人生は白竜ゲー。
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どうやら一番乗りらしい。朝練の為にサッカー棟に来たが、誰も居なかった。なので軽く部室内を掃除して、ユニフォームに着替え、ボールを抱えてグラウンドに出た。この、ボールを蹴っている時間が本当に楽しい。チームの皆とサッカー出来る幸せがいつまでも続けばいいな。そんな矢先に、事件は起こる。
「シオンちゃん♡」
「!!」
この矢鱈と穏やかに聞こえる女の子の声。聞いたら嫌な汗が身体中から噴き出した。ゆっくり振り向くと、私の苦手な人物がそこにいた。
「ベ、ベータ・・・?!」
「はい♡貴方のベータちゃんですっ!」
「私のじゃないっ!」
彼女はベータ。未来人で、歴史に介入してサッカーを消そうとする『タイムエージェント』。この子ホントに苦手なんだよね、私。いろいろちょっかい出してくるし、さっきみたいに『貴方のベータちゃんですっ!』って抜かしてくるのが恐ろしい。
「お前何しに来たの!?」
「え~、流石にお前はないじゃないですかぁ。でもそんな所も素敵です!シオンちゃん♡」
「し、質問に答えて!」
ほらほら!何より私の話を聞いてくれないところが一番やっかいなの!今まで出会ったやばい人の中でもこの子は多分ナンバーワンだろう。関わってはいけない。他のメンバーが来る前にお帰り願おう・・・!
「そうですね、大好きなシオンちゃんの為に教えてあげちゃいます。ジャーン!」
ベータは何かを取りだして私に見せてきた。
「何これ・・・?ミキシマックスガン?」
「いえ、(ゴースト)ミキシマックスなら道具要らないので。」
「あ、そうだっけ。・・・じゃなくて!」
「ふっふっふ。これはですね・・・ミニミニガン、ですっ♡」
ミニミニガン。どうやらネーミングセンスはマサキと同等らしい。でもただでさえ危ない彼女の事だ、何か凄く嫌なことを企んでるに違いない。それを分かった上でベータに尋ねる。
「それで、何するつもり・・・?」
「よくぞ聞いてくれました!このミニミニガンを使って・・・シオンちゃんを小さくしちゃいまーす!」
「はぁ!?」
ち、ちいさくする?!それって豆粒サイズにまで縮められて、ベータに弄ばれるのでは?!い、いやだ!絶対にいやだー!!
「お前っ正気!??」
「正気ですよぉ♡小さくなったシオンちゃんもきっと可愛いでしょうね♡」
「やめてよ!私がお前に何したっていうの?!」
「強いて言うなら私の心を奪っちゃいました♡さぁ、私のためにちっちゃくなぁ~れ!」
ガシャコン!とミニミニガンの銃口が私に向けられた。思わずベータに背を向けて逃げ出した。しかし彼女の人差し指がトリガーを引いたのが速かった。
ビビビビビビビ!
ビームが私の身体に命中した。
「きゃぁあああああ!!」
・・・なにも変化は起きなかった。
「あれぇ?」
「えっ?」
「小さくならない・・・なんで?!」
「わかんない・・・というか壊れてるんじゃないの、それ」
「え~そんなはずないのに!」
上手くいかずにほっぺを膨らませるベータ。私はホッと一安心。すると、グラウンドに誰か入ってきた。
「なんだ、騒がしい・・・ってシオンか」
「うわっ?!」
白竜くんがこっちに来てる!?マズい!ベータと鉢合わせになっちゃう!
「ちょっとぉ、誰ですかこの白いヒト。私のシオンちゃんに馴れ馴れしくないですかぁ?」
「お前のじゃないっ!」
「なんだ貴様、そっちこそシオンにベタベタと・・・離れろ不法侵入者!」
出会ってしまった・・・もう一触即発、喧嘩は不可避だ。また私の全身から冷や汗が吹き出るのを感じる。そして、事件がさらに事件をよぶ。
「気に入らな~い。こうなったら貴方で試し撃ち、しちゃいますね」
いきなりベータがミニミニガンを白竜くんにむけて発射した。
「ぐっ、ぐわぁぁぁぁ!!」
「は、はくりゅうくーん!!」
彼の身体がみるみる小さくなって・・・5歳くらいの姿になってしまった。
「えええええ~!!」
てっきり豆粒サイズになるのかと・・・
「なぁんだ、やっぱり壊れてなかったのね。」
「ベータ!元に戻して!」
「シオンちゃんには申し訳ないですけど、無理です♡今日の所は私、帰りますね~!」
「ちょ、待ちなさい!」
ベータはスフィアデバイスを使って足早に去ってしまった。残されたのは呆然と立ち尽くす私と、小さくなった白竜くん。
「どうしよう・・・」
するとその彼が私の脚にしがみついてきた・・・かわいい!
