自由人HERO
竜人界、リュウ達三兄弟は屋敷で各々仕事なり趣味なり自由に過ごしていた。
「胸が苦しい…」
「そうですか」
「死ぬならぽっくり逝ってくれでちゅ」
「お前らほんとに血を分けた兄弟か?」
白龍とタツは興味がないという風に、自分の事に集中する。
「くっそー!キリー君の所に行って話聞いてもらうもんねー!!」
「お友達に迷惑をかけるのはやめて下さい」
「龍人が暇人だと思われるからやめろや」
二人の静止も聞かず、リュウは窓から飛び出していった。
「というわけで、お話しようぜキリー君!」
「帰って下さい」
「キリー君ならおっさんの話を聞いてくれると思ってたのに!キリー君と彼女の前に、女装して出てやるんだから!!」
「ぎゃー!!マジでやめて下さい!!て言うか、俺みたいな若造なんかより他の英雄頼って下さいよ!」
「あ?色恋に関してまともな話聞ける奴なんていねぇだろうが」
(否定できねぇ…)
「現時点で彼女がいるキリーが一番先輩だろ」
「頼むからそれ絶対、他の英雄の前で言わないで下さいよ。特に鳥人」
リュウが天使様に恋しているとわかってからは、頻繁にキリーの元へ相談をしに来るようになった。
「最近、天使様の事を思うと胸が苦しいんだ」
「病院行って下さい」
「これが恋の病ってやつかねぇ」
「いい病院紹介しましょうか?」
「キリーてめぇ!真面目に相談乗る気あんのか!?」
「だって!相談するのはいいんすけど、人生経験においてはリュウさんの方が長生きしてるし…アドバイスすんにも、相手は天使様だから俺には想像つかないっすよ」
「たりめーだろ、お前に天使様の何がわかんだ」
「やっぱ、帰ってもらってもいいっすか」
恋愛相談に乗るか乗らないかで言い合っていると、ふとリュウの動きが止まる。
「ど、どうしたんすかリュウさん」
「…天使様の気配がする!」
「はい?」
「半径5キロ圏内に天使様がいる!」
「いつからそんな探知能力ついたんすか」
「行くぞキリー!天使様に蟲人界を案内してやろうぜ!」
「アンタ一人で行ってくださいよ!何で俺まで巻き込むんすか!いやぁーーっ!?」
リュウはキリーを担ぎ上げ、外へと飛び出していった。
蟲人界も花人界に負けず様々な花が咲いており、天使である〇〇はそれを見に来ていた。
「相変わらずお綺麗だねぇ、天使様は」
(マジでいた…リュウさんの探知能力ヤバすぎる)
「よし、キリー君。天使様に怪しまれずに挨拶してこい」
「何で俺なんすか!?リュウさんが行けばいいでしょ!?」
「蟲人界に俺がいんのは不自然だろ。お前が行くのが妥当だ。んで、いい感じに俺も登場させてくれ」
「無茶振りが過ぎる!もう普通に行きましょうよ!たまたま見つけたって事にすればいいじゃないすか!」
「その手はもう使った事あんだよ」
「やり方が怖いっすリュウさん!それもうストーカーに近いっすよ!」
「…あの…そこで何をしていらっしゃるのですか?リュウ様、キリー様」
声がした方に顔を向ければ、困った顔でこちらを見ている〇〇がいた。
「…うわぁ!?こ、こんちわっす!〇〇さん!えぇと、今日はいい天気ですね!」
「は…はい、そうですね」
「えーとぉ…〇〇さんは蟲人界で何してるんすか?」
「私は蟲人界の花を見に来ました。花人界の王様が蟲人界にもいい花が咲いていると教えて下さったのでお邪魔しています」
「そ、そうだったんすか〜」
「お二人は何をされていたのです?」
「え!?お、俺達は…その…」
どうやって誤魔化そうかとリュウの方を見ると、地面に倒れている。
「って、何寝てんすかリュウさん!俺に任せるとかなしっすよ!」
「突然の推しの供給に心臓が耐えられねぇ」
「何変な事言ってんすか!マジで起きてくださいっすよ!」
そう言ってキリーが無理矢理リュウの身体を起こそうとするが、様子がおかしい事に気づく。
「ん?リュウさん、大丈夫っすか。顔色悪いっすよ?」
「あ?ちょっと心臓が苦しいぐらいだ…気にすんな」
