甘雨
TaeYeon side
うぅ…
今日この顔をされるのは何度目だろう
私がティファニーを追いかけて勝手に渡米して3日
彼女のご実家に泊まらせていただき、ティファニーと恋人の時間を満喫した
私はこの3日間、ティファニーに手を引かれ、
引きこもっていたここ数ヶ月が嘘のようにいろんなところへ外出した
そして外でも家の中でも、今の気持ち、そしてこれまでの思いを少しずつ、だけどたくさん話した
ティファニーは時折辛そうな表情をしていたけれど、
ずっと目を合わせたまま逸らさず、私の話を何でも聞きたがった
そして私もティファニーの話をたくさん聞くうちにわかったことがある
私がずっと彼女の想いから逃げていたせいで、
知らないところでたくさん彼女を泣かせてしまっていたこと
私の片想いを思わぬ形で伝えてから私の前で彼女が泣いたのは、
私達が付き合う前に私が距離を置きたいと言った時、
彼女に別れを告げた時、
別れを二人で決めた時、
そして、彼女の想いから逃げ回っていた私に「今の私を見てよっ」と告げられた時
そのくらいだと思う
私は彼女の前でたくさん泣いたし、彼女がいないところでももっと泣いた
だけど、彼女も私のいないところでたくさん泣いていたんだと、
その頃の話をする彼女の雰囲気でわかった
たくさん泣いていたんだと、言わなくてもわかる
だって、ずっと一緒だったから
ずっと好きだったから、
彼女をずっと傍で見つめていたから、
ティファニーが明るく話そうとしていても、なんとなくわかった
パニ「でねっ
今更なんだけど、やっぱりブレスレットは受け取ってほしいな~って…」
テヨ「…うん」
パニ「受け取ってくれる?」
ティファニーの部屋
ベッドの上に並んで座って話していると、
突然彼女が前のめりになってそんなことを言いだした
テヨ「うん
その…あれは…
…私の方がごめんなさい…」
パニ「ううん、いいの
誕生日プレゼントだから、
やっぱりテヨンが持っててくれたら嬉しいなって思っただけ」
ティファニーはベッドから降りて部屋の隅に向かい、
韓国から持ってきていた荷物の中から小さな箱を取り出す
そして、私の前まで戻ってくると、その箱を両手で私に差し出した
見覚えのあるその箱に、私は思わず彼女の顔を見る
テヨ「これっ…
持ってきてたの?」
パニ「ふふっ 持ってきてたっていうより、最近はずっとバッグに入れてたの
いつかまた渡せたらいいなって思って…」
ティファニーはいつもみたいに私に笑いかける
だけど、その笑顔はいつもとちょっと違った
彼女らしくなく、どこか自信がなさそう
眉毛がちょっぴり八の字になっちゃってる
パニ「その…、あのね…」
箱に添えられた指がちょっぴり自信なさげに小さく箱を撫でる
しかし、一瞬きゅっとその指が強く箱を握りしめた後、
箱がさらに私の方へと差し出された
パニ「その…
テヨナ、お誕生日おめでとうっ」
もう私の誕生日からだいぶ経っているし、月も違うから、
その言葉をもらえるとは思わなかった
驚いて顔をあげ、ティファニーを見ると、
彼女はじっと私を見つめたまま受け取るのを待っていた
テヨ「あっ……へへっ…
あ、ありがとう…っ」
小さくお辞儀をしてからしっかりと箱を握って受け取ると、
みるみるうちにティファニーの表情が喜びに満ちていった
彼女はすぐに私の隣に座ると、「開けてみて、開けてみてっ」とせかす
う~む
前に受け取ったことのあるものだし、
私が見たことがあるのはわかっているはず
なのになぜ彼女はこんなにテンションが上がっているのだろう
不思議に思いながら彼女の言う通りに箱を開けた
ん…
え?
確かに箱の中のプレゼントは私が見たことのあるものだった
デザインも全く一緒
だけど、なぜかそれが2つに増えていた
テヨ「2つ?」
パニ「えへへっ
うん、いいでしょ?」
テヨ「ん?この2つってどっか違うの?」
箱の中から2つのブレスレットを取り出し、手に取って見比べてみたけれど、
やっぱりそれはまるっきり一緒のものだった
2つ?どういうこと?
日替わり用?
壊れた時用?
用途を考えながら手の中の2つを見ていると、
いきなりティファニーが私の目の前にぬっと腕を差し出してきた
さらに、その腕を不自然にフリフリと動かしている
え?
…ああっ!
