メイン番外編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※次ページの前振り的な話。ヒロイン語り。
夏休み期間に入って間もない頃の、ある日の午前中。
文次郎、留三郎と一緒に鍛錬場に向かっていた私は、その時、とても後悔していた。
「…そういえば、皆、休みの間ご飯どうするの?」
うわしまった言うんじゃなかった、と。
学園は夏休み期間で生徒が居ないため、食堂のおばちゃんはご実家に帰っていらっしゃるし、どうするつもりなのだろうかとふと思って。
そう口にしてしまった、次の瞬間、前を歩いていた文次郎と留三郎に、よくぞ訊いてくれたと言わんばかりに同時に振り返られ。
気が付いたら、顔の前で手を合わせる二人に頭を下げられていた。
「頼む、夏休みの間だけ俺たちの飯を作ってくれ!」
つまり、私の方からその話題を切り出すのを待っていたらしい。
普段は喧嘩してるくせに、何でこういう時だけ、息ピッタリなんだか。
「…私も訊いちゃった後で何なんだけど、それ、去年も聞いた気がするんだよなあ。」
「まあ、俺らが作るよりはいくらかマシだからな。」
「それも去年と同じ台詞なんだけど?わざとなの?死ぬの??」
二丁苦無を構えて見せる私に、「すみません冗談ですいつも美味しいですハイ」と二人はその場に即座に土下座した。
……で、結局私は、実は去年の二の舞である"夏休み期間限定食事担当"を任される事になったわけなのであった。
去年も、学園に自主トレで残っている間だけでいいから料理を作ってほしい、とお願いされて、意外と重労働なその役に辟易していたのに。
でも私も確かに、特に文次郎や小平太辺りに作らせたら地獄を見るのは必定だということはこの六年間で嫌と言うほど分かっているわけで。
ましてや、おばちゃんの代理として学園に来ることがある料理研究家の黒古毛般蔵先生に、虫などを使ったゲテモノ……ごほん。味わい深い忍者食を、作っていただくというわけにもいかず。
因みに聞けば、最初はそれで凌ごうとしたけれども、やっぱ毎日三食それは無理だという結論に至り、私の言質を待っていた、ということらしい。
更に因みに男六人の中で唯一作れる側にいる仙蔵は、人件費として破格の費用を請求するため最初から選択肢に入れなかったそうだ。…つーか、作れるんだったらお前は自分で食卓の世話しろよ、仙蔵。
しかしながら私自身も一応は、最低限作れるという自負があるし、必死の形相で頼まれてしまったら断るという選択肢など、最早あろうはずもなく。
とりあえず後払いでも食費はきちんと六人全員から徴収することにして、私は午後から食材の調達に出かけないといけなかった。
自分の分は一応作るつもりでいたので、学園の菜園で育てている野菜を使わせてもらえるよう事前に許可を取っていたけど、流石にそれで全てが賄える訳ではないので、増えた人数分も含めて、町の方で買い足すことにしていた。
そして、"その日"も、買い出しに出かけようとしていたのだけれど。
まさかそれがストレスとの戦いの時間になろうとは、思ってもいなかった。
夏休み期間に入って間もない頃の、ある日の午前中。
文次郎、留三郎と一緒に鍛錬場に向かっていた私は、その時、とても後悔していた。
「…そういえば、皆、休みの間ご飯どうするの?」
うわしまった言うんじゃなかった、と。
学園は夏休み期間で生徒が居ないため、食堂のおばちゃんはご実家に帰っていらっしゃるし、どうするつもりなのだろうかとふと思って。
そう口にしてしまった、次の瞬間、前を歩いていた文次郎と留三郎に、よくぞ訊いてくれたと言わんばかりに同時に振り返られ。
気が付いたら、顔の前で手を合わせる二人に頭を下げられていた。
「頼む、夏休みの間だけ俺たちの飯を作ってくれ!」
つまり、私の方からその話題を切り出すのを待っていたらしい。
普段は喧嘩してるくせに、何でこういう時だけ、息ピッタリなんだか。
「…私も訊いちゃった後で何なんだけど、それ、去年も聞いた気がするんだよなあ。」
「まあ、俺らが作るよりはいくらかマシだからな。」
「それも去年と同じ台詞なんだけど?わざとなの?死ぬの??」
二丁苦無を構えて見せる私に、「すみません冗談ですいつも美味しいですハイ」と二人はその場に即座に土下座した。
……で、結局私は、実は去年の二の舞である"夏休み期間限定食事担当"を任される事になったわけなのであった。
去年も、学園に自主トレで残っている間だけでいいから料理を作ってほしい、とお願いされて、意外と重労働なその役に辟易していたのに。
でも私も確かに、特に文次郎や小平太辺りに作らせたら地獄を見るのは必定だということはこの六年間で嫌と言うほど分かっているわけで。
ましてや、おばちゃんの代理として学園に来ることがある料理研究家の黒古毛般蔵先生に、虫などを使ったゲテモノ……ごほん。味わい深い忍者食を、作っていただくというわけにもいかず。
因みに聞けば、最初はそれで凌ごうとしたけれども、やっぱ毎日三食それは無理だという結論に至り、私の言質を待っていた、ということらしい。
更に因みに男六人の中で唯一作れる側にいる仙蔵は、人件費として破格の費用を請求するため最初から選択肢に入れなかったそうだ。…つーか、作れるんだったらお前は自分で食卓の世話しろよ、仙蔵。
しかしながら私自身も一応は、最低限作れるという自負があるし、必死の形相で頼まれてしまったら断るという選択肢など、最早あろうはずもなく。
とりあえず後払いでも食費はきちんと六人全員から徴収することにして、私は午後から食材の調達に出かけないといけなかった。
自分の分は一応作るつもりでいたので、学園の菜園で育てている野菜を使わせてもらえるよう事前に許可を取っていたけど、流石にそれで全てが賄える訳ではないので、増えた人数分も含めて、町の方で買い足すことにしていた。
そして、"その日"も、買い出しに出かけようとしていたのだけれど。
まさかそれがストレスとの戦いの時間になろうとは、思ってもいなかった。