ワンピで学パロ!

二時限目が終わり、クラスメイト達が次の授業をする中一人弁当をかき込む男子がいた。
「エース君、もうお昼ご飯なの?まだ二限目終わったばっかりなのに」
「んー?おう!」
癖毛とそばかすがチャームポイントの彼は、私がこの学校に入学してから恋心を寄せている相手。二年生になって同じクラスになり歓喜して泣いたのは半年前、日々感謝と喜びを抱きながら過ごしていた。しかし喜びは束の間。彼はどうやら保健室の先生と仲が良いようで、頻繁に保健室へ出入りしているし手作りの弁当をほぼ毎日食べている。大人が子供に手を出すなんてと、もし何かあった時はすぐに通報してやろうと目を光らせている。がエース君はエース君で保健室の先生が好きなのも事実。以前、保健室の先生の事が好きかと聞いた時、迷いなく好きだと答えた事を思い出した。彼を悲しませたくないという気持ちもあり、非常に複雑である。
「そ、そういえば最近教室で食べてるよね。前は保健室で食べてたのに」
「ん!そうなんだよ、最近スモーカー先生が保健室に来るからここで食べる事にしたんだ」
「そうなの?」
あの先生が保健室に何の用事があるのだろうかと首を傾げる。
「なんか保健室の先生といい感じなんだよ」
「えっ!?」
これはもしや三角関係かと、ドラマのような展開に緊張してきた。
「うちの担任の弁当も作ってきてるんだぜ、あの人凄すぎんだろ!」
彼はにこにこと笑っているが、内心どう思っているのだろうか。認めたくないが、彼は保健室の先生の事が好きなのだから。
「い、いいの?エース君…」
「あ?何が?」
「だって…スモーカー先生に取られちゃうんじゃ…」
「ん?そんな事ないぜ、ちゃんとおれのも弁当作ってきてくれてるしな」
「そうじゃなくて!エース君、保健室の先生の事好きなんでしょ!?」
彼は唐揚げを食べようとして大口を開けたまま固まり、少しの間無言の時間が流れた。
「……はっ!?いや、違う違う!なんでそんな事になってんだ!?おれ、そんな事言ったか!?」
「えっ!だって前に好きか聞いた時に…」
「あ!あれか!おれは先生として好きだって意味で、そういう意味で言ったんじゃねぇよ!」
「そ、そうなの?」
「そうだよ!あーびっくりした!」
「ごめん…」
彼は息をつくと、食べようとしていた唐揚げを口の中に入れた。
「誤解が解けたんならいいぜ。まぁ確かに弁当作ってもらってるとか聞いたら、勘違いすんのも当たり前だろうな」
という事はと、私は顔を上げた。
「え…じ、じゃあ今好きな人とか…いたりする?」
「ん?はは!お前、変な事聞くな〜!いないよ、いない!」
「ほんと…?」
「あぁ!おれは今、唐揚げに夢中だ!」
そう言って、持ち上げた唐揚げを口の中に放り込みにっと笑った。
「じ、じゃあ私!明日からエース君のお弁当作ってくる!」
「えっ!?」
「料理が得意って訳じゃないけど…やってみたいの!」
エース君は驚いた顔をしてしばらく固まっていたけど、またにっと笑った。
「なんだかよくわかんねぇけど、おれは構わねぇぜ!いくらでも食えるからな!」
私はほっと息をついて笑い返す。ずっと勘違いしていたけど、やっと私にもチャンスができた。
「私、頑張るから」
「はは!何でそんなにやる気なんだよ。面白いな、お前」
まずは一歩。彼の胃袋を掴む事から始めてみよう。
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