「おねーちゃん、だれ?」
「えっ」
・・・まさか記憶まで退行するとは思わないじゃん。ベータめ、とんでもない置き土産を残していったな。やっぱりあの子は碌でもない。だからといって彼を放ってはおけないのでしゃがんで彼に目線を合わせる。
「私はシオン。きみは?」
「はくりゅー!」
元気な返事が返ってきて安心する。
「じゃあ、みんながくるまで待ってようか」
さて、メンバーが揃った所で天馬くんたちに事情を説明することにした。結論から言うとみんな納得してくれて、小さくなった白竜くんに興味津々。
「うわぁ!僕より小さいよ!」
「ほんとだ!可愛い!」
「ちっちゃいやんね!」
「こんな子供が成長するとなんでああなるんだ・・・」
「あはは・・・」
みんな口々に感想を述べており、剣城さんはなんか遠い目をしている。あの白竜くんの小さい頃が純粋なサッカー少年だなんて想像つかない。どうしたらあんな性格になってしまうのか。
「フェイ、白竜くん元に戻る?」
「ごめんねシオン。流石に僕たちでは難しい・・・」
「そっか・・・」
「アルノ博士に聞いてみよう。何か力になってくれるかも!」
「それだ!」
「じゃ、僕とワンダバは博士のところに行ってくるよ。その間白竜の傍にいてあげて」
「うん、わかった」
「ねぇシオン~、サッカーしよう!」
飽きてきたらしい白竜くんが服の裾を引っ張って催促し始めた。
「うん、わかった」
二人がアルノ博士の元へ飛んで行ってる間は私たちが白竜くんを見る必要がある。というわけで皆で順番に遊んでいくことになった。今は信助くんがキャッチの練習をしながら相手をしている。
「次はうちの番やね!」
「いいよ~」
そして代わるがわる・・・
「次はシオンちゃんの番だね」
「よーし」
とうとう私の番が回ってきた。がんばるぞ!すると、
「シオン~だっこ」
だっこ?サッカーじゃなくて?でも断る理由なんてないよね。おいで、と腕を広げると彼はキャッキャと喜んで飛び込んできた。
「えへへ~」
嬉しそうだ。こんな風に素直に甘えてきてくれるのは新鮮だし、何より懐いてくれていることがわかる。それがなんか嬉しくてこっちもついつい顔が緩んでしまう。
「ねぇ、シオン」
彼は急に真面目な表情になる。思わずこちらも釣られて緊張してしまう。
「ど、どうしたの?」
「シオンといるとあったかい。もっとギュってしたい」
そう言って私に強く抱き着いてきた。
「!?」
突然のことに驚いて固まってしまう。胸に顔を埋めるようにくっつく彼を見てドキドキする気持ちを必死に抑えながら優しく頭を撫でた。
「・・・ありがとう」
「ん~」
すると今度は鎖骨にチクリとした痛みを感じた。
「いたっ!」
びっくりして下を見ると彼が噛んでいるではないか!
「ちょっ!?」
慌てて引き剥がすと彼はキョトンとしていた。どうやら無意識だったようだ。
「痛いよぉ・・・」
泣きたい気持ちで一杯になりつつも我慢するしかない。だって原因は自分にあるのだもの。こんなことで怒っちゃダメだと自分に言い聞かせることにした。
「大変だー!白竜がシオンのこと噛んだ!」
「えぇ〜!」
いつの間にか近くで見ていた霧野先輩が叫ぶ。それに驚いてみんな集まってきてしまった。
「シオンちゃん大丈夫?」
心配そうな顔を浮かべる葵ちゃんに対してコクりとうなずくことしか出来なかった。
「うぅ・・・」
改めて見ると噛み跡が残ってしまっていて涙が出そうになる。
「よっぽど好きだったんじゃない?」
マサキがニヤリとした顔をして言った。その瞬間ボッと顔が熱くなるのを感じた。
「そそ、そんなわけないじゃん!!」
焦って否定するものの誰も信じてくれなかった。
「おまたせ!」
ワンダバとフェイが戻ってきた。
「おかえり!博士はなんて?」
「うん。あのビームの効能は、身体を若返らせるためのもので、未来ではエステなどに使われるんだ。」
「うんうん」
「あれは本来、局所にビビッと撃ち込むもので全身に大量に浴びせるものじゃないんだ。例えば、顔に撃てば肌が若返ってスベスベになる。」
「なるほど」
今度はワンダバが、
「そして今の白竜は若返り光線を浴び過ぎて5歳になってしまった。この程度で済んだのは運が良いが、下手したら存在そのものが消えてなくなる所だった。歴史改変もいいところだぞ!」
「き、消える!?」
若返りで生まれる前になって存在が消えるって!ベータ!お前は私と白竜くんになんてことしようとしてたの!?許せない・・・!
