日記
セクマイ関連書籍【追記】
2016/07/07 01:35皆様、こんばんは。
お話の更新はありません。
すみません。
先週末にお話を書こうと思っていたのですが、
仕事上のトラブルがあって(精神的にも)てんてこ舞いだったので更新をお休みさせていただきました。
今週末は書けたらいいなと思っておりますが、
しばらくは土日もお仕事の予定なので書けないかもしれません。
そのときはせめて日記くらいは書きたいなと思っていますが…。
うん、わかってます。
皆様は私の日記なんて求めていないですよね?w
でも書きますけどね!
因みに今回も日記ですけどね!笑
お話は変わりまして、
少し前にセクシュアルマイノリティ関連の書籍を何冊か読んだというご報告をしましたので、それをご紹介したいと思います。
まだ購入した本を全冊は読んでいないのですが、読んだものをパパッとご紹介しますね^^
(7/7の午前に間違えて日記の後半を消してしまったのですが、追加の情報&考察ありで復活させました。)
まず、漫画。
『とある結婚』
これは、日本人とアメリカ人のレズビアンカップルがLAで同性婚をするまでのお話です。
内容的には明るいとは言い辛い感じでしたw
同性愛者であることが上司にバレ、職場で不当な扱いを受けたり、
同性婚をすることはカミングアウトになる面もありますから、
周りの目が気になってプロポーズを受けることができずに悩んだり。
同性婚をするまでの悩みなどを描いた物語でした。
漫画家さんは旦那さんとLAに住んでいらっしゃるそうで、ストレートの方なのかな?
お話の間にアメリカで同性婚が成立するまでの歴史や、
レインボー(LGBTs)パレードの様子などのコラムもありますので、
それらにご興味のある方はその点も面白いと思います。
『同居人の美少女がレズビアンだった件。』
これはコミックエッセイで、描いたのはストレートの方ですが、
その方のお友達のレズビアンの女性について描かれたエッセイです。
そのレズビアンの女性というのが、後でも出てくる牧村朝子さんという方なのですが、
この本は牧村さんが監修して描かれていますので、牧村さんの人生のエピソードなんかも盛り込まれて描いてあります。
牧村さんが悩んできたこととか、葛藤とかも描かれているんですけど、
明るいタッチでさらっと書いてあるので、暗すぎず、読んでいてなんか希望が持てるんです。
牧村さんは日本でフランス人の女性と出会い、フランスで同性婚をなさっています。
何度かテレビなどにもご出演されているようなので、見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
本には凄く共感できるエピソードが結構あって、
牧村さんもたくさん悩んでこられたんだな~っていうのがなんとなくわかるんですけど、
とりあえず終始さらっと明るく描いてるあるんです。
私もいつか良いご縁に恵まれるかもしれないな~。そうだったらいいな~。なんて思えちゃう漫画でした。
牧村さんの真面目だけど時折ズレてる親しみやすいお人柄ゆえなところもあるのだと思います。
どこか自分の心を軽くしてくれるような、つられて少しハッピーな気持ちになっちゃうような、
とても不思議で温かく面白いコミックエッセイでした。
おススメです。
ここからはエッセイ。
『ビアン婚。』
2009年にレズビアンであることを公表されたグラビアタレントの一ノ瀬文香さんが、
後にパートナーとなる杉森茜さんと出会い、結婚式を挙げるまでを綴った自叙伝です。
本を読むと、一ノ瀬さんは自分が同性を愛することよりも、
好きな人の愛し方、愛され方がわからず葛藤されたんだなという印象を受けました。
そして、一ノ瀬さんが新宿二丁目の玄人の方だったことが本を読むとわかります(笑)
ご存知の方が多いと思いますが、新宿二丁目はLGBTsの関連のバーやクラブがたくさん集まっている、
日本のセクマイのメッカみたいな場所です。
日本におけるプライドパレードやセクマイ関連のイベントは、
ここを中心に行われていると言っても過言ではないと思います。
私は人見知りですし、クラブとか苦手なので二丁目にあまり行ったことがありません。
なので、一ノ瀬さんの二丁目関連のエピソードは少し自分から遠く感じてしまいました(笑)
一ノ瀬さん婦婦が結婚式を挙げたことや、
婚姻届けを役所に出して受理されなかったというニュースは結構テレビでも流れていましたので、
ご存知の方も多いのではないでしょうか。
その裏で起きていたことなどが書かれていましたので、大変興味深かったです。
一ノ瀬さんは講演やトークイベントでセクマイのサポート活動もなさっているようです。
『百合のリアル』
これは「同居人の~」のところで少しご紹介した牧村朝子さんが書かれた本です。
この本は、「性自認とは?」「性指向とは?」といった基本的な問いにわかりすく答えています。
漫画パートとかもありながら話が進んでいくので、とてもわかりやすいと思います。
レズビアンとかゲイとかバイとかいろんな括りがありますよね?
