Good-Morning
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暫く彼の横でじっとしていたバク。少しずつ、ぼんやりとしたそれにバクは気付き始めた。
「バク?」
彼が人と同じく、夢を見ている。
驚いて彼を見たバクは、その後直ぐに困惑する事となる。
「これ」
彼の夢をバクは少しだけつまむと、そのまま口の中に放り込んだ。
「とっても甘いバク」
それはバクが今まで食べた事のないほど、甘くて優しい味をしていたのだった。
バクは味が気に入ったのか、捨てるという選択肢を放棄し、美味しいお菓子を間食するかの如く、その夢をパクパクと口の中へと運んでいった。
(いらっしゃいませ。今日は天気が良くて…ええ、本当に。いつものでよろしいですか?…ふふ!私もこの店が持てて嬉しいですよ)
「もぐもぐ」
(おかえりなさい!もう夕飯出来てるからね。…あ、駄目駄目!ネクタイは私が外すの!…そっか、今日はいっぱいお客さん来たんだ。貴方の料理、近所で大評判なんだよ?)
「もぐもぐ」
(新作、何がいいでしょうかね。ああそうだ、今週末は一緒に出かけましょうか?食材を買って、二人で新作料理、考えましょうよ)
「もぐもぐ」
(ほら、また怖いビデオを借りてきたんですよ、一緒に見ましょ…ほーら、逃げない逃げない。ここに座って?こうしていれば、怖くないでしょう?)
「もぐもぐ」
(う、うるさいな…大体、貴方があんなの借りてくるから怖くなるんでしょう!いいから布団に入れてよ!二度と借りて来ちゃ…何笑ってるの!笑い事じゃないんだってば!)
「もぐもぐ」
(も、もう寝ちゃったんですか?あんなに騒いでたくせに…?…ふふ、寝てても膨れっ面ですか)
「もぐもぐ」
(…週末はドライブに行きましょう、貴女が観たがっていた映画を見に行って、店のインテリアを買って、新作の料理を一緒に考えましょう。ねえ、ナナシ)
「ごちそうさま」
バクは彼の言いつけどおりに淡々と夢を回収し終わると、小さくそう呟いた。
「この夢は食べちゃって良かったバク?」
食べ終わってからいうことではないのだが、この甘さは一般的に言えば悪夢とは言いがたい味をしていたのだ。
瞳を閉じている彼の表情は、とても穏やかで幸せそうだ。彼が目覚めたとき、夢の事は一切覚えていないだろう。だけどそう、彼が悪夢だと言うのなら、この甘い夢は悪夢なのだろう。
「おやすみ、支配人」
世の中には分からない事が多い、そんなことを思いながらノルマを達成したバクは、その部屋を後にして自身も一時の休息を取りに消えた。
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