siri
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思ってもいなかったギャルソンの言葉にナナシは呆気に取られ、持っていた荷物を床に落としてしまうのだった。
少しだけ恥ずかしそうな表情に、ことの信憑性を感じ取れる。先ほどから痴漢だの変態だのなじり続けてはいたが、日ごろから密かに好意を抱いていたナナシにとって、これほど嬉しいことはないのだ。心臓の音が聞こえてしまうのではないのかと思うほど、大きく高鳴っていた。
「お尻だけじゃありません…ナナシさん自身が私を魅了してやまないのですよ」
優しい声色と照れたような表情で、ナナシにゆっくりと顔を近づけてくる。そっと手が伸びてきては、ナナシの頬を優しく撫でた。
これはそう、目を閉じるべきなのだ。
ナナシは高鳴る鼓動を抑え、ぎゅっと目を閉じた。
「あーでも一つ改善して欲しいんですけど、この子供っぽいパンツはやめて欲しいんです。折角のお尻のラインが見えないんですよ…あ、それならいっそガーターベルトでセクシー路線を決め込んでラインを強調してみるのも一興かと」
優しい感触を裏切るかのように、涼しくなる足元。
伸びたギャルソンの手はナナシのスカートをたくし上げ、さも当然のように下着のダメ出しをし始めていたのだ。
ギャルソンが前に向き直った時には、既にナナシの右手が振りかぶっているのが見えていた。
「っ…ばかばかばか!だいっきらい!」
乾いた音と共にギャルソンの頬に走った激痛。
顔を真っ赤にして涙目でギャルソンを睨み付けたナナシは、そのまま逃げ去るようにして出て行ってしまったのだった。
一人部屋に取り残されたギャルソンといえば、頬を擦りながら出口を見つめる事しか出来ずにいた。
「…涙目、いいですね」
折角の雰囲気を自らぶち壊したのだが、それよりもナナシの表情の方が印象深いようである。
まるで反省していない様子のギャルソンは、先ほどの光景と手に残る感触を思い出して一人微笑んでいた。
「ナナシさんが大嫌いでも、私は大好きですからね。ふふふ!」
次はいつ来てくれるのでしょうか、そんな独り言を言いながら、嬉しそうに頬を擦るギャルソンなのであった。
fin.
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