それらを説明しつつ、それに囚われないでいいんだよって言っている本でした。
これを読んだら、
「いろんな人がいるんだな~。無理やりどこかの括りに入ろうとしなくても、“自分”のままでいいんだな~。」
って思うんじゃないかな~と思います。
私はそんな風に思いました。
自分のセクシュアリティなどに悩んでいらっしゃる方にお勧めしたい本です。
『同性愛は「病気」なの?』
これも牧村さんの本です。
これは、「なぜ同性愛が“変態”や“病気”だと言われてきたのか?」ということを、
歴史的な面からひも解いていった本です。
この本は個人的に大ヒット。凄く面白かった!
その昔、同性愛は「自然に反する罪」として犯罪と扱われていました。
なぜ犯罪だと思われていたかというと、「同性愛は選んで行った」と思われていたからです。
自然に反することで、避けられたのにあえて行った。
だから犯罪と思われていたんですね。
そして、その昔、同性愛者を狙って脅していた人がたくさんいたんだそうです。(今もいそうですけどw)
同性愛者は脅されても、同性愛も罪として捕まるから警察に相談できない。
それをわかってて同性愛者を狙って脅す人が多かったんだそうです。
そうすると、どうもできなくなって自ら命を絶ってしまう同性愛者が多かった。
「同性愛」という言葉すらまだなかった時代ですから、理解してくれる人や守ってくれる人はほとんどいなかった。
で、あるとき、ある男性の友人が一通の手紙を残して自殺してしまいます。
その友人は、同性愛者でした。
男性は友人の死を悲しみ、あらゆる不正義に対して抗う決意をします。
そして、「同性愛は罪ではない、異性愛者も同性愛者も同じ人間である、
成人が合意の上で行っているプライベートなことに国家が口を出すべきではない」と主張します。
同じころ、別の法学者も「同性愛は生まれつきのものであって、罪ではない」と主張します。
二人の主張が違ったのは、法学者が「同性愛者と異性愛者は違う種類の人間である」と言っていた点です。
異性愛者と同性愛者が違う人間であるという主張の上に、
「同性愛者にとって同性愛は自然なことだから罪ではない」と言っているんです。
そして、上記の二人の少し後に、ある精神科医が同性愛についての本を書きます。
その精神科医は恐喝・投獄・追放に怯えた同性愛者が「異性愛者になりたい」と多数自分のもとにやってくる現実に心を痛め、
上記の法学者の主張にのっかって「同性愛は罪ではない」と主張します。
「同性愛は脳の異常が原因であって、したがって生まれつきだから罪ではない」と。
この精神科医は「同性愛が罪ではない」ということを強く主張したくてそう言っちゃっただけみたいなんです。
実際に脳の違いなんて研究していないようですし。
この本はあくまで真面目な議論に留めるため、
精神科医は難しい学術用語を使いまくり、しかも専門家にしか読めないようにラテン語で本を書きます。
しかし、そんな狙いは外れ、本が異例の大ヒット作になり、たくさんの翻訳本が世に出回ってしまいます。
日本でも「変態性慾心理」というタイトルで翻訳本が出て大ブームになったそうです。
原書では「変態」なんて一言も言っていないのにかかわらずです。
因みに、この翻訳本が大ブームになったせいで、
日本において「同性愛=変態」という風に語られるようになったのだそうな。
で、ここからちょっと流れがおかしくなるんですね。
異性愛者と同性愛者が違う人間、そして脳の違いがあるという報告まであるならば、