テヨ「これってお揃いってこと?」
パニ「えへへ~っ ばれちゃった?」
ちゃっかりアピールしておきながら、
ようやくお揃いを当てた私に嬉しそうに頬を緩ませるティファニー
彼女は私の手から一つブレスレットを取ると、留め具を外し始めた
私の手に着けてくれるらしい様子を察知し、私は自分の左腕を彼女の方へと伸ばす
あ…
私が差し出した左手首には、ジェシカからもらったブレスレットがあった
うぅ…
今日この顔をされるのは何度目だろう
私がティファニーを追いかけて勝手に渡米して3日
彼女のご実家に泊まらせていただき、ティファニーと恋人の時間を満喫した
私はこの3日間、ティファニーに手を引かれ、
引きこもっていたここ数ヶ月が嘘のようにいろんなところへ外出した
そして外でも家の中でも、今の気持ち、そしてこれまでの思いを少しずつ、だけどたくさん話した
ティファニーは時折辛そうな表情をしていたけれど、
ずっと目を合わせたまま逸らさず、私の話を何でも聞きたがった
そして私もティファニーの話をたくさん聞くうちにわかったことがある
私がずっと彼女の想いから逃げていたせいで、
知らないところでたくさん彼女を泣かせてしまっていたこと
私の片想いを思わぬ形で伝えてから私の前で彼女が泣いたのは、
私達が付き合う前に私が距離を置きたいと言った時、
彼女に別れを告げた時、
別れを二人で決めた時、
そして、彼女の想いから逃げ回っていた私に「今の私を見てよっ」と告げられた時
そのくらいだと思う
私は彼女の前でたくさん泣いたし、彼女がいないところでももっと泣いた
だけど、彼女も私のいないところでたくさん泣いていたんだと、
その頃の話をする彼女の雰囲気でわかった
たくさん泣いていたんだと、言わなくてもわかる
だって、ずっと一緒だったから
ずっと好きだったから、
彼女をずっと傍で見つめていたから、
ティファニーが明るく話そうとしていても、なんとなくわかった
パニ「でねっ
今更なんだけど、やっぱりブレスレットは受け取ってほしいな~って…」
テヨ「…うん」
パニ「受け取ってくれる?」
ティファニーの部屋
ベッドの上に並んで座って話していると、
突然彼女が前のめりになってそんなことを言いだした
テヨ「うん
その…あれは…
…私の方がごめんなさい…」
パニ「ううん、いいの
誕生日プレゼントだから、
やっぱりテヨンが持っててくれたら嬉しいなって思っただけ」
ティファニーはベッドから降りて部屋の隅に向かい、
韓国から持ってきていた荷物の中から小さな箱を取り出す
そして、私の前まで戻ってくると、その箱を両手で私に差し出した
見覚えのあるその箱に、私は思わず彼女の顔を見る
テヨ「これっ…
持ってきてたの?」
パニ「ふふっ 持ってきてたっていうより、最近はずっとバッグに入れてたの
いつかまた渡せたらいいなって思って…」
ティファニーはいつもみたいに私に笑いかける
だけど、その笑顔はいつもとちょっと違った
彼女らしくなく、どこか自信がなさそう
眉毛がちょっぴり八の字になっちゃってる
パニ「その…、あのね…」
箱に添えられた指がちょっぴり自信なさげに小さく箱を撫でる
しかし、一瞬きゅっとその指が強く箱を握りしめた後、
箱がさらに私の方へと差し出された
パニ「その…
テヨナ、お誕生日おめでとうっ」
もう私の誕生日からだいぶ経っているし、月も違うから、
その言葉をもらえるとは思わなかった
驚いて顔をあげ、ティファニーを見ると、
彼女はじっと私を見つめたまま受け取るのを待っていた
テヨ「あっ……へへっ…
あ、ありがとう…っ」
小さくお辞儀をしてからしっかりと箱を握って受け取ると、
みるみるうちにティファニーの表情が喜びに満ちていった
彼女はすぐに私の隣に座ると、「開けてみて、開けてみてっ」とせかす
う~む
前に受け取ったことのあるものだし、
私が見たことがあるのはわかっているはず
なのになぜ彼女はこんなにテンションが上がっているのだろう
不思議に思いながら彼女の言う通りに箱を開けた
ん…
え?
確かに箱の中のプレゼントは私が見たことのあるものだった
デザインも全く一緒
だけど、なぜかそれが2つに増えていた
テヨ「2つ?」
パニ「えへへっ
うん、いいでしょ?」
テヨ「ん?この2つってどっか違うの?」
箱の中から2つのブレスレットを取り出し、手に取って見比べてみたけれど、
やっぱりそれはまるっきり一緒のものだった
2つ?どういうこと?
日替わり用?
壊れた時用?
用途を考えながら手の中の2つを見ていると、
いきなりティファニーが私の目の前にぬっと腕を差し出してきた
さらに、その腕を不自然にフリフリと動かしている
え?
…ああっ!
テヨ「これってお揃いってこと?」
パニ「えへへ~っ ばれちゃった?」
ちゃっかりアピールしておきながら、
ようやくお揃いを当てた私に嬉しそうに頬を緩ませるティファニー
彼女は私の手から一つブレスレットを取ると、留め具を外し始めた
私の手に着けてくれるらしい様子を察知し、私は自分の左腕を彼女の方へと伸ばす
あ…
私が差し出した左手首には、ジェシカからもらったブレスレットがあった