そのうすべに色を隠して。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
二十七頁 閑話 あの子の秘密を守れ!
※六年生ズととっても打ち解けている錫高野与四郎が存在する世界線はこちらです。
※与四郎がかわいそう
※夢要素ほぼなし
※ほぼギャグ
※キャラ崩壊気味
忍術学園の校庭では、六年生&錫高野与四郎が楽しそうにバレーに勤しんでいる。
「与四郎ーっ、ボールそっち行ったぞ!」
「おーよ任せろ小平太、そぉれ!あーしまった、強く上げちまっただぁよ。」
「問題ない…もそもそスパイク。」
「何くそ、ギンギンレシーブぅ!」
「だーっ、アホ文次てめえフォロー下手くそか!ケマトメトースッ!」
「よぉし任せて……ってうわああ!」
「伊作大丈夫か?!何でこんなとこに穴…?」
最近ではすっかり見慣れた風景となったその様子を遠目に見守りながら、忍術学園の教師、山田伝蔵と与四郎が通う風魔流忍術学校の教師、山野金太が和やかに話をしていた。
「うちの錫高野がいつもこちらにお邪魔して、すみません。」
「いやいやなんの、むしろ与四郎君のような優秀な子が来てくれて、うちの六年の生徒たちも大いに刺激を受けているようでして。」
「いやあそれはこちらこそ、うちの学校は六年生が一人しかおりませんので、ありがたいことです。歳の近い、忍になるという同じ志を持った者同士が切磋琢磨することで得られるものは計り知れませんからなあ。」
「いやはや全く。はっはっは…」
…なんて二人の教師の他愛もない会話を聞きつけたのが忍術学園の誇る思いつき老人、大川平次渦正学園長であったことから突如として忍術学園の六年生に錫高野与四郎を加えた八名で、二人一組ペアを作りチーム対抗戦形式の合同実習が行われることになった。
いや、本当に急だな。
陽太(ひまり)と組みたがる与四郎を抑え、平等に(?)、くじ引きでチーム分けが行われたという。
因みにチーム分けは以下の通り。
①仙蔵&与四郎
②文次郎&陽太
③留三郎&小平太
④長次&伊作
「文次郎とペアなんて勝てる気全然しないし…」「はあ?そりゃこっちの台詞だ!」と、陽太と文次郎が喧嘩腰で言い合うのを遠目に見ながら、与四郎はため息をついていた。
「あーあ、ペア組むのがひまりじゃねーなんてよー…」
「何だ、私とペアでは不満か?」
すました顔で横から仙蔵がそうつっこむので、与四郎はそちらを振り返る。
「そーじゃねぇだよ、ひまりと、組みたかったってことだべ。」
「平等にくじで決めたからな、そういつまでもぼやくな。」
「はあ…やる気出ねーべなぁ。」
「全く。…そうだ与四郎、お前のやる気を出させるために私から一つ提案があるのだが。」
「何だべ?」
「私と組んで、他のチームに勝てたらお前にとても有益な情報を教えてやる。」
「有益な情報?何だべ、それ。」
「ひまりの3サイズ、」
「っごほッッ?!」
思わず咽せた与四郎だが、顔が赤いのは決してそのせいだけではないだろう。周りに聞かれないよう声を落としつつ、仙蔵に詰め寄る。
「な、なな何つーこと言い出すんだおめー!」
「…の内一つについての情報だ。」
「ひ…一つだろーが二つだろーが、ひまりの許可なくそんなこと聞く訳にはいかねーべよ!」
「そうか、それは残念。……ところでその手に握っている紙と筆は何だ?」
「え?…わーー!!?」
断固たる意志で突っぱねたつもりが仙蔵に無意識の行動を指摘され、即刻、それらを持っていた火種で燃やす与四郎。お年頃だからね、しょうがないね。
そして「この手がいけない、この手がッ!!」と自分の手をバシバシ叩く彼を、仙蔵はさも、
こいつ結構面白いな…
と言わんばかりの表情で観察していた。
「…さっきから何やってんの?」
「わあああひまりっっ!?な、何でもねーだよ!」
「はあ…?ん、与四郎なんか顔赤くない?体調悪いの?」
「そ、そんなことねーですだっ…」
「そんな口調だったっけ……ホントに大丈夫?無理したら駄目だよ?」
「大丈夫だ、ありがとな…」