研究してもっと違いを明らかにしよう。
そして、その“違い”を治療することで同性愛を治そうという流れが世界的に広まってしまうんです。
過去、“同性愛を治す”ための様々な研究がなされ、手術なども行われたそうです。
そして、言わずともおわかりかと思いますが、何一つ成功しておりません。
異性愛者の睾丸を同性愛者に移植したり、脳の手術をしたりして、
死人が出たり、精神に異常をきたして廃人になってしまったりする手術もたくさんあったようです。
そして、戦時中になると、特にナチスのエピソードが有名ですね。
同性愛者は強制収容所に送られ、目印として男性の同性愛者はピンクトライアングル、
女性の同性愛者はブラックトライアングルをつけられました。
(※ブラックトライアングルは、ホームレスや性産業従事者など、ナチス政権下で反社会的と判断された人につけられました。
ピンクトライアングルは男性の同性愛者だけを示す目印でしたが、
ブラックトライアングルはそうではなかった。
ナチスは「女性の同性愛者なんていない。一時の気の迷いにすぎない」と考えていたのですが、
それでも愛を貫こうとした女性同性愛者たちが「子供を産む気のない反社会分子」として処罰されたのだそうです。)
ナチスとしては「国のために産めよ殖やせよ」ですから、
「子供を作れない人は国のためにならない=国の敵」となったようです。
収容所でもたくさんの同性愛の“治療”が試されていたようです。
ただ、ナチスに同性愛者はいなかったのか?というと、やはりそうではなかったようで、
ナチスの突撃隊長が同性愛者だったようです。
彼は優秀な軍人で強大な権力を持ち、ヒトラーとは深い信頼関係で結ばれており、
ヒトラーも彼が同性愛者だと承知していたそうな。
う~ん、なんだかな…って感じですね。
そして後に、ある女性の心理学者によってようやく同性愛者と異性愛者が同じ人間であることが証明されます。
彼女は刑務所や病院の患者ではない同性愛者を30人と、同じように異性愛者を30人集め、
当時、同性愛かどうかを診断できるといわれていたテストをこの60人に受けてもらいました。
そして、60人分の結果をまとめ、
「あなたたちはこれらの結果で誰が同性愛者なのか見分けることができますか?」
と心理学界に挑戦状を叩きつけました。
同性愛を異常扱いしていた心理学の権威や多くの学者たちがその挑戦に挑むも、
60人のうち誰が同性愛者なのかを見分けられた人はいませんでした。
1973年にアメリカ精神医学会がついに「同性愛は病気ではない」と公式に認め、
同性愛を犯罪としていた刑法が世界で廃止される流れが生まれます。
因みに日本でも、広辞苑には“同性愛”の記述として長らく
「同性を愛し、同性に性欲を感ずる異常性欲の一種」と書かれていました。
日本の同性愛者の団体が粘り強く交渉を続け、それが
「同性の者を性的愛情の対象とすること。また、その関係」
という記述に変わったのは、1991年の第4版からなのだそうです。
本当につい最近ですね。
私はこのことを『同性愛って何?[わかりあうことから共に生きるために]』
という本を大学生のときに読んで初めて知りました。
広辞苑や辞書が全て正しいわけではない。辞書も流動的なものである。
そのことをこの出来事で初めて知って衝撃を受けたのを覚えています。
ちょっとお話が脇にそれてしまいましたが、
本の内容は同性愛を取り巻く現状についても取り上げられています。