「いや、マジ変ですって!」
「お前も俺の事をロリコンだって言うのか」
「いや、そっちの変じゃないっすよ!ていうか、ロリコン疑惑あるんすかアンタ」
「大丈夫ですか、リュウ様!」
異変に気づいた〇〇もリュウに駆け寄る。すると、リュウが胸を押さえて苦しみ出した。
「ぐっ…!こいつも恋の病のひとつかい?こいつは堪えるねぇ」
「先に頭見てもらうっすかリュウさん」
「少し我慢してて下さい。私の治癒能力で…」
〇〇が術を使おうとするが、リュウの顔色は一向に良くならない。
「私の治癒能力が効かない…?」
「ぐうっ…!!」
心臓の位置を掻きむしるように苦しむリュウに、流石にまずいと思ったキリーが担ぎ上げる。
「とりあえず、知ってる医者の所に連れて行きます!〇〇さんは俺について来て下さいっす!」
「は、はい!」
そのまま二人は蟲人界の医者の元へと走り出した。
「はぁ…で?俺の所に連れてきたと…」
蟲人界でも竜人界でもリュウの状態は良くならなず、最終手段としてガマ仙人の所へ連れてきた。
「私の術が効かなかったのです。病気ではないとすると、何かの呪いかもしれないと…仙人様なら解けるのではないかと思って…」
ガマ仙人は苦しそうにしているリュウを見る。
「…安心しろ、死にはしねぇよ」
ガマ仙人の言葉にほっとする〇〇。
「え、死なんのんかい。遺産配分が増えると思っとったのに」
「え!?もう写真準備しちゃったんだけど!?」
「相変わらずだなお前ら」
「ガマ仙人。死なないのはわかったけど、リュウずっと苦しそうだぞ?」
「治す方法はありますか?」
ガマ仙人は顎に手を当て、〇〇を真っ直ぐ見た。
「こいつはな、お前の魅了にかかってんだよ」
「「みりょう?」」
ヒーローと〇〇は二人して首を傾げた。
「悪魔とかにいんだろ。相手を魅了して下僕にするってやつ。それと似たようなもんだ」
「わ、私天使ではなくて悪魔だったのですか…?」
「いや、〇〇さんはほんとに天使っすよ!悪魔っていうのは…」
「何でこっち見てんのさ、キリー!」
「何でもないっす」
「落ち着け、お前は天使だ。超人の中でもお前達は特殊で、単にこいつが近寄り過ぎてバグを起こしてんだよ」
「そ、そんな…このままだとリュウ様はどうなるんですか?」
「お前の奴隷になる」
「良かったじゃん。何でも言う事聞いてくれるんでしょ?」
「役に立つかわからんけど、こんなので良かったらどうぞでちゅ」
「そんな軽々しく!?」
「あぁ…天使様の奴隷にだったら、俺は喜んでなるぜ」
胸を押さえながら、リュウが起き上がる。
「なんなら踏みつけるなり痛めつけるなりしてくれたって構わねぇ!!」
「こりゃそーとー末期だな」
「何を言っているんですか!?リュウ様、しっかりして下さい!」
ペチペチと頬を叩く〇〇の手をリュウが掴む。
「もっと強くお願いします!!」
「きゃあぁぁぁ!?」
〇〇が悲鳴を上げたと同時に鈍い音がして、リュウの頭が地面へとめり込んだ。
「こいつならどうだ」
「…このクソガエル…」
「流石にこのままはマズイぞ。〇〇ちゃんまで被害が及ぶのはダメだ」
「すでに変態行為は見られたしね」
「ガマ仙人、治す方法はないのかー?」
「簡単だ、池にある蓮の花弁を食わせりゃいい」
「そうなんですね!では早速…」
蓮の花弁を取りに行こうと立ち上がった〇〇の腕をリュウが掴む。
「…どこ行こうってんだ、天使様」
その目は逃さないとでも言うように鋭かった。
「はいリュウ様。こちらですよ、一緒に行きましょうね〜!」
「は〜い!」
〇〇はリュウの手を握り、池の近くへと誘導する。
「あれ、ぐずった乱世達にやってたな」
「え、じゃあ今リュウさんちみっこ達と同じ対応されてる?」
〇〇は蓮の花弁を取り、リュウの所へと戻る。
「はい、リュウ様。口を開けて下さいね〜」
「は〜い!」
〇〇に言われるまま、口を開くリュウ。
「昨日、忍にああやって飯食わせてたな」
「扱いが赤ちゃんじゃないっすか!」
