メイン番外編〜シリーズ・茶屋〜
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ナイショばなし ーお昼ちょっと前ー
お団子ブース担当のしんべヱは、一息つく傍ら、お茶ブース担当の乱太郎に話しかけていた。
「ねぇ乱太郎。上町先輩に双子の妹さんがいたなんて、びっくりだよねえ。」
「んーでもさ、本当にそうなのかなあ。」
「先輩方も、実は上町先輩ご本人なんじゃないか、って噂してるみたいだぞ。」
「あれ、きり丸?外にお弁当売りに行ってたんじゃないの?」
「俺を誰だと思ってるんだ、天下の天才アルバイターきりちゃんだぞ。秒で売り切ってやったぜ!」
「すごぉい、さっすがきり丸ぅ!」
「流石、…とそれはまあ置いといて。きりちゃん、先輩方が噂してたって、本当?」
「ああ。さっき帰ってきた時にたまたま、久々知先輩と竹谷先輩がひそひそ話していらっしゃるのが聞こえて。」
「うーん。先輩方がそう言うくらいだから、やっぱり…」
「な。ご本人なのか、確かめたい気持ちにもなるよな。」
「でも…」
「どしたの、しんべヱ?」
「もしそうだとしても僕、上町先輩の秘密を暴くようなことしたくない。」
「何だよ、前に先輩の声聞こうって言い出したことあったくせに。」
「あの時はそうだったんだけど!…でも、あんな優しい先輩を困らせたり、悲しませたりしたくないんだもん。きっと深い事情があるんだと思う!」
「事情って、どんな?」
「えーとえーと…ご、ご病気のご家族のため、に……う〜ん頭クラクラする……」
「ありゃ、珍しくしっかりしたこと言うから熱が…。」
「つーかそもそも、上町先輩が骨折した代わりに来られたって説明されてたけどな。」
「そうだね。…でもさ、確かにしんべヱの言う通りかも。私も、余計なことしてあの人や、上町先輩がお困りになるのは良くないと思う。」
「まあな。そもそも俺たち、先輩達の手伝いで来てる訳だし。」
「うぅーん、きり丸は…お手伝いのアルバイト代の方が、だいじ……」
「うわ言でもそこだけハッキリしてるんだね、しんべヱ…。」
「そーさ!俺にとって何よりも重要なのは稼ぎ、そしてゼニ!よぉーしジャンジャン働くぞお!」
「あはは…きりちゃんてばもう…」
談笑する三人のもとへ、立花仙蔵がやって来て声をかけた。
「お前たち。休憩するのはいいが、もうすぐ客足が増えてくる時間帯だ。そろそろ持ち場に戻れ。」
「あっ、立花先輩。すみません…」
「ハイッ、今すぐ戻ります、立花先輩っ!」
「し、しんべヱ何で急に復活した…?!」
三人それぞれ、バタバタと担当ブースに戻っていったのを見送りながら、仙蔵はフッと小さい笑みをこぼした。
「……本当に、良い子たちだよね。」
仙蔵と同じく、彼らの会話を密かに聞いていた伊作も側に立って、同じように優しい笑みを浮かべていた。
そうだな、と返してから仙蔵は、ふと真面目な顔になり、
「今、そちらにいるのだろう?後輩たちの反応はどうだ?」
と耳打ちで伊作に訊く。
「久々知と竹谷は、やっぱりまだ怪しんでるみたい。でも誰も、特に接触は無いよ。…多分、長次がいるからだと思う。」
「そのつもりがない本人には気の毒だが、実際、居るだけでプレッシャーを与えるからな。ならば、そこまで問題は無いか。」
「うん。それにしても、ひまりも大変だよね…学園長先生のご命令とは言え、僕らと同じように参加しなきゃいけなくなって。」
「まあ、我々もできる限りフォローするつもりではいるからな。何とかなるだろう。」
「そうだね。僕らも、頑張らなきゃ。」
「…お前も、フォローするどころか不運に巻き込んだりするんじゃないぞ?」
「もう、気を付けるってば…。」
「それと、ーーーーーーー見惚れて、火傷しないようにな。」
「みとれ……っ?!!ちょ、仙蔵っ…!!」
