貴女の言葉は嘘じゃなかったと?当然私の言葉は演技ですけど。」
「っ…もう忘れて下さい!!」
恥ずかしながら、彼の甘い言葉にときめいてしまっていた彼女。
心からの言葉を無下にされ、悔しさと恥ずかしさが入り混じる心情で彼に抗議するも、説明したと言う彼の前では無意味であった。
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