「むしろ介護になるんじゃない?」
「…ん?あれ、俺なんでこんな所にいんだ?」
蓮の花弁を飲み込んだリュウが正気に戻る。
「あ、戻ったっぽいっす!」
「大丈夫かリュウ〜変な所とかないか?」
「あぁん?変な所〜?…頬がちょびっとジンジンすんのと、脳天から血が吹き出てんのぐれぇかな」
「よし、大丈夫だ。気にすんな」
「ん〜蟲人界で天使様と会ってから、記憶が曖昧なんだよなぁ…あ!そういや天使様は?」
〇〇はガマ仙人の後ろに身を隠していた。
「天使様、そんなエロガエルの近くにいちゃいけないぜ。何されるかわかんねぇぞ」
「あのおっさん、自分がやった事覚えてねぇぞ」
「どっちも嫌だな」
「けっ!手なんかだすかよ、天界の女にはこりごりしてんだ」
「リュウ様。危ないですのでこれ以上、私に近づかないで下さい!」
「へ?な…何だよ天使様、冗談キツイぜ〜」
「冗談ではありません!そ…その…私に近づくと魅力というのがかかってしまうので、ダメです!」
少し恥ずかしいのか、〇〇が顔を赤くして叫んだ。
「て…天使様…そのダメですっての、もう一回言ってくんねぇかい?」
「おい、こいつ魅力解けてないぞ」
「蓮の花、一株丸々食わせろ」
「魅力がなんだってんだ、こんちくしょーが!!」
「バリバリ魅力かかってた奴が言うセリフじゃねぇんだよ」
「ガマ仙人。〇〇と遊べないのは嫌だぞ。魅力にかからない方法はないのか?」
「こいつも簡単さ。とっとと番を見つけりゃいい」
「「つ、番ー!?」」
「が、ガマ仙人様!私はまだ子供です!番なんて早すぎます!」
「えっ!?まだ子供って…〇〇さんっていくつなんすか!?」
「えぇと…キリー様やサクラ様より少し下かと…」
「て、天使様が未成年…?」
ぼたぼたと鼻血を垂らすリュウ。
「ぎゃーっ!!鼻血垂らしてるこのおっさん!」
「変態にロリコンが追加されたな」
「大丈夫?龍人の英雄」
「はい!俺、番立候補します!」
「あ!?ふざけんなクソ鳥!焼いて食うぞコラァ!」
「あぁん!?決めんのは〇〇ちゃんだろうが!なんでオッサンがキレてんだよ!」
バードに核心をつかれ言葉に詰まるリュウ。
「…まぁ、あれだ。年長者として未成年を守ってやらねばと思ってだな」
「鼻血出してた奴が言うセリフじゃねぇよ」
「やめとけやめとけ!どっちにしろお前らじゃ
無理だ」
「なんだとエロガエル!そんな事わかんねぇだろ!」
「馬鹿野郎。こいつらの性格知ってんだろうが。いくら思い合って結ばれたとしても、天使はその他大勢の命のために尽くし、知りもしない相手のために死ぬやつらだ」
「…」
「それで、嫉妬に狂わない男がいるかい?俺には無理だな。愛した女が知らない男の為に死んだとわかったら、俺はその男を殺すだろうよ」
ガマ仙人が挑発するように二人を見た。
「まぁ、流石にずっとここにいるのも可哀想だからな。魅了の効果を弱める護符でも作ってやるよ」
「ガマ仙人様…ありがとうございます」
「それがあれば地上に来ても大丈夫なのかー?」
「あぁ」
手を取り合って喜ぶヒーローと〇〇。その様子を見て唇を噛むリュウ。
(…天使様の役目…んな事はわかってる。確かに、エロガエルが言ったように俺には我慢できっこねぇ…)
「おいリュウ。問題も解決したし帰ろうぜ」
「…俺は」
「ん?」
「俺は今日から酒断ちをするぞぉ!!」
突然リュウが大声で叫び出し、その場にいた全員が驚く。
「ど、どうしたんすかリュウさん!」
「やっぱりさっき殴られたのが効いたか?」
「酒断ちだけじゃねぇ!もっと自分を追い詰めなきゃダメだ!」
「おい、リュウ落ち着けって…」
「俺は何があっても動じない男になってみせるぜ!そういう訳だから、それまで番作っちゃダメだからね天使様!!」
そしてリュウは言い終わると、勢いよく外へと飛び出して行った。
「あれもう好きだって言ってんのと同じじゃない?」
「めんどくせぇ男に惚れられたな、お前」
