ワンピで学パロ!
私はこの学校の教師。
科目は現代文、担当学年は二年生。
実はある事を隠しながら、この学校へ勤めている。
「〇〇先生〜チャカ先生と付き合ってるって本当ですか?」
「えっ!?」
授業が終わり教材を片付けていると突然生徒達に囲まれ、期待のこもった眼差しで見つめられる。
「一緒に住んでるんだって!ほんと?先生!」
「ええと…」
冷や汗が流れる。これまでずっと秘密にしてきたのになぜバレたのか、もしかして一緒に歩いている所を見られたのかもしれない。そんな事がぐるぐると頭を巡る中、とりあえず発生源を調べようと乾いた口を動かす。
「ち、ちなみに…それはどこから聞いたのかな…?」
「「チャカ先生が自分で言ってた」」
「チャカ先生!」
私は職員室へ戻ると、自分の席で作業をしていた彼を呼んだ。
「ど、どうしたんですか?」
「少し来てください、お話があります」
「は、はい…」
他の先生方が不思議そうな視線を向ける中、二人で職員室を出て人気のない場所へと移動した。
「…どうした、何かあったか?」
「何かあったかじゃないですよ!あれほど私達がお付き合いしている事は秘密にしましょうって言ったのに、なんで生徒達に話しちゃうんですか!」
すると思い当たる節があったのか、彼が頭を抱えた。
「あの子達か…あれほど言うなと言ったのに…」
「それはこっちのセリフです!」
「すまない。つい口が滑って…」
「どうするんですか!今の年頃の子はこういった話が大好きなんですよ?変に揶揄ったりする子が出て、関係のない他の子が傷ついてしまう事もあり得るんですからね!」
「私が浅はかだった…本当にすまない」
本当に反省しているようで、彼は深々と頭を下げた。
「君が言うような事にならないよう、責任を持って私が対処する。もし何かあったらすぐに言ってくれ」
「……わかってくれたならそれでいいです。言ってしまった事は仕方ありませんし…」
「本当にすまない…」
私よりもずっと大きいのに叱られたせいでなんだか小さく見え、少しだけ可哀想な気持ちになる。
「とにかく、これ以上生徒達に喋らないようお願いします」
「気をつける…」
私はしゅんとした彼を見てため息をついた。真面目な彼の事なので、本気で反省しているし気をつけようと努力はしてくれる。だが少し天然なのか、時々ぽろりと内緒事が口から出てしまう。テストの解答だったり、今回のようなプライベートな事まで色々。困った事だが、それのおかげで生徒達からは慕われているので強くも言えない。
「…はぁ、変に揶揄われないといいけど」
彼と別れ、次の教室へと向かう。その途中で女子生徒達がわらわらと私に近寄ってきた。
「先生〜!チャカ先生とはいつから付き合ってたの?」
「どっちから告白したの?」
「チャカ先生のどこが好きなんですか〜?」
「こら!もう授業が始まるんだから教室に戻りなさい!」
「「はーい!」」
彼女達は楽しそうに教室へと入っていった。
「…はぁ、こうなるから黙っておきたかったのに…」
誤魔化すための言い訳を考えておこうと、またため息をついて廊下を歩くのを再開した。
それから毎日、隙あれば女子生徒達が私の元へ来ては詳しく話を聞き出そうとしてくる。
「何度聞きに来ても教えません!」
「え〜!なんでダメなんですか〜?」
「なんでもです!」
「ちぇ!じゃあチャカ先生に聞きに行こ〜!」
「チャカ先生にも言わないようにと伝えています!」
こちらが厳しく叱っても全く動じない生徒達は、戯れ合いながら廊下を駆けていった。
「…あの人、大丈夫かな。余計な事、言ってないといいけど…」
もう何度目かわからないため息をついた。
「チャカ先生〜!チャカ先生〜!」
廊下を歩いていると彼を呼ぶ生徒の声が聞こえた。
「何だ?」
「〇〇先生との話聞かせてくださーい!」
またかと思いながら廊下の曲がり角から覗けば、女子生徒達に囲まれて困っている彼の姿が見えた。
「懲りないなお前達。彼女から話さないでくれときつく言われているんだ」
「そこをなんとか!」
「ん〜どうしてそこまでして聞きたいんだ…」
「これからの参考にしようと思って!」
「それに恋バナって楽しいし!」
「私も彼氏欲しいし!」
「お前達の学習になるなら話しても構わないが…」
(良くない!私は恥ずかしいのに!)
