とある機械科女子の日常
一年経つと機械科女子という注目もだいぶんと落ち着き、ゆったりとした高校生活を送っていた。
「機械科の女の子だよね〜すごいよね〜クラスのみんな男ばっかなんでしょ?」
「大変だよね〜私だったら無理!」
前言撤回。絶賛派手な女子の先輩方に絡まれている。
「ねぇ、機械科に三島君っているでしょ?」
「…い、います…」
「あの子かっこいいよね〜!仲良い?」
「仲良い…ですかね、クラスメイトの一人程度です」
「ふぅーん、そーなんだ。連絡先とか知ってる?」
「…一応、知ってます」
「まじ!教えて教えて!」
「…えっ、ちょっと勝手には教えられないです…先輩方が直接聞いた方が早いかと…」
人の連絡先を許可なく教えるのはいけないだろう。そもそも三島君が気になるのなら、私じゃなくて本人を捕まえればいいのにと思った。
「聞きたいけど、なかなか会えないんだよね〜いいじゃん。教えてよ」
両側から肩を掴まれ逃げるに逃げられない。
「〇〇〜!先生が探してたよ〜!」
顔を上げれば三島君がニコニコと笑顔で手を振っている。本人の登場に助かったと思った。
「み、三島君!ちょっと来て!」
「え、どうしたの?」
三島君がこちらへ向かって来ると、先輩達が自分の肩に置いていた手を離し前へと歩き出した。
「ねぇねぇ三島君!連絡先教えて!」
「あの子教えてくれないからさ〜」
(勝手に他人の連絡先なんて教えないでしょ…)
まるで私が悪いみたいな言い方に、不愉快な気持ちになる。
(三島君、どうするんだろ…)
先輩達が目の前まで迫りどうするのだろうと様子を見ていれば、三島君は先輩達を無視して私の方へと歩いてきた。
「〇〇、先生探してるよ」
「…え、ちょ、三島君!先輩達が…」
「え?仲良くもない人に連絡先なんて教えたくないよ。〇〇だってそうでしょ?さ、行こ行こ」
三島君はいつもの笑顔でそう答え、唖然とする私の手を掴んだ。そして引っ張られるままその場を後にする。
「…み、三島君。大丈夫?先輩達にあんな態度…」
「大丈夫だよ、たかが一年早く生まれただけでしょ?もしもの時は、先生を頼れば良いんだよ」
「連絡先を教えてって…もしかして先輩達、三島君の事気になってたんじゃ…」
「気になってるんなら、僕の所に直接来ればいい話さ。〇〇を使おうなんて甘いよ」
「き、厳しいね…」
「全然?それに僕、今は彼女なんていらないし」
「そ、そうなんだ…」
バッサリと切り捨てる三島君に驚くしかなかった。
別の日。
「あの、二年の機械科の人ですよね?」
「…はい、そうですけど…」
前回は先輩、今回は後輩の女子が話しかけてきた。
「これ、三島先輩に渡して欲しいんですけど…いいですか?」
差し出された手紙は絶対にラブレターだろう。この子の照れた表情が物語っているし、何度もこの光景を見てきた。
「…わかった…渡しておくね…」
「ありがとうございます!」
女子二人が嬉しそうに笑い合いながら離れていくのを、可哀想にと思いながら見送る。実はこの光景、何度も経験したのだ。だからこの後三島君がどういった反応をするのか、私にはわかっていた。
「はい、三島君!一年から三つ、二年から二つ三年から一つ!」
「あれ、また?ほんと親切だよね、断ればいいのに」
三島君は呆れたような顔をして、私から手紙の束を受け取った。
「断ったら何されるかわかんないじゃん。特に先輩の方」
「何かされたら三島君に言いつけてやる!って言ったらいいんじゃない?僕に嫌われるような事しないでしょ」
「その自信はどこから来るのさ」
「はぁ…手紙くれるのは嬉しいんだけど、直接じゃないとなんか読む気しないな」
「最低だぞ、この男」
「ちゃんと返事してあげろよ三島、書いた子達きっと待ってるぞ」
他の二人が少し羨ましそうに手紙を見た。
「…誰からだろうが、全部ノーだよ」
「え!なんで!?可愛い子いるかもしんないぞ?」
「興味ない」
「変なヤツだな。俺なら全員おっけー」
「どの口が最低って言ったのよ」
「冗談に決まってんだろ」
「野間君の冗談わかりにくいんだってば…」
「表情固いんだって…だから後輩から野間先輩怖いって言われんだぞ」
「怖がられてるんだ…」
「俺、何もしてねぇのに酷いよな」
そんなくだらない話をしながら、ふと三島君の方を見るといつものようにニコニコと笑っていた。そのまま見つめていると、三島君と目が合う。
「どうしたの?」
「…もったいないなと思って」
「全然。僕はたった一人といるよりも、このくらいの人数で馬鹿やってる方が楽しいんだ」
「それ一生彼女できないんじゃねぇのか?」
「僕が告白して断る女子がいると思う?」
「うぜぇ…」
「まぁ、三島。顔は良いからな…痛っ!?なんで俺殴った野間!」
「ムカついたから」
「じゃあ、俺じゃねぇだろ!」
野間君と岡田君が取っ組み合っているのを楽しそうに見る三島君を見ていると、さっきの言葉は本当なのだと実感する。
「…でも、私に被害が出るのはやめて欲しいんだけど」
「んー?」
「笑って誤魔化すな!もう…あ、もしかして馬鹿の中に私入ってる!?」