リュウが飛び立って行った方向を呆然と見つめる〇〇の頭にガマ仙人は手を置いた。
「胸が苦しい…」
「そうですか」
「死ぬならぽっくり逝ってくれでちゅ」
「お前らほんとに血を分けた兄弟か?」
白龍とタツは興味がないという風に、自分の事に集中する。
「くっそー!キリー君の所に行って話聞いてもらうもんねー!!」
「お友達に迷惑をかけるのはやめて下さい」
「龍人が暇人だと思われるからやめろや」
二人の静止も聞かず、リュウは窓から飛び出していった。
「というわけで、お話しようぜキリー君!」
「帰って下さい」
「キリー君ならおっさんの話を聞いてくれると思ってたのに!キリー君と彼女の前に、女装して出てやるんだから!!」
「ぎゃー!!マジでやめて下さい!!て言うか、俺みたいな若造なんかより他の英雄頼って下さいよ!」
「あ?色恋に関してまともな話聞ける奴なんていねぇだろうが」
(否定できねぇ…)
「現時点で彼女がいるキリーが一番先輩だろ」
「頼むからそれ絶対、他の英雄の前で言わないで下さいよ。特に鳥人」
リュウが天使様に恋しているとわかってからは、頻繁にキリーの元へ相談をしに来るようになった。
「最近、天使様の事を思うと胸が苦しいんだ」
「病院行って下さい」
「これが恋の病ってやつかねぇ」
「いい病院紹介しましょうか?」
「キリーてめぇ!真面目に相談乗る気あんのか!?」
「だって!相談するのはいいんすけど、人生経験においてはリュウさんの方が長生きしてるし…アドバイスすんにも、相手は天使様だから俺には想像つかないっすよ」
「たりめーだろ、お前に天使様の何がわかんだ」
「やっぱ、帰ってもらってもいいっすか」
恋愛相談に乗るか乗らないかで言い合っていると、ふとリュウの動きが止まる。
「ど、どうしたんすかリュウさん」
「…天使様の気配がする!」
「はい?」
「半径5キロ圏内に天使様がいる!」
「いつからそんな探知能力ついたんすか」
「行くぞキリー!天使様に蟲人界を案内してやろうぜ!」
「アンタ一人で行ってくださいよ!何で俺まで巻き込むんすか!いやぁーーっ!?」
リュウはキリーを担ぎ上げ、外へと飛び出していった。
蟲人界も花人界に負けず様々な花が咲いており、天使である〇〇はそれを見に来ていた。
「相変わらずお綺麗だねぇ、天使様は」
(マジでいた…リュウさんの探知能力ヤバすぎる)
「よし、キリー君。天使様に怪しまれずに挨拶してこい」
「何で俺なんすか!?リュウさんが行けばいいでしょ!?」
「蟲人界に俺がいんのは不自然だろ。お前が行くのが妥当だ。んで、いい感じに俺も登場させてくれ」
「無茶振りが過ぎる!もう普通に行きましょうよ!たまたま見つけたって事にすればいいじゃないすか!」
「その手はもう使った事あんだよ」
「やり方が怖いっすリュウさん!それもうストーカーに近いっすよ!」
「…あの…そこで何をしていらっしゃるのですか?リュウ様、キリー様」
声がした方に顔を向ければ、困った顔でこちらを見ている〇〇がいた。
「…うわぁ!?こ、こんちわっす!〇〇さん!えぇと、今日はいい天気ですね!」
「は…はい、そうですね」
「えーとぉ…〇〇さんは蟲人界で何してるんすか?」
「私は蟲人界の花を見に来ました。花人界の王様が蟲人界にもいい花が咲いていると教えて下さったのでお邪魔しています」
「そ、そうだったんすか〜」
「お二人は何をされていたのです?」
「え!?お、俺達は…その…」
どうやって誤魔化そうかとリュウの方を見ると、地面に倒れている。
「って、何寝てんすかリュウさん!俺に任せるとかなしっすよ!」
「突然の推しの供給に心臓が耐えられねぇ」
「何変な事言ってんすか!マジで起きてくださいっすよ!」
そう言ってキリーが無理矢理リュウの身体を起こそうとするが、様子がおかしい事に気づく。
「ん?リュウさん、大丈夫っすか。顔色悪いっすよ?」
「あ?ちょっと心臓が苦しいぐらいだ…気にすんな」
「いや、マジ変ですって!」