「効能は3か月程度で切れるから、これで美容整形している人は3か月おきにこれを撃ち込んでいるんだ。」
「・・・つまり、白竜くんは3か月はこのままなの?」
「これだけ小さくなってるからなぁ・・・やっぱりあと8年待つしか・・・」
「っ・・・」
8年は長すぎるよ、フェイ。私は一刻も早く彼を元に戻して一緒にサッカーしたい。私も何か考えろ・・・あ!
「ねぇ、フェイ。若返り光線があるなら、逆に老化させられる何かはある?」
「・・・それだぁ!」
「白竜の場合は量が多くて老化が追いつかないと思う。若返った分だけ老化光線を当てれば元に戻るかもしれない」
「本当?!」
「じゃあ試してみよう。白竜、少し動かないで」
「うん」
フェイは機械を取り出し操作。すると機械から眩しい光線が放たれた。その光が白竜くんに当たっていくにつれて彼が大きくなっていく・・・!
「やった!成功だよ!」
「すごい!やったねフェイ!」
「ワタシの出番はないのか・・・」
「ワンダバ黙って」
しばらくしていつもの白竜くんに戻った。
「ん・・・ここは何処だ。俺は確か・・・」
「あ、起きたよ!」
「白竜!気が付いたか?」
「ホントによかったぁ・・・!」
「・・・なぜお前たちがここにいる?」
「覚えてないの?」
まだぼんやりしていて状況が呑み込めないみたいだ。私は小さくなってからの彼の事を説明した。でも、「そんなことが?」と半信半疑。そりゃそうだよね・・・
「・・・シオン」
「ん、どうしたの?」
「その鎖骨の歯形みたいなものはなんだ」
「え?・・・あ」
白竜くんが元に戻った感動で忘れてた、この噛み跡。全身ブワッと火が付いたかの様に熱くなる。ワンダバとフェイに助けを求めようと視線を二人のいるところに移すと・・・いなくなってた。逃げられた!置いてかないでー!
「な、なんでもないの!」
「なんでもなくはないだろう。見せてみろ」
「ひゃあ!」
肩を掴まれてグイッと引っ張られ、ユニフォームの襟を大きく開かれる。白竜くんの目の前に曝される私の鎖骨。恥ずかしくて目を瞑ると彼の息遣いが感じられた。しばらく何も起きなかったけれど、ペロリと舐められた感触がした。
思わずピクッと体が跳ねてしまう。
「はっ・・・ふぅ・・・」
「正直に言え。誰にやられた?」
きみです。でも覚えてないなら教えても意味が無いと思う。そのままじっとされるものだから段々と変な気分になってきた。ドキドキしながらゆっくり瞼を開くと目が合ったので慌てて逸らしてしまう。しかしすぐに顎を持たれて戻されてしまった。
「シオン」
名前を呼ばれて再び視線を上げると彼が覆い被さるように近づいてきた。咄嵯に後ずさろうとしたのだが既に背中に腕が回されていることに気がついた。
「あ・・・・・」
「言わないなら・・・」
唇に柔らかいものが触れると共に舌が侵入してきた。絡み合う唾液によって互いの体温が上昇していくのを感じる。頭がクラクラして倒れてしまいそう。
「んっ・・・はぁ・・・」
角度を変えながら何度も繰り返される深い口付けに身悶えてしまう。ようやく解放された時には腰が抜けてしまって立てなくなっていた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「フン、他愛もないな。・・・次は無いと思え」
「白竜くん・・・っ」
彼はスタスタとどこかに行ってしまった。その後メンバー全員で「何があったの?」と問い詰められたりして疲れた一日だった・・・。あの時白竜くんに噛まれた所が疼いている。鎖骨に手を当ててみて思う。
もしも次があったらまた私を噛んで欲しいな・・・て、何考えてるんだ私!
