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「ギャルソンさんは…いつも私に優しくて、傍で見守ってくれて、厳しい事を言う事もあるけど、全部私のために言ってくれているの、とっても嬉しくて…」
「…私は、その」
見守っている、それはナナシの視点からいえることなのだろうが、ギャルソンからすれば、目が離せないだけなのだ。決して危なっかしいとかそういう理由ではない。暇さえあれば彼女を見ていたい、傍に居たい、助けになりたい、つまるところ彼女に好意を寄せているのだ。
今ここでそんな事が言えるはずもないギャルソンは言葉を濁すも、常日頃の好意が彼女に伝わっている事を内心喜んでいた。
喜んではいたのだが。
「それってもうお父さんであるとしか言いようがないですよね!」
「そこ!そこがおかしいです!惜しい、貴女は実に惜しい!その機転の利かせ方が悔しい!」
相手はナナシである。あまりの予想外の展開に、思わずいつもは出さない声を上げてしまうのだった。
「だって…お仕事もばりばりやってて、男らしくて、頼りがいがあるって言ったらお父さんの役割担ってますって!なので父の日の今日、ギャルソンさんには休暇を取って頂きます!」
「…そこまで感じてくれているのにそこに持っていっちゃったんですね」
ギャルソンの日頃の好意はナナシに伝わっていたようだが、受け止め方には大分相違があったらしい。成果が出たような出ていないような、もどかしい気持ちでいっぱいのギャルソンはがっくりと肩を落としてしまうのだった。
「それに、こういう日じゃないとギャルソンさんはお仕事休まなそうだったから…」
突如声色の変わったナナシに、ギャルソンは顔を上げると、彼女は心配そうにこちらを見ていた。
先ほどまでの笑顔は曇り、少しだけ視線を逸らすと、ぽつりぽつりと彼女なりの経緯を話し始めのだった。
「だから、今日だけ…いつも支えてくれるギャルソンさんは私のお父さんです。お父さんは今日私に労われなきゃ駄目です。いっぱい、いっぱいありがとうって言いたいから…」
ナナシの心配そうな顔を見ると、少しだけ胸が痛んだ。
そういえばここ最近、ナナシとゆっくり話す時間がなかったことをギャルソンは思い出した。こうやって二人きりで落ち着いて話すのも暫くぶりであり、何度か休んだ方がいいのではと声を掛けられもしていた。
こんな突拍子もない事を言い出したのも、彼女なりの優しさなのだろう。たとえ死んでいるから疲れないと伝えたところで、優しい彼女のことだ、心配しないはずがない。
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