愛雨

TaeYeon side



どうしよう
は、鼻血出そう…





皆から私の携帯に送られてきた大量のお土産リクエスト
それらを購入するため、私とティファニーはショッピング街にきていた


「テヨナ、こっち!
こっちにあるよっ」


ティファニーは終始満面の笑みでとっても楽しそう
彼女は私をお目当ての場所に案内してくれながら、
何度も私を振り返っては本当に幸せそうに笑っていた

仕事中でもこんな顔してずっと笑っているなんて今まで見たことない
なんていうか…前から可愛かったけど、今日はずっとすごく可愛い
こんなに可愛いティファニーが私を好きでいてくれているなんて、幸せ過ぎて鼻血が出そう

可愛い子があまりに幸せ全開でキラキラ笑っているからだろう
彼女自身は気づいているのかいないのか、
すれ違う人々が何人もティファニーを振り返って見ていた


今日は昨日に引き続いてあいにくの雨
だけどまるでティファニーの周りだけ晴れているみたいにキラキラしてる
傘をたたんでハッピーオーラ全開で鼻歌を歌いながらルンルンしてるティファニー

彼女にはお天気なんて関係ないみたい
お土産を探すという名目で、ティファニーは私をいろんな場所に連れていきたがっていた



テヨ「よし、これでスヨンの分は全部だね」


パニ「残りは~ソニとヒョヨンの分?」


テヨ「そうそう
二人のお土産はここには無さそうだけど、どこかありそうなところ知ってる?」


パニ「う~ん…
ここから10分くらい歩いたところに置いてそうなお店はあるけど、
そこにあるかな~」


テヨ「じゃあそこ行こ」



お店を出て傘を差し、二人並んで歩く
傘を差したままではあまり近づけないし、雨が降っているからお互いの声があまり聞こえない
歩きながら会話を楽しめないのはちょっぴり残念だった

二人ともお土産を持っているし、傘も差しているから手を繋ぐことさえできないけれど、
これまで感じたことのない幸福感と高揚感に気分は最高だった


しばらく歩き、車道を渡るため車の往来を待って立ち止まる
すると、隣に立っていたティファニーが私に何かを伝えようと、
ジェスチャーを交えながら何かを言っていた

彼女は私に何かをしてと言っているのだが、雨音で肝心なところが聞こえない


テヨ「え?何?」


パニ「傘!
ちょっとだけ後ろに傾けて?」


テヨ「え?後ろ?」


なんだかわからないけど、何か理由があるのだろう
傘の柄を持つ手を少しだけ上にあげ、傘を後ろに傾ける

しかし、そのせいで前から雨が降り込み、お土産が濡れそうになった


テヨ「ティファニー、お土産がっ…!」


パニ「大丈夫、こうするから」


ティファニーは自分の前に向かって少し傘を傾けた状態で、
私のすぐ隣に滑り込んできた

「ね?これで濡れないでしょ?」

前に傾けたティファニーの傘と、
後ろに傾けた私の傘でサンドイッチされた私達
上は二人の傘が重なった状態だから確かに濡れない
だけど、これでは前も後ろも見えない


テヨ「これだと歩けないよ?」


パニ「うん
歩くのが目的じゃないからいいの」



そう言うと、ティファニーは私に顔を近づけてきた


えっ…


私の唇の近くに短いキスを落とし、彼女は至近距離で嬉しそうに笑った


パニ「えへへっ これが目的だったりして…」


テヨ「てぃ、ティファニー!こ、こんなところでっ
いや、嬉しいけどっ」


パニ「だって…手も繋げないんだもん!
折角のデートなのに…」


ちょっぴり唇を尖らせながら不満そうにそう言う姿さえ可愛すぎて、またもや鼻血が出そう

「いや、でも人前だからねっ…」
そんな風にティファニーをたしなめながらも、きっと私の顔は嬉しさでデレデレになっていることは間違いない
正直ものすごく嬉しい


パニ「傘で隠してるから大丈夫」


テヨ「そうだけど、絶対見えないわけじゃないし…」


パニ「テヨナ、もう一回キスしていい?
さっき唇に届かなかったから」


テヨ「えっ?」


私の注意を全く気にしていないらしいティファニーは、再び顔を近づけてきた


チュッ…


今度は狙いを外さず、ちゃんと唇が重なる
思わず私もちょっとだけティファニーの方を向いて唇が重なるお手伝いをしてしまったのはしょうがない

だって、可愛いんだもん
私だってキスしたいんだもん


さっきよりも長い時間唇を重ねてからティファニーが顔を離す
彼女はさっきよりも嬉しそうに、目尻を下げて幸せそうに笑っていた


パニ「ふふっ 今はこれで我慢してあげる」


テヨ「そ、それは良かったデスっ」



傘を元に戻し、何事もなかったように二人並ぶ
だけど、私はどうしたって緩む頬を元通りにはできなかった


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