「お前も俺の事をロリコンだって言うのか」
「いや、そっちの変じゃないっすよ!ていうか、ロリコン疑惑あるんすかアンタ」
「大丈夫ですか、リュウ様!」
異変に気づいた〇〇もリュウに駆け寄る。すると、リュウが胸を押さえて苦しみ出した。
「ぐっ…!こいつも恋の病のひとつかい?こいつは堪えるねぇ」
「先に頭見てもらうっすかリュウさん」
「少し我慢してて下さい。私の治癒能力で…」
〇〇が術を使おうとするが、リュウの顔色は一向に良くならない。
「私の治癒能力が効かない…?」
「ぐうっ…!!」
心臓の位置を掻きむしるように苦しむリュウに、流石にまずいと思ったキリーが担ぎ上げる。
「とりあえず、知ってる医者の所に連れて行きます!〇〇さんは俺について来て下さいっす!」
「は、はい!」
そのまま二人は蟲人界の医者の元へと走り出した。
「はぁ…で?俺の所に連れてきたと…」
蟲人界でも竜人界でもリュウの状態は良くならなず、最終手段としてガマ仙人の所へ連れてきた。
「私の術が効かなかったのです。病気ではないとすると、何かの呪いかもしれないと…仙人様なら解けるのではないかと思って…」
ガマ仙人は苦しそうにしているリュウを見る。
「…安心しろ、死にはしねぇよ」
ガマ仙人の言葉にほっとする〇〇。
「え、死なんのんかい。遺産配分が増えると思っとったのに」
「え!?もう写真準備しちゃったんだけど!?」
「相変わらずだなお前ら」
「ガマ仙人。死なないのはわかったけど、リュウずっと苦しそうだぞ?」
「治す方法はありますか?」
ガマ仙人は顎に手を当て、〇〇を真っ直ぐ見た。
「こいつはな、お前の魅了にかかってんだよ」
「「みりょう?」」
ヒーローと〇〇は二人して首を傾げた。
「悪魔とかにいんだろ。相手を魅了して下僕にするってやつ。それと似たようなもんだ」
「わ、私天使ではなくて悪魔だったのですか…?」
「いや、〇〇さんはほんとに天使っすよ!悪魔っていうのは…」
「何でこっち見てんのさ、キリー!」
「何でもないっす」
「落ち着け、お前は天使だ。超人の中でもお前達は特殊で、単にこいつが近寄り過ぎてバグを起こしてんだよ」
「そ、そんな…このままだとリュウ様はどうなるんですか?」
「お前の奴隷になる」
「良かったじゃん。何でも言う事聞いてくれるんでしょ?」
「役に立つかわからんけど、こんなので良かったらどうぞでちゅ」
「そんな軽々しく!?」
「あぁ…天使様の奴隷にだったら、俺は喜んでなるぜ」
胸を押さえながら、リュウが起き上がる。
「なんなら踏みつけるなり痛めつけるなりしてくれたって構わねぇ!!」
「こりゃそーとー末期だな」
「何を言っているんですか!?リュウ様、しっかりして下さい!」
ペチペチと頬を叩く〇〇の手をリュウが掴む。
「もっと強くお願いします!!」
「きゃあぁぁぁ!?」
〇〇が悲鳴を上げたと同時に鈍い音がして、リュウの頭が地面へとめり込んだ。
「こいつならどうだ」
「…このクソガエル…」
「流石にこのままはマズイぞ。〇〇ちゃんまで被害が及ぶのはダメだ」
「すでに変態行為は見られたしね」
「ガマ仙人、治す方法はないのかー?」
「簡単だ、池にある蓮の花弁を食わせりゃいい」
「そうなんですね!では早速…」
蓮の花弁を取りに行こうと立ち上がった〇〇の腕をリュウが掴む。
「…どこ行こうってんだ、天使様」
その目は逃さないとでも言うように鋭かった。
「はいリュウ様。こちらですよ、一緒に行きましょうね〜!」
「は〜い!」
〇〇はリュウの手を握り、池の近くへと誘導する。
「あれ、ぐずった乱世達にやってたな」
「え、じゃあ今リュウさんちみっこ達と同じ対応されてる?」
〇〇は蓮の花弁を取り、リュウの所へと戻る。
「はい、リュウ様。口を開けて下さいね〜」
「は〜い!」
〇〇に言われるまま、口を開くリュウ。
「昨日、忍にああやって飯食わせてたな」
「扱いが赤ちゃんじゃないっすか!」
「むしろ介護になるんじゃない?」
