魅惑の唇
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「失礼します…!」
彼女の上に跨ると、恐る恐る口を近づけ触れるか触れないかのキスをしました。冷たい私の唇に触れる温かな体温と鼻孔に届く彼女の香り。音のしない部屋に小さな音が何度も何度も響き、俗に言うリップキスを沢山しました。
唇と唇を押し付ければ、柔らかくて弾力のあるそれが心地よくて、夢にまで見たナナシさんの唇を味わっている、胸に込み上げる感無量の喜び。共に込み上げる貧欲で厭らしい考えが、次第に私の中を掻き乱していったのです。
もっと貪りたい。もっと味わいたい。無我夢中で彼女の下唇を嘗め回しては甘噛みし、自身の舌でその感触と柔らかさを確かめました。ゆっくり輪郭をなぞるように舐めたり、ぴちゃぴちゃと厭らしい音を立てたり、口内に舌を抜き差しして唾液を絡ませたり、無抵抗に犯されている彼女の唇がどんどん私の唾液にまみれていき、下品な舐め方をすればする程ぞくぞくとした背徳感が襲ってくるのです。
次第にナナシさんの唇だけじゃなくて、ナナシさんに下品な私を見せつけている事自体が気持ちいい、そう感じずにはいられなくなっていきました。決して誰にも見せられないであろう私の厭らしい表情と醜態に快楽を感じる私。これじゃあただの変態じゃないですか、分かっていてもぬるぬると彼女の唇に這わせるこの舌と、彼女を見つめる悦に浸る私の顔は、変態他ならないのでしょうに。
「…っん!?…え…!」
ああ、やっと起きましたね。待ちくたびれました。驚きのあまりどうしていいのか分からないようですね、でもいいんです。そうです、その表情、驚きと信じられないという目で見つめるその表情!私はこれを待っていたのです。
貴女が起きて、その唇であの言葉を言ってくれる、それを待ち望んでいたのですから。
『変態』
さあ、早く、私の唾液まみれのその唇で、蔑んで、軽蔑して。その唇でなじって下さい。私を魅了して已まないその唇で。どうしようもない私を、否定して下さい…
fin.
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