Red or Pink 5

TaeYeon side



「はぁ…」


今日も天気は眩しく清々しい快晴
だけど、私の気分はどんより
私の周りだけ湿度が違うんじゃないだろうかってくらいのジメジメ感

ティファニーにこの前すっぱりとスールを断られてしまった
スールのことをまだよくわかっていない彼女に勢いで了承をとってスールになってもらおうなんて、
そんなことをちらっとでも思ってしまった自分が本当に情けない
マリア様もがっかりなさったに違いない
こんな汚い手を使おうとしたやつが薔薇ファミリーにいるなんて

不甲斐ない妹で、お姉様にも申し訳ない…


「はぁ…」


初日のテストを終え、寮に向かってとぼとぼと帰る
今日もこれから部屋に引きこもって勉強だ

テストが始まったのもあって、私はあの日以来喫茶店を訪れていなかった
ティファニーとは結局連絡先を交換していないから、
あの日以降彼女が何をしているのかも知らない

ティファニーは秋にリリアンに編入すると言っていたから、
今は彼女もいろいろと準備を進めていて忙しいだろう
もしかしたら私が急に喫茶店に行かなくなったこともそんなに気にしていないかもしれない

そんなことを考えてまた少し凹んだ


せめてこれ以上情けない自分にならないようにと、テスト勉強は今まで以上に頑張るつもり
正直、今日のテストも手ごたえがあった
だけど、こんなに気分が晴れないのはやはりあの日断られたショックが大きいせいだ


あ~ダメだダメだ
こんなに暗いオーラをまき散らしてるなんて…


自分が元から根暗なのは自覚している
だけど、ここ数日の私はそれ以上に暗いオーラを出しまくっているらしかった

ユリには「どうしたの?」と心配そうに慰められ、
ソニは私の様子に何も触れず、だけどいつもよりどこか優しかった
クラスメート達からも口々に体調を気遣われ、
自分の情けなさに思わず泣きそうになった

こんな自分が、紅薔薇さまであるお姉さまの妹であり、
下級生を導く2年生であることが申し訳なかった


お姉様にもティファニーにも、会わせる顔がどこにもなかった




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