「…ん?あれ、俺なんでこんな所にいんだ?」
蓮の花弁を飲み込んだリュウが正気に戻る。
「あ、戻ったっぽいっす!」
「大丈夫かリュウ〜変な所とかないか?」
「あぁん?変な所〜?…頬がちょびっとジンジンすんのと、脳天から血が吹き出てんのぐれぇかな」
「よし、大丈夫だ。気にすんな」
「ん〜蟲人界で天使様と会ってから、記憶が曖昧なんだよなぁ…あ!そういや天使様は?」
〇〇はガマ仙人の後ろに身を隠していた。
「天使様、そんなエロガエルの近くにいちゃいけないぜ。何されるかわかんねぇぞ」
「あのおっさん、自分がやった事覚えてねぇぞ」
「どっちも嫌だな」
「けっ!手なんかだすかよ、天界の女にはこりごりしてんだ」
「リュウ様。危ないですのでこれ以上、私に近づかないで下さい!」
「へ?な…何だよ天使様、冗談キツイぜ〜」
「冗談ではありません!そ…その…私に近づくと魅力というのがかかってしまうので、ダメです!」
少し恥ずかしいのか、〇〇が顔を赤くして叫んだ。
「て…天使様…そのダメですっての、もう一回言ってくんねぇかい?」
「おい、こいつ魅力解けてないぞ」
「蓮の花、一株丸々食わせろ」
「魅力がなんだってんだ、こんちくしょーが!!」
「バリバリ魅力かかってた奴が言うセリフじゃねぇんだよ」
「ガマ仙人。〇〇と遊べないのは嫌だぞ。魅力にかからない方法はないのか?」
「こいつも簡単さ。とっとと番を見つけりゃいい」
「「つ、番ー!?」」
「が、ガマ仙人様!私はまだ子供です!番なんて早すぎます!」
「えっ!?まだ子供って…〇〇さんっていくつなんすか!?」
「えぇと…キリー様やサクラ様より少し下かと…」
「て、天使様が未成年…?」
ぼたぼたと鼻血を垂らすリュウ。
「ぎゃーっ!!鼻血垂らしてるこのおっさん!」
「変態にロリコンが追加されたな」
「大丈夫?龍人の英雄」
「はい!俺、番立候補します!」
「あ!?ふざけんなクソ鳥!焼いて食うぞコラァ!」
「あぁん!?決めんのは〇〇ちゃんだろうが!なんでオッサンがキレてんだよ!」
バードに核心をつかれ言葉に詰まるリュウ。
「…まぁ、あれだ。年長者として未成年を守ってやらねばと思ってだな」
「鼻血出してた奴が言うセリフじゃねぇよ」
「やめとけやめとけ!どっちにしろお前らじゃ
無理だ」
「なんだとエロガエル!そんな事わかんねぇだろ!」
「馬鹿野郎。こいつらの性格知ってんだろうが。いくら思い合って結ばれたとしても、天使はその他大勢の命のために尽くし、知りもしない相手のために死ぬやつらだ」
「…」
「それで、嫉妬に狂わない男がいるかい?俺には無理だな。愛した女が知らない男の為に死んだとわかったら、俺はその男を殺すだろうよ」
ガマ仙人が挑発するように二人を見た。
「まぁ、流石にずっとここにいるのも可哀想だからな。魅了の効果を弱める護符でも作ってやるよ」
「ガマ仙人様…ありがとうございます」
「それがあれば地上に来ても大丈夫なのかー?」
「あぁ」
手を取り合って喜ぶヒーローと〇〇。その様子を見て唇を噛むリュウ。
(…天使様の役目…んな事はわかってる。確かに、エロガエルが言ったように俺には我慢できっこねぇ…)
「おいリュウ。問題も解決したし帰ろうぜ」
「…俺は」
「ん?」
「俺は今日から酒断ちをするぞぉ!!」
突然リュウが大声で叫び出し、その場にいた全員が驚く。
「ど、どうしたんすかリュウさん!」
「やっぱりさっき殴られたのが効いたか?」
「酒断ちだけじゃねぇ!もっと自分を追い詰めなきゃダメだ!」
「おい、リュウ落ち着けって…」
「俺は何があっても動じない男になってみせるぜ!そういう訳だから、それまで番作っちゃダメだからね天使様!!」
そしてリュウは言い終わると、勢いよく外へと飛び出して行った。
「あれもう好きだって言ってんのと同じじゃない?」
「めんどくせぇ男に惚れられたな、お前」
リュウが飛び立って行った方向を呆然と見つめる〇〇の頭にガマ仙人は手を置いた。