この流れではまたプライベートな事を話してしまいそうだと、ハラハラしながら様子を伺う。
「最初に言っておくが、楽しい事ばかりではない事を知っていて欲しい」
彼が落ち着いた声で話し始め、先程まで騒いでいた生徒達が静かになった。
「もちろん好きな人ができる事はいい事だ。だが相手の好きな人が別の人だった場合、楽しいと思えるか?」
「…思えないです」
「じゃあ仮に両思いだったとしよう。付き合えたはいいが、なんだか性格が合わない。最初は優しかったのに冷たくなったとか、友達ばかり優先している。と…まぁすんなり上手くいく恋人達もいれば、そうじゃない事もある」
「「…」」
「経験談を聞くのはいい事だ。だがいい事ばかり聞きすぎて、夢を見すぎるのは良くない。生憎私達はうまくいっている方だから、お前達に夢を見させてしまうのはどうかと思うんだ」
「……え?結局惚気じゃん!」
「ははは!恋バナというのはそういうものなんだろう?」
「真面目に話してると思ったのに!」
「結局彼女自慢じゃん!」
「はは!彼女じゃないぞ?近々プロポーズしようと思っているから、承諾してくれれば奥さんだ」
「え」
「おっと、しまった…」
彼が慌てて口元を押さえるがもう遅い。それを聞いた生徒達が一斉に歓喜の悲鳴をあげた。
「えーっ!チャカ先生と〇〇先生結婚するの!?」
「プロポーズするんですか!?どこで!どうやって!?」
「指輪ってもう買ったんですか!?」
「待て!待ってくれ!今のは無かった事にしてくれないか」
慌てて鎮めようとするが、興奮してしまった彼女達が大人しくなる事はない。
「…はぁ」
これでまた明日から質問攻めだろうなと、ため息をついて歩き始める。
「あ、〇〇先生」
その声に反応して私を見た彼は、ぴっと姿勢を正した。
「お、お疲れ様です。〇〇先生…」
「チャカ先生、また何を話してしまったんですか?」
するとぎくりと顔を引き攣らせた。
「な、何も…な?お前達」
「「は、はい…」」
彼女達も流石にプロポーズの件は話してはいけないと思ったのだろう、空気を読んで視線をそらした。
「そうですか。とても盛り上がっていましたので、何か楽しい事でも話していたのかと」
「え、えーと…今年の体育祭の話です!今年は借り物競争と障害競走を一緒にしようって話で…ね!チャカ先生!」
「そ、そうだな!今年は教員も参加して、大いに盛り上げようかと!」
「それは面白そうですね。企画担当はボン・クレー先生だった気がしますけど、楽しみにしてます」
にっこりと笑ってその場を後にする。今のやり取りを見て、この件に関しては深く聞いてこない事がわかったので今回は見逃してあげる事にした。背後で安心したように息をつくのが聞こえ、バレていないと思っているんだろうなと少しだけ可笑しかった。
次の日からあれだけスキャンダルの報道者のように張り付いていた生徒達がぴたりといなくなり、代わりに様子を伺うように私達を見守る生徒が増えた。どうやらプロポーズの件で、今は深く刺激してはならないと思ったらしい。
「行動が極端過ぎるのよね」
わかりやすい子供達が可笑しくて小さく笑った。
その後、生徒達によるとんでもないサプライズが計画されている事はなど知る由もなかった。
科目は現代文、担当学年は二年生。
実はある事を隠しながら、この学校へ勤めている。
「〇〇先生〜チャカ先生と付き合ってるって本当ですか?」
「えっ!?」
授業が終わり教材を片付けていると突然生徒達に囲まれ、期待のこもった眼差しで見つめられる。
「一緒に住んでるんだって!ほんと?先生!」
「ええと…」
冷や汗が流れる。これまでずっと秘密にしてきたのになぜバレたのか、もしかして一緒に歩いている所を見られたのかもしれない。そんな事がぐるぐると頭を巡る中、とりあえず発生源を調べようと乾いた口を動かす。
