水たまり

TaeYeon side




振られたことをジェシカに話してから、
もやもやと自分の中に溜まっていた気持ちが少しだけ楽になった
ティファニーを好きな気持ちは相変わらずだけど

振られてもこの気持ちが変わらないならば、私はずっとティファニーを見つめていよう
例え友達としてしか傍にいられなくても、彼女と笑い合えるならそれでいい
そう思うようになった



そんなときだった

ティファニーと二人で海外でのK-POPコンサートの司会の仕事が入った
しかも、半分近くのメンバーは他の仕事の関係で参加できなかったので、私たち二人だけの参加になった







コンサート前日
私達は現地に前入りし、スタッフさんとの打ち合わせなどを済ませることになっていた
空港に向かう車の中でマネージャーオッパから飛行機のチケットを受け取りながら、
今日の予定の大まかな流れを聞く



マネ「~でスタッフさんと打ち合せして、おそらく解散は×時頃になると思う
終わるの遅いし、今日はホテルから外に出ないようにしてくれ
コンサートは明日だから警備員なんかもあまり用意してないらしいんだ」


パニ「わかりました」


マネ「あ、ホテルだけどツインで予約したぞ
別にいいよな?」


テヨン「え?」


マネ「え?ダメだったか?」



私がチラッとティファニーを見ると、彼女は少しだけ顔を赤くしてぎこちなく笑った



うん わかってる
気まずいよね




テヨン「なるべくならシングルの方がいいんですけど…」


マネ「なんだ?喧嘩でもしたのか?」


テヨン「無理ですか?」


マネ「どうしてもって言うならホテルに聞いてみるが…」


パニ「いえ、大丈夫です
テヨン、一緒に泊まろう?
別にいいじゃない」


テヨン「え?
まぁ…ティファニーがいいならそれで…」


パニ「オッパ、ツインで大丈夫です」


マネ「なんだ?
喧嘩してるなら今日中に仲直りしろよ?」


テヨン「あ~…はい…」




ティファニーの返事が意外だった
さっきはあんなにぎこちなく笑っていたのに…






空港で飛行機への搭乗を待っているとき、私は隣に座っていたティファニーに尋ねた



テヨン「ねぇティファニー
部屋、良かったの?
気まずいんだったら無理しなくていいよ
私がオッパにうまく言うから」


パニ「あ~ホテルのこと?
もう予約しちゃってるなら別にいいじゃない
テヨンは私と一緒の部屋嫌?」


テヨン「そうじゃなくて
ティファニーが嫌なんじゃないかってこと」


パニ「嫌なわけないわ
今までも同じ部屋に泊まってたじゃない」


テヨン「そうだけど、これまでと事情が違うでしょ?
それを言ってるの」


パニ「違わないわ
私とテヨンは親友で、メンバーで、一生一緒にいるんだもの
そうでしょ?」


テヨン「そうだけど…」



なんだか頑なな態度のティファニー
私はそれ以上何も言えなかった




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