Kleines Kleinod
血盟軍の拠点としてブロッケンJr.の屋敷に来て数ヶ月。ある事が気になって仕方がない。
「あ、バッファローマンまた怪我してる」
トレーニングでついた小さな傷に気づいたガキンチョが、自分の持っている大きな鞄から救急道具を取り出した。
「こんな小さな傷、ほっときゃそのうち治る」
「はいダメー!知らないの?どんなに小さな傷でもばい菌が入ったら、大変な事になるんだから」
問答無用で傷口に消毒液をかけられ若干染みた事に顔を歪める。それを見たガキンチョがにやりと笑ったので、空いた手で鼻を摘んでやり返してやった。
「おじさんがいじめる!」
「おじさん言うな!」
こうしてガキンチョとふざけていると、じっと視線を感じる。羨ましいなら入ってくればいいのにと思わずにはいられない。
「騒がしいと思ったら来ていたか。クライノート、日本の菓子があるんだが食べてみるか?」
「食べる!」
外に出ていたニンジャが戻ってきて、ガキンチョが走って彼の元へと近寄る。感じていた視線が今度はニンジャへと向いた。
「ほら、夕食が食べられるようほどほどにしておきなさい」
「ありがとうニンジャさん!」
「何で俺は呼び捨てなのに、ニンジャはニンジャさんなんだよ」
「日頃の行い」
「何だとぉ〜?」
ガキンチョに近づきニンジャから貰ったお菓子を横取りする。視線がまた俺に戻ってきた。
「お、こりゃ美味いな!ブロッケン、お前も食ってみろよ」
「!?」
さっきからしつこいくらい視線を向けてきた男に声をかければ、驚いて固まっていた。
「あん?どうしたんだよ」
「い、いや。何でもない…そうだよな、あんまり食べすぎると夕飯食べれなくなるもんな。お前全部食べちまいそうだし、俺も食べて少しは量を減らしてやんねぇと…」
早口でぶつぶつ言いながらこちらへと来て、お菓子に手を伸ばす。
「私が貰ったのに!ちゃんと考えて食べるよ!」
ブロッケンとガキンチョがつばえ始めたのを見てそっと離れる。どうやらブロッケンJr.はこのガキンチョに惚れてるらしい。彼女は彼の幼馴染でここへ食料を持って来てくれた時に、ブロッケンJr.の顔色がいつもより明るくなったのを見てなんとなくそう思った。そしてカマをかけてみれば簡単に引っかかり、好きな事が丸分かりな反応を示した。本人はバレていないと思っているようだが、ここにいる全員が見守るような目を向けている事に気づいていない。
「ばっ…!馬鹿!近いんだってお前は!」
お菓子の取り合いをしていたブロッケンが大きな声を上げた。
「いつもの事なのに?」
(自覚あんのかよ)
ブロッケンの背中に引っ付く少女は呆れたような顔をしていた。
「それでも今のは近すぎる!どうすんだよ!もし口が当たって、キ…キスなんかしたら…子供ができちまうんだぞ!!」
「…っ!?」
驚いて菓子が喉に詰まる所をギリギリで回避した。
(嘘だろ!?どこまで純粋なんだよお前!)
ブロッケンの発言に思わずこちらが恥ずかしくなった。他の三人も口元を覆って顔を逸らし、肩を震わせ笑いを堪えているようだった。
(ガキンチョはどう返すんだ?)
全員の視線が彼女へと向く。背中から降りた彼女は少し考えるとにやりと笑った。
「ブロッケン知らないの?赤ちゃんはね〜」
自信満々な彼女を見て、危ない言葉が出そうになったら止めなければと全員の腰が浮いた。すでにニンジャは半分くらい距離を詰めている。
「コウノトリさんが運んでくるんだよ!」
(お前もなのかよ!!)
浮かした腰をソファーに思いっきり沈め天を仰いだ。彼等の純粋過ぎる発言に、ニンジャは床に手をついて崩れ落ちてるし、アシュラマンはどんな顔していいか困ってるし、ソルジャー隊長は顔を覆って笑っている。
(こりゃ、進展しないわけだ)
もどかしい気持ちを吐き出すようにため息をついた。
「だってちゅーで赤ちゃんできるなら、ママにもした事あるしブロッケンパパにもしたよ。ちっちゃい頃なんて、ジュニアにもしてたでしょ」
「そ、そう言われればそうだな」
(何、納得してんだよ…!)
