紅の雨
Tiffany side
やっと見つけたテヨン
私は彼女の車の助手席に乗り込み、話し始めるタイミングをうかがっていた
テヨンに今の自分の正直な気持ちを伝えたい
そして、もし…もしテヨンが今でも私を想ってくれているのならば…
緊張で思わずつばを飲み込む
パニ「ねえテヨン
私ね、やっぱり…」
テヨン「なんでここにいるってわかったの?」
私の話を遮り、真剣な目をしたテヨンが私にそう尋ねてきた
彼女はどこか怖いくらいの雰囲気を漂わせている
パニ「え…?
えっと…いろいろ探してやっと見つけたの」
テヨン「なんでここって…」
パニ「この場所を見たとき、なんとなくここにテヨンがいそうな気がして…
それで」
テヨン「………そう
ふふっ…なんでいつもこうなるんだろ…
なんで…」
テヨンはそう言うと、顔を両手で覆って俯いた
そのまま何も言わず、動きもしない
でも、しばらくすると鼻をすする音が小さく響いた
彼女は声も出さず、小さく肩を震わせて泣いていた
パニ「テテ…」
思わず彼女の肩に手を伸ばそうとした私に、テヨンが絞り出すように声を出す
テヨン「…なんで来たの?なんで来るの?
もう終わったじゃん…っ
もう全部終わったはずでしょ!?」
パニ「…」
テヨン「…もう止めてよ…っ」
強い口調でそう言って私を遠ざけようとするテヨン
だけど、そんな彼女が何より苦しそうで、このまま崩れてしまいそうなくらいボロボロに弱っているように感じた
私は身を乗り出して泣いているテヨンの体を包んで抱きしめる
ごめんね、一人でずっと苦しんでたのね
私を避けて、皆を避けて、ずっと一人で苦しんでたのよね
少し前までの自分を見ているようだった
気持ちを押し込めて、だけど耐えられないくらい苦しくて、毎日毎日泣いていた
苦しそうに泣いているテヨンが、そんな自分にダブって見えた
パニ「テヨン、私ね、ずっと苦しかった
あなたと友達に戻るって決めて、自分の気持ちを表に出さないようにするって決めて、
テヨンが誰かと幸せになるのをちゃんと応援できるようにしようって…」
苦しかった
テヨンの幸せを願う一方で、テヨンヘの想いは変わらないどころか膨らむばかり
友達としての私と、彼女を想う私
そのひずみで自分の心がねじれて千切れていくようだった
あのときの私と同じような今のテヨンの姿を見ていたら、
苦しくてどうしようもなくなってミシェルに泣きながら電話した日を思い出した
思わずテヨンを抱きしめる腕に力が入る
パニ「でもね、やっぱりそんなの嫌なの
どうしても無理だって気づいたのっ…グスッ
苦しくて苦しくて…自分じゃなくなっちゃいそうなのよ
私、ずっとテヨンの一番近くにいたいのっ…」
届いてほしい
嘘偽りない私の想いを感じてほしい
信じてほしい
パニ「私、テヨンが好き…
どうしようもなく好き
あなたじゃなくちゃ嫌なの
テヨン、もしあなたがまだ私を想ってくれているんだったら、これからずっと一緒に…」
テヨン「無理だよっ…
もう無理」
テヨンはこれ以上話すなとでも言うように声を出し、私の抱擁を解いた
そして顔を覆っていた手をぎゅっと握りしめて頭を上げる
しかし、彼女は私の方を少し振り向いただけで私と目を合わせようとしなかった
それこそ彼女の言葉への彼女自身の揺らぎを示していると思った
やっと見つけたテヨン
私は彼女の車の助手席に乗り込み、話し始めるタイミングをうかがっていた
テヨンに今の自分の正直な気持ちを伝えたい
そして、もし…もしテヨンが今でも私を想ってくれているのならば…
緊張で思わずつばを飲み込む
パニ「ねえテヨン
私ね、やっぱり…」
テヨン「なんでここにいるってわかったの?」
私の話を遮り、真剣な目をしたテヨンが私にそう尋ねてきた
彼女はどこか怖いくらいの雰囲気を漂わせている
パニ「え…?
えっと…いろいろ探してやっと見つけたの」
テヨン「なんでここって…」
パニ「この場所を見たとき、なんとなくここにテヨンがいそうな気がして…
それで」
テヨン「………そう
ふふっ…なんでいつもこうなるんだろ…
なんで…」
テヨンはそう言うと、顔を両手で覆って俯いた
そのまま何も言わず、動きもしない
でも、しばらくすると鼻をすする音が小さく響いた
彼女は声も出さず、小さく肩を震わせて泣いていた
パニ「テテ…」
思わず彼女の肩に手を伸ばそうとした私に、テヨンが絞り出すように声を出す
テヨン「…なんで来たの?なんで来るの?
もう終わったじゃん…っ
もう全部終わったはずでしょ!?」
パニ「…」
テヨン「…もう止めてよ…っ」
強い口調でそう言って私を遠ざけようとするテヨン
だけど、そんな彼女が何より苦しそうで、このまま崩れてしまいそうなくらいボロボロに弱っているように感じた
私は身を乗り出して泣いているテヨンの体を包んで抱きしめる
ごめんね、一人でずっと苦しんでたのね
私を避けて、皆を避けて、ずっと一人で苦しんでたのよね
少し前までの自分を見ているようだった
気持ちを押し込めて、だけど耐えられないくらい苦しくて、毎日毎日泣いていた
苦しそうに泣いているテヨンが、そんな自分にダブって見えた
パニ「テヨン、私ね、ずっと苦しかった
あなたと友達に戻るって決めて、自分の気持ちを表に出さないようにするって決めて、
テヨンが誰かと幸せになるのをちゃんと応援できるようにしようって…」
苦しかった
テヨンの幸せを願う一方で、テヨンヘの想いは変わらないどころか膨らむばかり
友達としての私と、彼女を想う私
そのひずみで自分の心がねじれて千切れていくようだった
あのときの私と同じような今のテヨンの姿を見ていたら、
苦しくてどうしようもなくなってミシェルに泣きながら電話した日を思い出した
思わずテヨンを抱きしめる腕に力が入る
パニ「でもね、やっぱりそんなの嫌なの
どうしても無理だって気づいたのっ…グスッ
苦しくて苦しくて…自分じゃなくなっちゃいそうなのよ
私、ずっとテヨンの一番近くにいたいのっ…」
届いてほしい
嘘偽りない私の想いを感じてほしい
信じてほしい
パニ「私、テヨンが好き…
どうしようもなく好き
あなたじゃなくちゃ嫌なの
テヨン、もしあなたがまだ私を想ってくれているんだったら、これからずっと一緒に…」
テヨン「無理だよっ…
もう無理」
テヨンはこれ以上話すなとでも言うように声を出し、私の抱擁を解いた
そして顔を覆っていた手をぎゅっと握りしめて頭を上げる
しかし、彼女は私の方を少し振り向いただけで私と目を合わせようとしなかった
それこそ彼女の言葉への彼女自身の揺らぎを示していると思った