Pretender
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そうなんですよ、これですこれ、細く長い脚が素敵でした」
すらっと伸びる脚は細くて白くて、用意しておいた白い靴はぴたりと収まりました。
「そうでした、こうだったんです、やわらかくて綺麗な肌が好きでした」
くびれと膨らんだ胸は柔らかくて、用意しておいた真っ白なドレスを着せてあげました。
「そうなのです、これでした、この香りと艶やかさを愛していました」
撫でるたびに艶やかな髪は甘く香って、用意しておいたベールを被せました。
「そうですよ、こうでした、真っ黒くて輝いた瞳が印象的でした」
月夜に輝く瞳は私の姿も映し出し、用意しておいた道具で顔に化粧をしました。
「そうです、こんな感じでした、私よりも小さくて優しい手でした」
握り締めると私の手に収まる手は細い指で、用意しておいた指輪をはめました。
最後の最後に花束を持たせれば、ほら。
完璧だ。あの日のままの彼女だ。いや、私の思い描いた彼女そのものがここにあるのだ。
純白のドレスに彼女の好きだった花のブーケ、ああ、そうだ、この細い指に指輪をはめるそれを何度思い描いたか。
私の愛したナナシさん、死して愛したナナシさんが目の前に居る、死ぬほど愛していたナナシさんはここにいる、そう、ここに。
「そうそうだ、そうだ」
ぼそぼそ呟きながら頭を抱えて口に出した肯定。
だけど何故だろうか
目の前の彼女を見て頭を駆け巡る否定。
.
