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「こ、こんなことする人だとは思いませんでした!ち、痴漢!変態!」
「あんまり言うと何かに目覚めそうなんでもっと言っていいですよ。特に後者を連呼して下さい」
「辞めさせたいのか言わせたいのかどっちかにして下さい、あと目覚めないで下さい、グレードアップとか勘弁ですよ!」
「おやおや、手厳しいですね。…ナナシさん、ちょっといいですか?」
「な、なんですか。また変な事言うなら…」
ナナシの最大の罵声は、ギャルソンにとってのご褒美でしかないようだった。
何を言っても敵わないギャルソンに対し、身の危険を感じ始めてしまうナナシ。このまま間合いを取って出口に逃げようかと考えていたのだが、真面目な表情になるギャルソンに、身構えながらも渋々聞く体勢に入るのだった。
「動物と人、メスがオスを魅了するのに大きな違いがあるのをご存知ですか?」
「え?」
動物、人、オスとメス。
生物の授業でも始める気なのだろうか、この状況で出てくるはずの無い課題に、ナナシは呆気に取られてしまうのだった。
「動物には発情期というものがあります。発情期に入ったメスはその証にお尻が若干大きくなり、それを見てオスはメスに性的魅力を感じ、魅了されるのです」
「は、はぁ…」
「ですが人間には発情期がない。これは何を意味していると思いますか?」
「あ、え、えと…」
「そう、いつでも繁殖期に持ち込める人間には発情期が要らなくなったのです。元は動物だった女性が進化して大きくしたのはお尻ではなく胸。女性の胸が大きくなるのは、進化して行く過程で服を着たため、お尻より胸に目が行く機会が多くなったからだと言われています。胸に魅了される男性、きっとこの地球上で大多数を占めるでしょう」
人間と動物の進化論、とでも言うべきなのだろうか。いたって真面目な表情でつらつらと述べるその内容は授業そのもの。むしろ哲学的であるとナナシには感じられた。
しかし、しかしだ。
「ですがそれは進化過程で移り変わっただけの話し。胸よりもお尻に目が行くのはおじさんっぽいとか変態とか痴漢とか皆さん罵りがちですが、古来より生物はお尻に魅了されるのが常なのです。この意味、お分かりですか?」
「…あの」
「ことわざにもあります。女の尻を追いかける…つまり!人がお尻を愛するのは何の変哲もない自然現象の一つであると考えるべきなのです!」
この話の論点は。
「それはつまり、ギャルソンさんがお尻が好きって捕らえていいんですね?」
「…要約すればそうですね。あ、でもナナシさんのお尻が一番いいんです。スキニーのズボン穿いて来た時は悶々としてました」
「哲学っぽく言ってもその一言で台無しですよ変態」
他ならぬギャルソンの性癖なのである。
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