今でも国によっては同性愛が死刑だったり、違法だったりするところがありますよね。
まだ世界において同性愛者が堂々とカミングアウトして生活するには程遠いかな~というのが私の感想です。
同性愛者のパートナーシップ制度がある国であっても、
都市部はよくても田舎の方では偏見が根強く、
生活するうえで同性愛者であることを隠さなくてはならなかったりするようです。
ロシアなんか2013年に同性愛宣言禁止法を制定して時代に逆行しててw、
ソチオリンピックの時期に話題になりましたよね。
そのせいで各国の首脳がソチオリンピックの開会式をボイコットしました。
日本ではこれらについてほとんど報道されていなかったように思いますが、
開会式をボイコットって相当ですよねw
少し前のアメリカでの銃乱射事件の起きた場所も、
日本ではクラブ?バー?とだけしかほとんど報道されていなかったように思います。
アメリカで有名なゲイクラブで起きたことで、犯人もゲイだったんじゃないかと言われていますし、
日本では明らかにわざとその情報を隠して報道しているのが違和感ありありでした。
こういうとき「日本はまだ偏見が根強いのかな~」と思ってしまいますね。
いやん。ばかん。
でも、最近の日本で同性パートナー証明書を発行する自治体が少しずつ増えているのは喜ばしいことですね^^
今のところ、渋谷区(東京)、世田谷区(東京)、伊賀市(三重県)、宝塚市(兵庫県)、那覇市(沖縄)の5つの自治体が発行してくれるようです。
(※那覇市は7/8から。)
だけどね!まず相手がいないことにはね!!(根本的な問題w)
他の本もご紹介しようと思っていたのですが、予想外にめっちゃ長くなってきてしまったのでw、
一旦ここで切って更新しますね。
他のもまたいつかご紹介します^^
そして、コメントへの返信も週末に行いたいと思っております。
遅くなっていて申し訳ありません。
もう少しお待ちくださいね^^
コメントや拍手をくださった皆様、誠にありがとうございました!
それではおやすみなさ~い!
お話の更新はありません。
すみません。
先週末にお話を書こうと思っていたのですが、
仕事上のトラブルがあって(精神的にも)てんてこ舞いだったので更新をお休みさせていただきました。
今週末は書けたらいいなと思っておりますが、
しばらくは土日もお仕事の予定なので書けないかもしれません。
そのときはせめて日記くらいは書きたいなと思っていますが…。
うん、わかってます。
皆様は私の日記なんて求めていないですよね?w
でも書きますけどね!
因みに今回も日記ですけどね!笑
お話は変わりまして、
少し前にセクシュアルマイノリティ関連の書籍を何冊か読んだというご報告をしましたので、それをご紹介したいと思います。
まだ購入した本を全冊は読んでいないのですが、読んだものをパパッとご紹介しますね^^
(7/7の午前に間違えて日記の後半を消してしまったのですが、追加の情報&考察ありで復活させました。)
まず、漫画。
『とある結婚』
これは、日本人とアメリカ人のレズビアンカップルがLAで同性婚をするまでのお話です。
内容的には明るいとは言い辛い感じでしたw
同性愛者であることが上司にバレ、職場で不当な扱いを受けたり、
同性婚をすることはカミングアウトになる面もありますから、
周りの目が気になってプロポーズを受けることができずに悩んだり。
同性婚をするまでの悩みなどを描いた物語でした。
漫画家さんは旦那さんとLAに住んでいらっしゃるそうで、ストレートの方なのかな?