特大の惚気発言を簡単にスルーして話を進める二人に、がたがたと貧乏揺すりが止まらない。
「でも、コウノトリってどこから赤ちゃん連れてくるんだろうね?」
「んー図鑑とかに書いてるんじゃねぇか?」
「鳥の図鑑、ブロッケンパパの書斎にあったかな」
「探してみようぜ」
そう言って立ち上がった二人に、とうとう我慢の限界がきた。
「〜っ!!お前らそこ座れ!俺が教えてやる!」
「やめろバッファローマン!彼等に口出しはしないと決めたではないか!」
「焦った過ぎて我慢できねぇよ!!」
ニンジャ達が荒ぶる俺を取り押さえるのを、二人はきょとんとした目で見ていた。こんなもどかし過ぎるやり取りなんて、俺には恥ずかし過ぎて見ていられない。
「どうしたんだろうね、急に暴れ出すなんて」
「さぁな」
「お前らの所為だよガキンチョ共!」
呑気に笑っている二人を見て、若いっていいなと少しだけ思ったのだった。
「あ、バッファローマンまた怪我してる」
トレーニングでついた小さな傷に気づいたガキンチョが、自分の持っている大きな鞄から救急道具を取り出した。
「こんな小さな傷、ほっときゃそのうち治る」
「はいダメー!知らないの?どんなに小さな傷でもばい菌が入ったら、大変な事になるんだから」
問答無用で傷口に消毒液をかけられ若干染みた事に顔を歪める。それを見たガキンチョがにやりと笑ったので、空いた手で鼻を摘んでやり返してやった。
「おじさんがいじめる!」
「おじさん言うな!」
こうしてガキンチョとふざけていると、じっと視線を感じる。羨ましいなら入ってくればいいのにと思わずにはいられない。
「騒がしいと思ったら来ていたか。クライノート、日本の菓子があるんだが食べてみるか?」
「食べる!」
外に出ていたニンジャが戻ってきて、ガキンチョが走って彼の元へと近寄る。感じていた視線が今度はニンジャへと向いた。
「ほら、夕食が食べられるようほどほどにしておきなさい」
「ありがとうニンジャさん!」
「何で俺は呼び捨てなのに、ニンジャはニンジャさんなんだよ」
「日頃の行い」
「何だとぉ〜?」
ガキンチョに近づきニンジャから貰ったお菓子を横取りする。視線がまた俺に戻ってきた。
「お、こりゃ美味いな!ブロッケン、お前も食ってみろよ」
「!?」
さっきからしつこいくらい視線を向けてきた男に声をかければ、驚いて固まっていた。
「あん?どうしたんだよ」
「い、いや。何でもない…そうだよな、あんまり食べすぎると夕飯食べれなくなるもんな。お前全部食べちまいそうだし、俺も食べて少しは量を減らしてやんねぇと…」
早口でぶつぶつ言いながらこちらへと来て、お菓子に手を伸ばす。
「私が貰ったのに!ちゃんと考えて食べるよ!」
ブロッケンとガキンチョがつばえ始めたのを見てそっと離れる。どうやらブロッケンJr.はこのガキンチョに惚れてるらしい。彼女は彼の幼馴染でここへ食料を持って来てくれた時に、ブロッケンJr.の顔色がいつもより明るくなったのを見てなんとなくそう思った。そしてカマをかけてみれば簡単に引っかかり、好きな事が丸分かりな反応を示した。本人はバレていないと思っているようだが、ここにいる全員が見守るような目を向けている事に気づいていない。
「ばっ…!馬鹿!近いんだってお前は!」
お菓子の取り合いをしていたブロッケンが大きな声を上げた。
「いつもの事なのに?」
(自覚あんのかよ)
ブロッケンの背中に引っ付く少女は呆れたような顔をしていた。
「それでも今のは近すぎる!どうすんだよ!もし口が当たって、キ…キスなんかしたら…子供ができちまうんだぞ!!」
「…っ!?」
驚いて菓子が喉に詰まる所をギリギリで回避した。
(嘘だろ!?どこまで純粋なんだよお前!)
ブロッケンの発言に思わずこちらが恥ずかしくなった。他の三人も口元を覆って顔を逸らし、肩を震わせ笑いを堪えているようだった。
(ガキンチョはどう返すんだ?)
全員の視線が彼女へと向く。背中から降りた彼女は少し考えるとにやりと笑った。
「ブロッケン知らないの?赤ちゃんはね〜」
自信満々な彼女を見て、危ない言葉が出そうになったら止めなければと全員の腰が浮いた。すでにニンジャは半分くらい距離を詰めている。
「コウノトリさんが運んでくるんだよ!」
(お前もなのかよ!!)
浮かした腰をソファーに思いっきり沈め天を仰いだ。彼等の純粋過ぎる発言に、ニンジャは床に手をついて崩れ落ちてるし、アシュラマンはどんな顔していいか困ってるし、ソルジャー隊長は顔を覆って笑っている。
(こりゃ、進展しないわけだ)
もどかしい気持ちを吐き出すようにため息をついた。
「だってちゅーで赤ちゃんできるなら、ママにもした事あるしブロッケンパパにもしたよ。ちっちゃい頃なんて、ジュニアにもしてたでしょ」
「そ、そう言われればそうだな」
(何、納得してんだよ…!)
特大の惚気発言を簡単にスルーして話を進める二人に、がたがたと貧乏揺すりが止まらない。
「でも、コウノトリってどこから赤ちゃん連れてくるんだろうね?」
「んー図鑑とかに書いてるんじゃねぇか?」
「鳥の図鑑、ブロッケンパパの書斎にあったかな」
「探してみようぜ」
そう言って立ち上がった二人に、とうとう我慢の限界がきた。
「〜っ!!お前らそこ座れ!俺が教えてやる!」
「やめろバッファローマン!彼等に口出しはしないと決めたではないか!」
「焦った過ぎて我慢できねぇよ!!」
ニンジャ達が荒ぶる俺を取り押さえるのを、二人はきょとんとした目で見ていた。こんなもどかし過ぎるやり取りなんて、俺には恥ずかし過ぎて見ていられない。
「どうしたんだろうね、急に暴れ出すなんて」
「さぁな」
「お前らの所為だよガキンチョ共!」
呑気に笑っている二人を見て、若いっていいなと少しだけ思ったのだった。