三島君はただニコニコとしているだけで、何も言わなかった。
「機械科の女の子だよね〜すごいよね〜クラスのみんな男ばっかなんでしょ?」
「大変だよね〜私だったら無理!」
前言撤回。絶賛派手な女子の先輩方に絡まれている。
「ねぇ、機械科に三島君っているでしょ?」
「…い、います…」
「あの子かっこいいよね〜!仲良い?」
「仲良い…ですかね、クラスメイトの一人程度です」
「ふぅーん、そーなんだ。連絡先とか知ってる?」
「…一応、知ってます」
「まじ!教えて教えて!」
「…えっ、ちょっと勝手には教えられないです…先輩方が直接聞いた方が早いかと…」
人の連絡先を許可なく教えるのはいけないだろう。そもそも三島君が気になるのなら、私じゃなくて本人を捕まえればいいのにと思った。
「聞きたいけど、なかなか会えないんだよね〜いいじゃん。教えてよ」
両側から肩を掴まれ逃げるに逃げられない。
「〇〇〜!先生が探してたよ〜!」
顔を上げれば三島君がニコニコと笑顔で手を振っている。本人の登場に助かったと思った。
「み、三島君!ちょっと来て!」
「え、どうしたの?」
三島君がこちらへ向かって来ると、先輩達が自分の肩に置いていた手を離し前へと歩き出した。
「ねぇねぇ三島君!連絡先教えて!」
「あの子教えてくれないからさ〜」
(勝手に他人の連絡先なんて教えないでしょ…)
まるで私が悪いみたいな言い方に、不愉快な気持ちになる。
(三島君、どうするんだろ…)
先輩達が目の前まで迫りどうするのだろうと様子を見ていれば、三島君は先輩達を無視して私の方へと歩いてきた。
「〇〇、先生探してるよ」
「…え、ちょ、三島君!先輩達が…」
「え?仲良くもない人に連絡先なんて教えたくないよ。〇〇だってそうでしょ?さ、行こ行こ」
三島君はいつもの笑顔でそう答え、唖然とする私の手を掴んだ。そして引っ張られるままその場を後にする。
「…み、三島君。大丈夫?先輩達にあんな態度…」
「大丈夫だよ、たかが一年早く生まれただけでしょ?もしもの時は、先生を頼れば良いんだよ」
「連絡先を教えてって…もしかして先輩達、三島君の事気になってたんじゃ…」
「気になってるんなら、僕の所に直接来ればいい話さ。〇〇を使おうなんて甘いよ」
「き、厳しいね…」
「全然?それに僕、今は彼女なんていらないし」
「そ、そうなんだ…」
バッサリと切り捨てる三島君に驚くしかなかった。
別の日。
「あの、二年の機械科の人ですよね?」
「…はい、そうですけど…」
前回は先輩、今回は後輩の女子が話しかけてきた。
「これ、三島先輩に渡して欲しいんですけど…いいですか?」
差し出された手紙は絶対にラブレターだろう。この子の照れた表情が物語っているし、何度もこの光景を見てきた。
「…わかった…渡しておくね…」
「ありがとうございます!」
女子二人が嬉しそうに笑い合いながら離れていくのを、可哀想にと思いながら見送る。実はこの光景、何度も経験したのだ。だからこの後三島君がどういった反応をするのか、私にはわかっていた。
「はい、三島君!一年から三つ、二年から二つ三年から一つ!」
「あれ、また?ほんと親切だよね、断ればいいのに」
三島君は呆れたような顔をして、私から手紙の束を受け取った。
「断ったら何されるかわかんないじゃん。特に先輩の方」
「何かされたら三島君に言いつけてやる!って言ったらいいんじゃない?僕に嫌われるような事しないでしょ」
「その自信はどこから来るのさ」
「はぁ…手紙くれるのは嬉しいんだけど、直接じゃないとなんか読む気しないな」
「最低だぞ、この男」
「ちゃんと返事してあげろよ三島、書いた子達きっと待ってるぞ」
他の二人が少し羨ましそうに手紙を見た。
「…誰からだろうが、全部ノーだよ」
「え!なんで!?可愛い子いるかもしんないぞ?」
「興味ない」
「変なヤツだな。俺なら全員おっけー」
「どの口が最低って言ったのよ」
「冗談に決まってんだろ」
「野間君の冗談わかりにくいんだってば…」
「表情固いんだって…だから後輩から野間先輩怖いって言われんだぞ」
「怖がられてるんだ…」
「俺、何もしてねぇのに酷いよな」
そんなくだらない話をしながら、ふと三島君の方を見るといつものようにニコニコと笑っていた。そのまま見つめていると、三島君と目が合う。
「どうしたの?」
「…もったいないなと思って」
「全然。僕はたった一人といるよりも、このくらいの人数で馬鹿やってる方が楽しいんだ」
「それ一生彼女できないんじゃねぇのか?」
「僕が告白して断る女子がいると思う?」
「うぜぇ…」
「まぁ、三島。顔は良いからな…痛っ!?なんで俺殴った野間!」
「ムカついたから」
「じゃあ、俺じゃねぇだろ!」
野間君と岡田君が取っ組み合っているのを楽しそうに見る三島君を見ていると、さっきの言葉は本当なのだと実感する。
「…でも、私に被害が出るのはやめて欲しいんだけど」
「んー?」
「笑って誤魔化すな!もう…あ、もしかして馬鹿の中に私入ってる!?」
三島君はただニコニコとしているだけで、何も言わなかった。