おしまい
「そういえばあの若返り光線、私も浴びたけど全然効果なかったな・・・なんでだろ」
「シオンちゃん♡」
「!!」
この矢鱈と穏やかに聞こえる女の子の声。聞いたら嫌な汗が身体中から噴き出した。ゆっくり振り向くと、私の苦手な人物がそこにいた。
「ベ、ベータ・・・?!」
「はい♡貴方のベータちゃんですっ!」
「私のじゃないっ!」
彼女はベータ。未来人で、歴史に介入してサッカーを消そうとする『タイムエージェント』。この子ホントに苦手なんだよね、私。いろいろちょっかい出してくるし、さっきみたいに『貴方のベータちゃんですっ!』って抜かしてくるのが恐ろしい。
「お前何しに来たの!?」
「え~、流石にお前はないじゃないですかぁ。でもそんな所も素敵です!シオンちゃん♡」
「し、質問に答えて!」
ほらほら!何より私の話を聞いてくれないところが一番やっかいなの!今まで出会ったやばい人の中でもこの子は多分ナンバーワンだろう。関わってはいけない。他のメンバーが来る前にお帰り願おう・・・!
「そうですね、大好きなシオンちゃんの為に教えてあげちゃいます。ジャーン!」
ベータは何かを取りだして私に見せてきた。
「何これ・・・?ミキシマックスガン?」
「いえ、(ゴースト)ミキシマックスなら道具要らないので。」
「あ、そうだっけ。・・・じゃなくて!」
「ふっふっふ。これはですね・・・ミニミニガン、ですっ♡」
ミニミニガン。どうやらネーミングセンスはマサキと同等らしい。でもただでさえ危ない彼女の事だ、何か凄く嫌なことを企んでるに違いない。それを分かった上でベータに尋ねる。
「それで、何するつもり・・・?」
「よくぞ聞いてくれました!このミニミニガンを使って・・・シオンちゃんを小さくしちゃいまーす!」
「はぁ!?」
ち、ちいさくする?!それって豆粒サイズにまで縮められて、ベータに弄ばれるのでは?!い、いやだ!絶対にいやだー!!
「お前っ正気!??」
「正気ですよぉ♡小さくなったシオンちゃんもきっと可愛いでしょうね♡」
「やめてよ!私がお前に何したっていうの?!」
「強いて言うなら私の心を奪っちゃいました♡さぁ、私のためにちっちゃくなぁ~れ!」
ガシャコン!とミニミニガンの銃口が私に向けられた。思わずベータに背を向けて逃げ出した。しかし彼女の人差し指がトリガーを引いたのが速かった。
ビビビビビビビ!
ビームが私の身体に命中した。
「きゃぁあああああ!!」
・・・なにも変化は起きなかった。
「あれぇ?」
「えっ?」
「小さくならない・・・なんで?!」
「わかんない・・・というか壊れてるんじゃないの、それ」
「え~そんなはずないのに!」
上手くいかずにほっぺを膨らませるベータ。私はホッと一安心。すると、グラウンドに誰か入ってきた。
「なんだ、騒がしい・・・ってシオンか」
「うわっ?!」
白竜くんがこっちに来てる!?マズい!ベータと鉢合わせになっちゃう!
「ちょっとぉ、誰ですかこの白いヒト。私のシオンちゃんに馴れ馴れしくないですかぁ?」
「お前のじゃないっ!」
「なんだ貴様、そっちこそシオンにベタベタと・・・離れろ不法侵入者!」
出会ってしまった・・・もう一触即発、喧嘩は不可避だ。また私の全身から冷や汗が吹き出るのを感じる。そして、事件がさらに事件をよぶ。
「気に入らな~い。こうなったら貴方で試し撃ち、しちゃいますね」
いきなりベータがミニミニガンを白竜くんにむけて発射した。
「ぐっ、ぐわぁぁぁぁ!!」
「は、はくりゅうくーん!!」
彼の身体がみるみる小さくなって・・・5歳くらいの姿になってしまった。
「えええええ~!!」
てっきり豆粒サイズになるのかと・・・
「なぁんだ、やっぱり壊れてなかったのね。」
「ベータ!元に戻して!」
「シオンちゃんには申し訳ないですけど、無理です♡今日の所は私、帰りますね~!」
「ちょ、待ちなさい!」
ベータはスフィアデバイスを使って足早に去ってしまった。残されたのは呆然と立ち尽くす私と、小さくなった白竜くん。
「どうしよう・・・」
するとその彼が私の脚にしがみついてきた・・・かわいい!