心配そうにしつつも立ち去っていく陽太を見送ってから、安堵の息をついた。
「因みにもう一つ提案があってな。」
「まだ何かあんのか…」
「逆に他のチームに負けたら、私がお前に教えようと思っていたその情報を他の奴ら全員にバラす、というものだ。」
「はあ?!鬼かおめーは!!?つーか大体、何でそんな事知ってんだべ?!……は!まさか、ひまりの好きな相手って……?!」
意味深にフッと笑うだけで仙蔵は何も答えず、先に歩いて行ってしまった。後に残された与四郎は頭を抱える。
「ほ、ほんとに仙蔵がそうなのか…?!そんな、3サイズを把握するほどの仲……いやいや!今はそれどころじゃねーべ!俺が勝たねーとひまりが…!ひまりの貞操が…!!」
いや、貞操は守られるだろ。
ともあれ結局、最終的には仙蔵に従わざるをえなくなってしまう与四郎であった。
仙蔵、お前が真の悪の権化だ。
そしてその結果。
「ひまり(の3サイズ情報)は、俺が守る!!」
「……俺らが対戦相手なのに何言ってるんだあいつ?」
「さあ…?」
一人気合いを入れて雄叫びを上げる与四郎に、初戦の相手である文次郎と陽太は顔を見合わせた。
勝負の模様は割愛するが、とにかく与四郎は涙を呑んで陽太(と文次郎)を負かすのを皮切りに、死に物狂いで全チームとの勝負に勝ち抜いてひまり情報流出を防いだのであった。
「よくやったな与四郎。それでは約束通りお前にだけ教えてやろう…よく聞けよ?」
「わー!!だからそんなこと聞いたら俺ひまりに嫌われちまう…!」
「ウエストなんだが、最近始めた『だいえっと』なるものが功を奏したのか0.2cm減ったようだぞ。…何だ、サイズそのものを教えるとでも思ったのか?」
「……….」
めでたく勝負に勝ったというのに、与四郎が真っ赤な顔で仙蔵を追いかけるという光景に周囲は首を傾げるばかりであったという。
後書き。
本編なのにこんなノリですみません。
同い年の六年生たちとの絡みが見たすぎてつい書いてしまいました。…と言いつつ殆ど仙蔵としか絡んでないぞこれ。
仙蔵にいいように振り回される与四郎かわいそう可愛い。
※六年生ズととっても打ち解けている錫高野与四郎が存在する世界線はこちらです。
※与四郎がかわいそう
※夢要素ほぼなし
※ほぼギャグ
※キャラ崩壊気味
忍術学園の校庭では、六年生&錫高野与四郎が楽しそうにバレーに勤しんでいる。
「与四郎ーっ、ボールそっち行ったぞ!」
「おーよ任せろ小平太、そぉれ!あーしまった、強く上げちまっただぁよ。」
「問題ない…もそもそスパイク。」
「何くそ、ギンギンレシーブぅ!」
「だーっ、アホ文次てめえフォロー下手くそか!ケマトメトースッ!」
「よぉし任せて……ってうわああ!」
「伊作大丈夫か?!何でこんなとこに穴…?」
最近ではすっかり見慣れた風景となったその様子を遠目に見守りながら、忍術学園の教師、山田伝蔵と与四郎が通う風魔流忍術学校の教師、山野金太が和やかに話をしていた。
「うちの錫高野がいつもこちらにお邪魔して、すみません。」
「いやいやなんの、むしろ与四郎君のような優秀な子が来てくれて、うちの六年の生徒たちも大いに刺激を受けているようでして。」
「いやあそれはこちらこそ、うちの学校は六年生が一人しかおりませんので、ありがたいことです。歳の近い、忍になるという同じ志を持った者同士が切磋琢磨することで得られるものは計り知れませんからなあ。」
「いやはや全く。はっはっは…」
…なんて二人の教師の他愛もない会話を聞きつけたのが忍術学園の誇る思いつき老人、大川平次渦正学園長であったことから突如として忍術学園の六年生に錫高野与四郎を加えた八名で、二人一組ペアを作りチーム対抗戦形式の合同実習が行われることになった。
いや、本当に急だな。
陽太(ひまり)と組みたがる与四郎を抑え、平等に(?)、くじ引きでチーム分けが行われたという。
因みにチーム分けは以下の通り。
①仙蔵&与四郎
②文次郎&陽太
③留三郎&小平太
④長次&伊作