お話の間にアメリカで同性婚が成立するまでの歴史や、
レインボー(LGBTs)パレードの様子などのコラムもありますので、
それらにご興味のある方はその点も面白いと思います。
『同居人の美少女がレズビアンだった件。』
これはコミックエッセイで、描いたのはストレートの方ですが、
その方のお友達のレズビアンの女性について描かれたエッセイです。
そのレズビアンの女性というのが、後でも出てくる牧村朝子さんという方なのですが、
この本は牧村さんが監修して描かれていますので、牧村さんの人生のエピソードなんかも盛り込まれて描いてあります。
牧村さんが悩んできたこととか、葛藤とかも描かれているんですけど、
明るいタッチでさらっと書いてあるので、暗すぎず、読んでいてなんか希望が持てるんです。
牧村さんは日本でフランス人の女性と出会い、フランスで同性婚をなさっています。
何度かテレビなどにもご出演されているようなので、見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
本には凄く共感できるエピソードが結構あって、
牧村さんもたくさん悩んでこられたんだな~っていうのがなんとなくわかるんですけど、
とりあえず終始さらっと明るく描いてるあるんです。
私もいつか良いご縁に恵まれるかもしれないな~。そうだったらいいな~。なんて思えちゃう漫画でした。
牧村さんの真面目だけど時折ズレてる親しみやすいお人柄ゆえなところもあるのだと思います。
どこか自分の心を軽くしてくれるような、つられて少しハッピーな気持ちになっちゃうような、
とても不思議で温かく面白いコミックエッセイでした。
おススメです。
ここからはエッセイ。
『ビアン婚。』
2009年にレズビアンであることを公表されたグラビアタレントの一ノ瀬文香さんが、
後にパートナーとなる杉森茜さんと出会い、結婚式を挙げるまでを綴った自叙伝です。
本を読むと、一ノ瀬さんは自分が同性を愛することよりも、
好きな人の愛し方、愛され方がわからず葛藤されたんだなという印象を受けました。
そして、一ノ瀬さんが新宿二丁目の玄人の方だったことが本を読むとわかります(笑)
ご存知の方が多いと思いますが、新宿二丁目はLGBTsの関連のバーやクラブがたくさん集まっている、
日本のセクマイのメッカみたいな場所です。
日本におけるプライドパレードやセクマイ関連のイベントは、
ここを中心に行われていると言っても過言ではないと思います。
私は人見知りですし、クラブとか苦手なので二丁目にあまり行ったことがありません。
なので、一ノ瀬さんの二丁目関連のエピソードは少し自分から遠く感じてしまいました(笑)
一ノ瀬さん婦婦が結婚式を挙げたことや、
婚姻届けを役所に出して受理されなかったというニュースは結構テレビでも流れていましたので、
ご存知の方も多いのではないでしょうか。
その裏で起きていたことなどが書かれていましたので、大変興味深かったです。
一ノ瀬さんは講演やトークイベントでセクマイのサポート活動もなさっているようです。
『百合のリアル』
これは「同居人の~」のところで少しご紹介した牧村朝子さんが書かれた本です。
この本は、「性自認とは?」「性指向とは?」といった基本的な問いにわかりすく答えています。
漫画パートとかもありながら話が進んでいくので、とてもわかりやすいと思います。
レズビアンとかゲイとかバイとかいろんな括りがありますよね?
それらを説明しつつ、それに囚われないでいいんだよって言っている本でした。
これを読んだら、
「いろんな人がいるんだな~。無理やりどこかの括りに入ろうとしなくても、“自分”のままでいいんだな~。」
って思うんじゃないかな~と思います。
私はそんな風に思いました。
自分のセクシュアリティなどに悩んでいらっしゃる方にお勧めしたい本です。
『同性愛は「病気」なの?』
これも牧村さんの本です。
これは、「なぜ同性愛が“変態”や“病気”だと言われてきたのか?」ということを、
歴史的な面からひも解いていった本です。
この本は個人的に大ヒット。凄く面白かった!