「おねーちゃん、だれ?」
「えっ」
・・・まさか記憶まで退行するとは思わないじゃん。ベータめ、とんでもない置き土産を残していったな。やっぱりあの子は碌でもない。だからといって彼を放ってはおけないのでしゃがんで彼に目線を合わせる。
「私はシオン。きみは?」
「はくりゅー!」
元気な返事が返ってきて安心する。
「じゃあ、みんながくるまで待ってようか」
さて、メンバーが揃った所で天馬くんたちに事情を説明することにした。結論から言うとみんな納得してくれて、小さくなった白竜くんに興味津々。
「うわぁ!僕より小さいよ!」
「ほんとだ!可愛い!」
「ちっちゃいやんね!」
「こんな子供が成長するとなんでああなるんだ・・・」
「あはは・・・」
みんな口々に感想を述べており、剣城さんはなんか遠い目をしている。あの白竜くんの小さい頃が純粋なサッカー少年だなんて想像つかない。どうしたらあんな性格になってしまうのか。
「フェイ、白竜くん元に戻る?」
「ごめんねシオン。流石に僕たちでは難しい・・・」
「そっか・・・」
「アルノ博士に聞いてみよう。何か力になってくれるかも!」
「それだ!」
「じゃ、僕とワンダバは博士のところに行ってくるよ。その間白竜の傍にいてあげて」
「うん、わかった」
「ねぇシオン~、サッカーしよう!」
飽きてきたらしい白竜くんが服の裾を引っ張って催促し始めた。
「うん、わかった」
二人がアルノ博士の元へ飛んで行ってる間は私たちが白竜くんを見る必要がある。というわけで皆で順番に遊んでいくことになった。今は信助くんがキャッチの練習をしながら相手をしている。
「次はうちの番やね!」
「いいよ~」
そして代わるがわる・・・
「次はシオンちゃんの番だね」
「よーし」
とうとう私の番が回ってきた。がんばるぞ!すると、
「シオン~だっこ」
だっこ?サッカーじゃなくて?でも断る理由なんてないよね。おいで、と腕を広げると彼はキャッキャと喜んで飛び込んできた。
「えへへ~」
嬉しそうだ。こんな風に素直に甘えてきてくれるのは新鮮だし、何より懐いてくれていることがわかる。それがなんか嬉しくてこっちもついつい顔が緩んでしまう。
「ねぇ、シオン」
彼は急に真面目な表情になる。思わずこちらも釣られて緊張してしまう。
「ど、どうしたの?」
「シオンといるとあったかい。もっとギュってしたい」
そう言って私に強く抱き着いてきた。
「!?」
突然のことに驚いて固まってしまう。胸に顔を埋めるようにくっつく彼を見てドキドキする気持ちを必死に抑えながら優しく頭を撫でた。
「・・・ありがとう」
「ん~」
すると今度は鎖骨にチクリとした痛みを感じた。
「いたっ!」
びっくりして下を見ると彼が噛んでいるではないか!
「ちょっ!?」
慌てて引き剥がすと彼はキョトンとしていた。どうやら無意識だったようだ。
「痛いよぉ・・・」
泣きたい気持ちで一杯になりつつも我慢するしかない。だって原因は自分にあるのだもの。こんなことで怒っちゃダメだと自分に言い聞かせることにした。
「大変だー!白竜がシオンのこと噛んだ!」
「えぇ〜!」
いつの間にか近くで見ていた霧野先輩が叫ぶ。それに驚いてみんな集まってきてしまった。
「シオンちゃん大丈夫?」
心配そうな顔を浮かべる葵ちゃんに対してコクりとうなずくことしか出来なかった。
「うぅ・・・」
改めて見ると噛み跡が残ってしまっていて涙が出そうになる。
「よっぽど好きだったんじゃない?」
マサキがニヤリとした顔をして言った。その瞬間ボッと顔が熱くなるのを感じた。
「そそ、そんなわけないじゃん!!」
焦って否定するものの誰も信じてくれなかった。
「おまたせ!」
ワンダバとフェイが戻ってきた。
「おかえり!博士はなんて?」
「うん。あのビームの効能は、身体を若返らせるためのもので、未来ではエステなどに使われるんだ。」
「うんうん」
「あれは本来、局所にビビッと撃ち込むもので全身に大量に浴びせるものじゃないんだ。例えば、顔に撃てば肌が若返ってスベスベになる。」
「なるほど」
今度はワンダバが、
「そして今の白竜は若返り光線を浴び過ぎて5歳になってしまった。この程度で済んだのは運が良いが、下手したら存在そのものが消えてなくなる所だった。歴史改変もいいところだぞ!」
「き、消える!?」
若返りで生まれる前になって存在が消えるって!ベータ!お前は私と白竜くんになんてことしようとしてたの!?許せない・・・!
