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「頭の悪い人種が性に解放的だと、後世に生まれる人もそれなりの人種しか残らないのですよ」
「そ、それはどういう…」
「貴女みたいな人が遺伝子を残すと、後世に響く大惨事になりかねない。と、言っているのです」
「つまり」
「つまり、もう諦めた方が世の為ということですよ」
「…」
「あ、そうだ」
恋愛の自由すら彼に否定されてしまっては、返す言葉も無かった。
「いいことを考えました。今日も一つ、貴女が賢くなるよう矯正しましょう」
「え…!何する気ですか!?」
更に言えば、彼の思いつきは彼女の自尊心や自由を奪う事が九割を占める為、少し身構えておかないと精神的に抉られてしまう。
何かを思いついて笑顔になる彼に対し、嫌な予感と共に彼女は身構えた。
「万年発情期のナナシさんが、種子を残す事しか考えていない男に引っ掛からないよう訓練するのです。我ながら良い社会貢献ですね」
「ちょ…わ、私がエッチなことが大好きみたいじゃないですか!やめてください!」
「はいはい、すけべなナナシさん。今から私が色々と誘惑してみるので、何を言われ何をされても、心揺れ動かしてはいけませんからね」
「だからすけべって…っ」
身構えても、素早い彼の動きには反応することは出来なかった。
衝撃と共に彼女の視界には、天井と彼の顔が映っていた。
「さ、始めましょう?」
床に座っていた彼女を押し倒し、その上から跨いでいる彼はそう言った。
「…あまりにも遅いから、心配したじゃないですか。しかも聞けば他の男と…そりゃ私だって怒りますよ」
「え、え…!?」
理解はした。
自分の上に彼が覆いかぶさっている事。
彼がとてつもなく嬉しい台詞を言っている事。
「もう、止めて下さい…二度とその人と一緒に出かけないで。私以外の男と一緒に居る時間を持たないで下さい…嫉妬させて楽しいですか…」
だが、それを在り得ない事を知っている彼女は順応出来ず、頬擦りしながら耳元で囁く彼の声と体温を感じる事しか出来ない。唖然としながら硬直する彼女を尻目に、彼女の中で在り得ないと思っていた行動は続いた。
「こんなに愛しているのにそんなことされたら…悲しくなります」
身体をひんやりとした温度が包み、低く優しい声が耳に届く。その度にもどかしい感覚に身をよじるも、それを許さないとばかりに彼は腕の力を強めた。
「ふふ、こういうことすると、ナナシさんはいつも真っ赤になって…そういう顔を見るの、大好きですよ」
彼はそう言うと、彼女の頬へ額へ瞼へと、次々に口を付けていく。こんな事をされて恥ずかしくならない方が不思議で、自分でも耳まで熱くなってしまっているのが彼女には分かっていた。
「そういう顔を見ると、ついつい苛めたくなってしまって…いつものあれは愛情表現なのです。…痛いことをしてしまうこともあって、申し訳ないと思っています。でも、止められなくて…」
それでも彼の言葉も口付けも止まる事はなかった。彼女の頬に手を添えると、自分の方へ視線を合わせる。額同士を付け、至近距離で彼女の目を見つめると、恍惚の表情を浮かべながら微笑んで見せた。
「貴女の泣き顔が何よりも大好きです。ごめんなさいと謝る声が大好きです。全てに服従し、私だけの命令に従う貴女の健気さが胸を締め付けます。何より私だけを見ている、それが嬉しいのです」
今まで聞いたことが無いほど優しい声と、真っ直ぐ自分を見つめる彼の瞳に、彼女は息を呑んだ。嘘や演技で言っているのか、普段の彼が芝居一つにこんな表情や言葉を発するか考えていた彼女であったが、今はそんなことどうでもよかった。
彼女の思い描く、大好きで優しい彼がそこに居るのだから。
「私がこんなに一途に想っているのです、ナナシさんには私しかいないでしょう?拒否なんてさせないですから…私にここまで言わせたのです、それ相応…それ以上の愛を下さい」
強請るように、甘えるように、頬を寄せて擦り寄って。彼の襟の部分を少し掴んで、彼女なりに好きだと表現する。しかし、彼はそんな小さな合図では満足できないのか、不満そうな顔で彼女を見つめ直した。
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