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「それにその姿…私と同じ姿がデフォルトなはずですが、明らかに可愛い格好して気を引こうとしてますよねー」
「ち、ちが…!これは、その…」
「どうせ『なんだか可愛いお化けさんですねぇ♪』なんてナナシさんに言われたとかなんでしょう?下心丸見えですよ、このすっとこどっこい」
「何故江戸っ子!?し、下心なんて有りませんってば!失礼ですね!」
「ナナシさん。彼は私と同じ姿になれるんですけど、いつもこの格好で?」
「え?あ、はい…てか同じ姿になれるんですか?知らなかった…ああでも、可愛いお化けって言ったの、何で知ってるんですか?」
「 」
悪意のない暴露がお化けギャルソンの胸に突き刺さる。
「…忘れてるようですが貴方と私は同じ存在ですからね。隠しても無駄ですよ」
「嗚呼っ…!」
羞恥で頭を抱えたお化けギャルソンを闇のギャルソンはお見通しであると言っては鼻で笑った。
「…ナナシさん」
「はい?」
そんなお化けギャルソンを尻目に、改めてナナシに向き直った闇のギャルソン。真っ直ぐ見つめる真っ黒な瞳と目が合うと、ナナシは思わず緊張してしまう。
「今から二人きりでお話しませんか?こんな下心丸見えの見せ掛けお化けより、こちらの紳士的な幽霊の方が貴女を満足させて差し上げられるかと」
「わ、私の手を握りながらよく紳士って言えますね」
「す…鋭い返しも素敵ですよ」
的を獲たナナシの返しに一瞬うろたえた闇のギャルソンだったが、そこは幽霊紳士。顔色一つ変えず、尚且つその手を離そうとはしない。
「私、こっちの意気地なしよりも少し大胆なんです。どうせ同じ存在、ならば私と仲良くしてみませんか?」
「…っ」
耳元でそう囁かれるとぞわぞわとした感覚がナナシの身体に走り、耳まで真っ赤になってしまう。
この子は自分を意識している。それを確信した闇のギャルソンは、そんないい反応を返すナナシに気をよくし、更に畳み掛けようと言葉を続けようとした。しかし。
「ち…違います!」
「おや?」
闇のギャルソンは握っていた手を弾かれ、何が起きたのかと目を丸くした。それものそはず、ナナシ自らがその手を離したのだ。
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