「効能は3か月程度で切れるから、これで美容整形している人は3か月おきにこれを撃ち込んでいるんだ。」
「・・・つまり、白竜くんは3か月はこのままなの?」
「これだけ小さくなってるからなぁ・・・やっぱりあと8年待つしか・・・」
「っ・・・」
8年は長すぎるよ、フェイ。私は一刻も早く彼を元に戻して一緒にサッカーしたい。私も何か考えろ・・・あ!
「ねぇ、フェイ。若返り光線があるなら、逆に老化させられる何かはある?」
「・・・それだぁ!」
「白竜の場合は量が多くて老化が追いつかないと思う。若返った分だけ老化光線を当てれば元に戻るかもしれない」
「本当?!」
「じゃあ試してみよう。白竜、少し動かないで」
「うん」
フェイは機械を取り出し操作。すると機械から眩しい光線が放たれた。その光が白竜くんに当たっていくにつれて彼が大きくなっていく・・・!
「やった!成功だよ!」
「すごい!やったねフェイ!」
「ワタシの出番はないのか・・・」
「ワンダバ黙って」
しばらくしていつもの白竜くんに戻った。
「ん・・・ここは何処だ。俺は確か・・・」
「あ、起きたよ!」
「白竜!気が付いたか?」
「ホントによかったぁ・・・!」
「・・・なぜお前たちがここにいる?」
「覚えてないの?」
まだぼんやりしていて状況が呑み込めないみたいだ。私は小さくなってからの彼の事を説明した。でも、「そんなことが?」と半信半疑。そりゃそうだよね・・・
「・・・シオン」
「ん、どうしたの?」
「その鎖骨の歯形みたいなものはなんだ」
「え?・・・あ」
白竜くんが元に戻った感動で忘れてた、この噛み跡。全身ブワッと火が付いたかの様に熱くなる。ワンダバとフェイに助けを求めようと視線を二人のいるところに移すと・・・いなくなってた。逃げられた!置いてかないでー!
「な、なんでもないの!」
「なんでもなくはないだろう。見せてみろ」
「ひゃあ!」
肩を掴まれてグイッと引っ張られ、ユニフォームの襟を大きく開かれる。白竜くんの目の前に曝される私の鎖骨。恥ずかしくて目を瞑ると彼の息遣いが感じられた。しばらく何も起きなかったけれど、ペロリと舐められた感触がした。
思わずピクッと体が跳ねてしまう。
「はっ・・・ふぅ・・・」
「正直に言え。誰にやられた?」
きみです。でも覚えてないなら教えても意味が無いと思う。そのままじっとされるものだから段々と変な気分になってきた。ドキドキしながらゆっくり瞼を開くと目が合ったので慌てて逸らしてしまう。しかしすぐに顎を持たれて戻されてしまった。
「シオン」
名前を呼ばれて再び視線を上げると彼が覆い被さるように近づいてきた。咄嵯に後ずさろうとしたのだが既に背中に腕が回されていることに気がついた。
「あ・・・・・」
「言わないなら・・・」
唇に柔らかいものが触れると共に舌が侵入してきた。絡み合う唾液によって互いの体温が上昇していくのを感じる。頭がクラクラして倒れてしまいそう。
「んっ・・・はぁ・・・」
角度を変えながら何度も繰り返される深い口付けに身悶えてしまう。ようやく解放された時には腰が抜けてしまって立てなくなっていた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「フン、他愛もないな。・・・次は無いと思え」
「白竜くん・・・っ」
彼はスタスタとどこかに行ってしまった。その後メンバー全員で「何があったの?」と問い詰められたりして疲れた一日だった・・・。あの時白竜くんに噛まれた所が疼いている。鎖骨に手を当ててみて思う。
もしも次があったらまた私を噛んで欲しいな・・・て、何考えてるんだ私!
おしまい
「そういえばあの若返り光線、私も浴びたけど全然効果なかったな・・・なんでだろ」