「ち、ちなみに…それはどこから聞いたのかな…?」
「「チャカ先生が自分で言ってた」」
「チャカ先生!」
私は職員室へ戻ると、自分の席で作業をしていた彼を呼んだ。
「ど、どうしたんですか?」
「少し来てください、お話があります」
「は、はい…」
他の先生方が不思議そうな視線を向ける中、二人で職員室を出て人気のない場所へと移動した。
「…どうした、何かあったか?」
「何かあったかじゃないですよ!あれほど私達がお付き合いしている事は秘密にしましょうって言ったのに、なんで生徒達に話しちゃうんですか!」
すると思い当たる節があったのか、彼が頭を抱えた。
「あの子達か…あれほど言うなと言ったのに…」
「それはこっちのセリフです!」
「すまない。つい口が滑って…」
「どうするんですか!今の年頃の子はこういった話が大好きなんですよ?変に揶揄ったりする子が出て、関係のない他の子が傷ついてしまう事もあり得るんですからね!」
「私が浅はかだった…本当にすまない」
本当に反省しているようで、彼は深々と頭を下げた。
「君が言うような事にならないよう、責任を持って私が対処する。もし何かあったらすぐに言ってくれ」
「……わかってくれたならそれでいいです。言ってしまった事は仕方ありませんし…」
「本当にすまない…」
私よりもずっと大きいのに叱られたせいでなんだか小さく見え、少しだけ可哀想な気持ちになる。
「とにかく、これ以上生徒達に喋らないようお願いします」
「気をつける…」
私はしゅんとした彼を見てため息をついた。真面目な彼の事なので、本気で反省しているし気をつけようと努力はしてくれる。だが少し天然なのか、時々ぽろりと内緒事が口から出てしまう。テストの解答だったり、今回のようなプライベートな事まで色々。困った事だが、それのおかげで生徒達からは慕われているので強くも言えない。
「…はぁ、変に揶揄われないといいけど」
彼と別れ、次の教室へと向かう。その途中で女子生徒達がわらわらと私に近寄ってきた。
「先生〜!チャカ先生とはいつから付き合ってたの?」
「どっちから告白したの?」
「チャカ先生のどこが好きなんですか〜?」
「こら!もう授業が始まるんだから教室に戻りなさい!」
「「はーい!」」
彼女達は楽しそうに教室へと入っていった。
「…はぁ、こうなるから黙っておきたかったのに…」
誤魔化すための言い訳を考えておこうと、またため息をついて廊下を歩くのを再開した。
それから毎日、隙あれば女子生徒達が私の元へ来ては詳しく話を聞き出そうとしてくる。
「何度聞きに来ても教えません!」
「え〜!なんでダメなんですか〜?」
「なんでもです!」
「ちぇ!じゃあチャカ先生に聞きに行こ〜!」
「チャカ先生にも言わないようにと伝えています!」
こちらが厳しく叱っても全く動じない生徒達は、戯れ合いながら廊下を駆けていった。
「…あの人、大丈夫かな。余計な事、言ってないといいけど…」
もう何度目かわからないため息をついた。
「チャカ先生〜!チャカ先生〜!」
廊下を歩いていると彼を呼ぶ生徒の声が聞こえた。
「何だ?」
「〇〇先生との話聞かせてくださーい!」
またかと思いながら廊下の曲がり角から覗けば、女子生徒達に囲まれて困っている彼の姿が見えた。
「懲りないなお前達。彼女から話さないでくれときつく言われているんだ」
「そこをなんとか!」
「ん〜どうしてそこまでして聞きたいんだ…」
「これからの参考にしようと思って!」
「それに恋バナって楽しいし!」
「私も彼氏欲しいし!」
「お前達の学習になるなら話しても構わないが…」
(良くない!私は恥ずかしいのに!)