その昔、同性愛は「自然に反する罪」として犯罪と扱われていました。
なぜ犯罪だと思われていたかというと、「同性愛は選んで行った」と思われていたからです。
自然に反することで、避けられたのにあえて行った。
だから犯罪と思われていたんですね。
そして、その昔、同性愛者を狙って脅していた人がたくさんいたんだそうです。(今もいそうですけどw)
同性愛者は脅されても、同性愛も罪として捕まるから警察に相談できない。
それをわかってて同性愛者を狙って脅す人が多かったんだそうです。
そうすると、どうもできなくなって自ら命を絶ってしまう同性愛者が多かった。
「同性愛」という言葉すらまだなかった時代ですから、理解してくれる人や守ってくれる人はほとんどいなかった。
で、あるとき、ある男性の友人が一通の手紙を残して自殺してしまいます。
その友人は、同性愛者でした。
男性は友人の死を悲しみ、あらゆる不正義に対して抗う決意をします。
そして、「同性愛は罪ではない、異性愛者も同性愛者も同じ人間である、
成人が合意の上で行っているプライベートなことに国家が口を出すべきではない」と主張します。
同じころ、別の法学者も「同性愛は生まれつきのものであって、罪ではない」と主張します。
二人の主張が違ったのは、法学者が「同性愛者と異性愛者は違う種類の人間である」と言っていた点です。
異性愛者と同性愛者が違う人間であるという主張の上に、
「同性愛者にとって同性愛は自然なことだから罪ではない」と言っているんです。
そして、上記の二人の少し後に、ある精神科医が同性愛についての本を書きます。
その精神科医は恐喝・投獄・追放に怯えた同性愛者が「異性愛者になりたい」と多数自分のもとにやってくる現実に心を痛め、
上記の法学者の主張にのっかって「同性愛は罪ではない」と主張します。
「同性愛は脳の異常が原因であって、したがって生まれつきだから罪ではない」と。
この精神科医は「同性愛が罪ではない」ということを強く主張したくてそう言っちゃっただけみたいなんです。
実際に脳の違いなんて研究していないようですし。
この本はあくまで真面目な議論に留めるため、
精神科医は難しい学術用語を使いまくり、しかも専門家にしか読めないようにラテン語で本を書きます。
しかし、そんな狙いは外れ、本が異例の大ヒット作になり、たくさんの翻訳本が世に出回ってしまいます。
日本でも「変態性慾心理」というタイトルで翻訳本が出て大ブームになったそうです。
原書では「変態」なんて一言も言っていないのにかかわらずです。
因みに、この翻訳本が大ブームになったせいで、
日本において「同性愛=変態」という風に語られるようになったのだそうな。
で、ここからちょっと流れがおかしくなるんですね。
異性愛者と同性愛者が違う人間、そして脳の違いがあるという報告まであるならば、
研究してもっと違いを明らかにしよう。
そして、その“違い”を治療することで同性愛を治そうという流れが世界的に広まってしまうんです。
過去、“同性愛を治す”ための様々な研究がなされ、手術なども行われたそうです。
そして、言わずともおわかりかと思いますが、何一つ成功しておりません。
異性愛者の睾丸を同性愛者に移植したり、脳の手術をしたりして、
死人が出たり、精神に異常をきたして廃人になってしまったりする手術もたくさんあったようです。
そして、戦時中になると、特にナチスのエピソードが有名ですね。
同性愛者は強制収容所に送られ、目印として男性の同性愛者はピンクトライアングル、
女性の同性愛者はブラックトライアングルをつけられました。
(※ブラックトライアングルは、ホームレスや性産業従事者など、ナチス政権下で反社会的と判断された人につけられました。
ピンクトライアングルは男性の同性愛者だけを示す目印でしたが、
ブラックトライアングルはそうではなかった。
ナチスは「女性の同性愛者なんていない。一時の気の迷いにすぎない」と考えていたのですが、
それでも愛を貫こうとした女性同性愛者たちが「子供を産む気のない反社会分子」として処罰されたのだそうです。)
ナチスとしては「国のために産めよ殖やせよ」ですから、