「文次郎とペアなんて勝てる気全然しないし…」「はあ?そりゃこっちの台詞だ!」と、陽太と文次郎が喧嘩腰で言い合うのを遠目に見ながら、与四郎はため息をついていた。
「あーあ、ペア組むのがひまりじゃねーなんてよー…」
「何だ、私とペアでは不満か?」
すました顔で横から仙蔵がそうつっこむので、与四郎はそちらを振り返る。
「そーじゃねぇだよ、ひまりと、組みたかったってことだべ。」
「平等にくじで決めたからな、そういつまでもぼやくな。」
「はあ…やる気出ねーべなぁ。」
「全く。…そうだ与四郎、お前のやる気を出させるために私から一つ提案があるのだが。」
「何だべ?」
「私と組んで、他のチームに勝てたらお前にとても有益な情報を教えてやる。」
「有益な情報?何だべ、それ。」
「ひまりの3サイズ、」
「っごほッッ?!」
思わず咽せた与四郎だが、顔が赤いのは決してそのせいだけではないだろう。周りに聞かれないよう声を落としつつ、仙蔵に詰め寄る。
「な、なな何つーこと言い出すんだおめー!」
「…の内一つについての情報だ。」
「ひ…一つだろーが二つだろーが、ひまりの許可なくそんなこと聞く訳にはいかねーべよ!」
「そうか、それは残念。……ところでその手に握っている紙と筆は何だ?」
「え?…わーー!!?」
断固たる意志で突っぱねたつもりが仙蔵に無意識の行動を指摘され、即刻、それらを持っていた火種で燃やす与四郎。お年頃だからね、しょうがないね。
そして「この手がいけない、この手がッ!!」と自分の手をバシバシ叩く彼を、仙蔵はさも、
こいつ結構面白いな…
と言わんばかりの表情で観察していた。
「…さっきから何やってんの?」
「わあああひまりっっ!?な、何でもねーだよ!」
「はあ…?ん、与四郎なんか顔赤くない?体調悪いの?」
「そ、そんなことねーですだっ…」
「そんな口調だったっけ……ホントに大丈夫?無理したら駄目だよ?」
「大丈夫だ、ありがとな…」
心配そうにしつつも立ち去っていく陽太を見送ってから、安堵の息をついた。
「因みにもう一つ提案があってな。」
「まだ何かあんのか…」
「逆に他のチームに負けたら、私がお前に教えようと思っていたその情報を他の奴ら全員にバラす、というものだ。」
「はあ?!鬼かおめーは!!?つーか大体、何でそんな事知ってんだべ?!……は!まさか、ひまりの好きな相手って……?!」
意味深にフッと笑うだけで仙蔵は何も答えず、先に歩いて行ってしまった。後に残された与四郎は頭を抱える。
「ほ、ほんとに仙蔵がそうなのか…?!そんな、3サイズを把握するほどの仲……いやいや!今はそれどころじゃねーべ!俺が勝たねーとひまりが…!ひまりの貞操が…!!」
いや、貞操は守られるだろ。
ともあれ結局、最終的には仙蔵に従わざるをえなくなってしまう与四郎であった。
仙蔵、お前が真の悪の権化だ。
そしてその結果。
「ひまり(の3サイズ情報)は、俺が守る!!」
「……俺らが対戦相手なのに何言ってるんだあいつ?」
「さあ…?」
一人気合いを入れて雄叫びを上げる与四郎に、初戦の相手である文次郎と陽太は顔を見合わせた。
勝負の模様は割愛するが、とにかく与四郎は涙を呑んで陽太(と文次郎)を負かすのを皮切りに、死に物狂いで全チームとの勝負に勝ち抜いてひまり情報流出を防いだのであった。
「よくやったな与四郎。それでは約束通りお前にだけ教えてやろう…よく聞けよ?」
「わー!!だからそんなこと聞いたら俺ひまりに嫌われちまう…!」
「ウエストなんだが、最近始めた『だいえっと』なるものが功を奏したのか0.2cm減ったようだぞ。…何だ、サイズそのものを教えるとでも思ったのか?」
「……….」
めでたく勝負に勝ったというのに、与四郎が真っ赤な顔で仙蔵を追いかけるという光景に周囲は首を傾げるばかりであったという。
後書き。
本編なのにこんなノリですみません。
同い年の六年生たちとの絡みが見たすぎてつい書いてしまいました。…と言いつつ殆ど仙蔵としか絡んでないぞこれ。
仙蔵にいいように振り回される与四郎かわいそう可愛い。