この流れではまたプライベートな事を話してしまいそうだと、ハラハラしながら様子を伺う。
「最初に言っておくが、楽しい事ばかりではない事を知っていて欲しい」
彼が落ち着いた声で話し始め、先程まで騒いでいた生徒達が静かになった。
「もちろん好きな人ができる事はいい事だ。だが相手の好きな人が別の人だった場合、楽しいと思えるか?」
「…思えないです」
「じゃあ仮に両思いだったとしよう。付き合えたはいいが、なんだか性格が合わない。最初は優しかったのに冷たくなったとか、友達ばかり優先している。と…まぁすんなり上手くいく恋人達もいれば、そうじゃない事もある」
「「…」」
「経験談を聞くのはいい事だ。だがいい事ばかり聞きすぎて、夢を見すぎるのは良くない。生憎私達はうまくいっている方だから、お前達に夢を見させてしまうのはどうかと思うんだ」
「……え?結局惚気じゃん!」
「ははは!恋バナというのはそういうものなんだろう?」
「真面目に話してると思ったのに!」
「結局彼女自慢じゃん!」
「はは!彼女じゃないぞ?近々プロポーズしようと思っているから、承諾してくれれば奥さんだ」
「え」
「おっと、しまった…」
彼が慌てて口元を押さえるがもう遅い。それを聞いた生徒達が一斉に歓喜の悲鳴をあげた。
「えーっ!チャカ先生と〇〇先生結婚するの!?」
「プロポーズするんですか!?どこで!どうやって!?」
「指輪ってもう買ったんですか!?」
「待て!待ってくれ!今のは無かった事にしてくれないか」
慌てて鎮めようとするが、興奮してしまった彼女達が大人しくなる事はない。
「…はぁ」
これでまた明日から質問攻めだろうなと、ため息をついて歩き始める。
「あ、〇〇先生」
その声に反応して私を見た彼は、ぴっと姿勢を正した。
「お、お疲れ様です。〇〇先生…」
「チャカ先生、また何を話してしまったんですか?」
するとぎくりと顔を引き攣らせた。
「な、何も…な?お前達」
「「は、はい…」」
彼女達も流石にプロポーズの件は話してはいけないと思ったのだろう、空気を読んで視線をそらした。
「そうですか。とても盛り上がっていましたので、何か楽しい事でも話していたのかと」
「え、えーと…今年の体育祭の話です!今年は借り物競争と障害競走を一緒にしようって話で…ね!チャカ先生!」
「そ、そうだな!今年は教員も参加して、大いに盛り上げようかと!」
「それは面白そうですね。企画担当はボン・クレー先生だった気がしますけど、楽しみにしてます」
にっこりと笑ってその場を後にする。今のやり取りを見て、この件に関しては深く聞いてこない事がわかったので今回は見逃してあげる事にした。背後で安心したように息をつくのが聞こえ、バレていないと思っているんだろうなと少しだけ可笑しかった。
次の日からあれだけスキャンダルの報道者のように張り付いていた生徒達がぴたりといなくなり、代わりに様子を伺うように私達を見守る生徒が増えた。どうやらプロポーズの件で、今は深く刺激してはならないと思ったらしい。
「行動が極端過ぎるのよね」
わかりやすい子供達が可笑しくて小さく笑った。
その後、生徒達によるとんでもないサプライズが計画されている事はなど知る由もなかった。