「子供を作れない人は国のためにならない=国の敵」となったようです。
収容所でもたくさんの同性愛の“治療”が試されていたようです。
ただ、ナチスに同性愛者はいなかったのか?というと、やはりそうではなかったようで、
ナチスの突撃隊長が同性愛者だったようです。
彼は優秀な軍人で強大な権力を持ち、ヒトラーとは深い信頼関係で結ばれており、
ヒトラーも彼が同性愛者だと承知していたそうな。
う~ん、なんだかな…って感じですね。
そして後に、ある女性の心理学者によってようやく同性愛者と異性愛者が同じ人間であることが証明されます。
彼女は刑務所や病院の患者ではない同性愛者を30人と、同じように異性愛者を30人集め、
当時、同性愛かどうかを診断できるといわれていたテストをこの60人に受けてもらいました。
そして、60人分の結果をまとめ、
「あなたたちはこれらの結果で誰が同性愛者なのか見分けることができますか?」
と心理学界に挑戦状を叩きつけました。
同性愛を異常扱いしていた心理学の権威や多くの学者たちがその挑戦に挑むも、
60人のうち誰が同性愛者なのかを見分けられた人はいませんでした。
1973年にアメリカ精神医学会がついに「同性愛は病気ではない」と公式に認め、
同性愛を犯罪としていた刑法が世界で廃止される流れが生まれます。
因みに日本でも、広辞苑には“同性愛”の記述として長らく
「同性を愛し、同性に性欲を感ずる異常性欲の一種」と書かれていました。
日本の同性愛者の団体が粘り強く交渉を続け、それが
「同性の者を性的愛情の対象とすること。また、その関係」
という記述に変わったのは、1991年の第4版からなのだそうです。
本当につい最近ですね。
私はこのことを『同性愛って何?[わかりあうことから共に生きるために]』
という本を大学生のときに読んで初めて知りました。
広辞苑や辞書が全て正しいわけではない。辞書も流動的なものである。
そのことをこの出来事で初めて知って衝撃を受けたのを覚えています。
ちょっとお話が脇にそれてしまいましたが、
本の内容は同性愛を取り巻く現状についても取り上げられています。
今でも国によっては同性愛が死刑だったり、違法だったりするところがありますよね。
まだ世界において同性愛者が堂々とカミングアウトして生活するには程遠いかな~というのが私の感想です。
同性愛者のパートナーシップ制度がある国であっても、
都市部はよくても田舎の方では偏見が根強く、
生活するうえで同性愛者であることを隠さなくてはならなかったりするようです。
ロシアなんか2013年に同性愛宣言禁止法を制定して時代に逆行しててw、
ソチオリンピックの時期に話題になりましたよね。
そのせいで各国の首脳がソチオリンピックの開会式をボイコットしました。
日本ではこれらについてほとんど報道されていなかったように思いますが、
開会式をボイコットって相当ですよねw
少し前のアメリカでの銃乱射事件の起きた場所も、
日本ではクラブ?バー?とだけしかほとんど報道されていなかったように思います。
アメリカで有名なゲイクラブで起きたことで、犯人もゲイだったんじゃないかと言われていますし、
日本では明らかにわざとその情報を隠して報道しているのが違和感ありありでした。
こういうとき「日本はまだ偏見が根強いのかな~」と思ってしまいますね。
いやん。ばかん。
でも、最近の日本で同性パートナー証明書を発行する自治体が少しずつ増えているのは喜ばしいことですね^^
今のところ、渋谷区(東京)、世田谷区(東京)、伊賀市(三重県)、宝塚市(兵庫県)、那覇市(沖縄)の5つの自治体が発行してくれるようです。
(※那覇市は7/8から。)
だけどね!まず相手がいないことにはね!!(根本的な問題w)
他の本もご紹介しようと思っていたのですが、予想外にめっちゃ長くなってきてしまったのでw、
一旦ここで切って更新しますね。
他のもまたいつかご紹介します^^
そして、コメントへの返信も週末に行いたいと思っております。
遅くなっていて申し訳ありません。
もう少しお待ちくださいね^^
コメントや拍手をくださった皆様、誠にありがとうございました!
それではおやすみなさ~い!