やっぱりさっきの、見てたのか…!と、考えていることがバレバレの伊作の顔が赤く染まる。それを余裕の笑みで見届けてから仙蔵は、お団子ブースに戻っていった。
お団子ブース担当のしんべヱは、一息つく傍ら、お茶ブース担当の乱太郎に話しかけていた。
「ねぇ乱太郎。上町先輩に双子の妹さんがいたなんて、びっくりだよねえ。」
「んーでもさ、本当にそうなのかなあ。」
「先輩方も、実は上町先輩ご本人なんじゃないか、って噂してるみたいだぞ。」
「あれ、きり丸?外にお弁当売りに行ってたんじゃないの?」
「俺を誰だと思ってるんだ、天下の天才アルバイターきりちゃんだぞ。秒で売り切ってやったぜ!」
「すごぉい、さっすがきり丸ぅ!」
「流石、…とそれはまあ置いといて。きりちゃん、先輩方が噂してたって、本当?」
「ああ。さっき帰ってきた時にたまたま、久々知先輩と竹谷先輩がひそひそ話していらっしゃるのが聞こえて。」
「うーん。先輩方がそう言うくらいだから、やっぱり…」
「な。ご本人なのか、確かめたい気持ちにもなるよな。」
「でも…」
「どしたの、しんべヱ?」
「もしそうだとしても僕、上町先輩の秘密を暴くようなことしたくない。」
「何だよ、前に先輩の声聞こうって言い出したことあったくせに。」
「あの時はそうだったんだけど!…でも、あんな優しい先輩を困らせたり、悲しませたりしたくないんだもん。きっと深い事情があるんだと思う!」
「事情って、どんな?」
「えーとえーと…ご、ご病気のご家族のため、に……う〜ん頭クラクラする……」
「ありゃ、珍しくしっかりしたこと言うから熱が…。」
「つーかそもそも、上町先輩が骨折した代わりに来られたって説明されてたけどな。」
「そうだね。…でもさ、確かにしんべヱの言う通りかも。私も、余計なことしてあの人や、上町先輩がお困りになるのは良くないと思う。」
「まあな。そもそも俺たち、先輩達の手伝いで来てる訳だし。」
「うぅーん、きり丸は…お手伝いのアルバイト代の方が、だいじ……」
「うわ言でもそこだけハッキリしてるんだね、しんべヱ…。」
「そーさ!俺にとって何よりも重要なのは稼ぎ、そしてゼニ!よぉーしジャンジャン働くぞお!」
「あはは…きりちゃんてばもう…」
談笑する三人のもとへ、立花仙蔵がやって来て声をかけた。
「お前たち。休憩するのはいいが、もうすぐ客足が増えてくる時間帯だ。そろそろ持ち場に戻れ。」
「あっ、立花先輩。すみません…」
「ハイッ、今すぐ戻ります、立花先輩っ!」
「し、しんべヱ何で急に復活した…?!」
三人それぞれ、バタバタと担当ブースに戻っていったのを見送りながら、仙蔵はフッと小さい笑みをこぼした。
「……本当に、良い子たちだよね。」
仙蔵と同じく、彼らの会話を密かに聞いていた伊作も側に立って、同じように優しい笑みを浮かべていた。
そうだな、と返してから仙蔵は、ふと真面目な顔になり、
「今、そちらにいるのだろう?後輩たちの反応はどうだ?」
と耳打ちで伊作に訊く。
「久々知と竹谷は、やっぱりまだ怪しんでるみたい。でも誰も、特に接触は無いよ。…多分、長次がいるからだと思う。」
「そのつもりがない本人には気の毒だが、実際、居るだけでプレッシャーを与えるからな。ならば、そこまで問題は無いか。」
「うん。それにしても、ひまりも大変だよね…学園長先生のご命令とは言え、僕らと同じように参加しなきゃいけなくなって。」
「まあ、我々もできる限りフォローするつもりではいるからな。何とかなるだろう。」
「そうだね。僕らも、頑張らなきゃ。」
「…お前も、フォローするどころか不運に巻き込んだりするんじゃないぞ?」
「もう、気を付けるってば…。」
「それと、ーーーーーーー見惚れて、火傷しないようにな。」
「みとれ……っ?!!ちょ、仙蔵っ…!!」
やっぱりさっきの、見てたのか…!と、考えていることがバレバレの伊作の顔が赤く染まる。それを余裕の笑みで見届けてから仙蔵は、お団子ブースに戻っていった。