このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

短編集


——koshi 厳禁!前半










「っ、はぁ……っ!!」

「ぁ……ァァアッ、んぅっ!!

ごめんなさいっ、めめっ、お願い!もう許してぇ!!」

めめから絶え間なく与えられる、体の芯まで貫くような強烈な刺激に俺は酔いしれるどころか、苦しさを感じてまうほどめめは何度絶頂を迎えても飽きることなく俺を抱き、この身が誰のものであるかを教え込んでいく。

俺の頬に滴り落ちるめめの汗、
俺の瞳に映るめめの快感に歪む顔。

でも、俺を捕らえて離さない黒い瞳の奥にあるのは深く体を交える愉悦ではなく、静かな苛立ち。

「絶対許さない。

姫はじめどころか三が日は俺とずっとベッドの上で過ごしてもらうから。覚悟して」

「嘘……」

……いやいや、姫はじめがこんなに激しかったら、あと残りの二日間で俺は一体どうなってまうん!?

遠くで聞こえる除夜の鐘。
梵鐘を鳴らす橦木よりもはるかに早く、俺のナカで不規則なリズムを刻む肉棒に貫かれる俺は高い声を上げ続けることしか出来ず、色欲に塗れた目の前の男には煩悩を打ち消す効果はゼロ、やんなと、頭のどこか片隅で突っ込みを入れた。

めめのイキり勃った杭に間違いなく108回以上は突かれている年越しライブ終わりの俺の腰は新年早々に根を上げ、去年の末になぜめめとの約束を忘れてしまったのか”悔い”が残る。

「元旦にしたことは一年中ヤるんだっけ?

じゃあ、今年は康二と深く愛しあえる年になるね」

「はっ、ンンンンッ———!!

めめぇっ、ァんっ!!気持ちええっ……!!」

『ほらよく言うやん?一年の計は元旦にありってな。元旦にしたことがその一年を左右するかもしれないんやで』

なにが理由で去年の元旦にそんなことを言ったのか記憶にはないが、都合よく意味を履き違えてるめめに悍ましいほどの狂気を感じ、恐らくめめに覚えたばかりの知識をビデオ通話でドヤ顔で披露したであろう去年の自分を俺は責めた。

「今年はエッチのテクを磨いて去年以上に康二を気持ちよくさせるって決めたから、ねっ……」

「アッ、んんっ……!!
そないに奥までイれたら、またイってまう……!!!!」

そう思ったところで去年に戻れるわけはないんやけど。

俺の一番イイところにピッタリとはまっためめの大きな鬼頭に俺の頭の中は真っ白になり

「康二は俺とするキスとエッチが大好きだもんね」

「(……毎日こないなsexをされたら俺は間違いなく昇天してまうがな)」

片方の口角を上げ、不適に微笑む恋人を最後に俺の意識は朦朧とする。






——koshi 厳禁!


「めめは昨日の疲れはちゃんと取れたん?」

「うん。康二がくれた入浴剤使ったら、ぐっすり寝れたよ」

電話越しに聞こえるのんびりとした声に穏やかな気持ちになり、俺の頬は自然と緩む。

なにかと慌ただしい年の瀬。

今年はSnow Man全員が個人の仕事が増え、さらに昨日までドームツアーを行っていたため、めめとグループで会う機会があったとしても二人きりで過ごす時間は中々取れずにいた。

せやから顔を合わせられない日はどんなに忙しくても必ず電話をし、その日のことを共有し合うのが俺たちカップルの日課やった。

「じゃあ、そろそろ撮影の時間だから。

また明後日康二に会えるの楽しみにしてるね」

そうして、仕事の時間が近付いてきた恋人が名残惜しそうな声で通話を切ろうとしたところで、

「え?俺、先輩に飲みに誘われて予定入れてもうたんやけど……」

戸惑いがちに呟いた言葉に、俺の耳によく馴染んだ落ち着いた声が電話越しで一気に不機嫌なものへと変わる。

「ねぇ、三十日は年内最後に二人きりで過ごそうって前に約束したよね?」

「で、でも、めめやって予定入ってるって言うてなかった?」

ドームツアーに撮影に多密スケジュールだったため、いつの間にか俺の脳内からめめとの約束がすっぽり抜けてしまったのか……

いや、でもめめと過ごす時間や会話を大切にしている俺がめめと話したことを忘れてまうなんてありえない。

俺は滅多に怒らないめめが深いため息をついたことに焦り、ここ最近のめめとの会話を必死で呼び覚ますが、駄目や。デートの約束をした記憶がどこにもあらへん。

「言ってないよ。先月に二人の予定を確認して三十日は久々にデートが出来るねって話したの覚えてないんだ?……俺、康二と出掛けるのすごく楽しみにしてたのにショックだよ」

「ご、ごめんなめめ!先輩には今すぐ断りの連絡入れるから! 」

落胆してどんどん声が小さくなっていくめめに俺は申し訳なくなり、そんな大事な約束をなぜ忘れてしまっていたのかと心の中で自分を叱咤する。

「いいよ、せっかくの先輩の誘いを断るなんて失礼だし、大晦日から三が日にかけては一緒に過ごせるんでしょ?」

「うん……年始はめめと一緒に過ごすために大阪公演は実家に帰ったから」

年始は決まって関西に帰り、おかんやおとん達と過ごすんやけど、国内のみならず海外での仕事も増えた俺らは年々多忙を極め、出会った頃から想いを寄せていためめと例え恋人同士になれても二人で愛し合う時間が思うように取れず、お互いそれにジレンマを抱えていた。

そして、デビューから五周年を迎える来年はさらに忙しくなるやろから、おかんから正月は家に帰って来て欲しいと懇願されてたけど、休みが確実となった年明けくらいはめめと二人きりになりたかった。

「大晦日のライブが終わったら、俺の家に二人で帰る。 メンバーに誘われても絶対に断ってね?約束だよ」

「はい!わかりました!ほな、また大晦日にな」

めめに念を押され、俺は電話にも関わらず気合いを込めてラジャーのポーズをして声を張り上げ、めめの小さな笑い声を聞いた後に通話を終了する。

グループの中ではめめはあまり我儘を言ったり、自分の意思を言うタイプではないんやけど俺の前では怒ったり、子どものように不貞腐れたり、甘えたりしてくれる。

俺に全てを委ねてくれるめめがほんまに大好きで、こんなめめを知っているのはこの世で俺だけやっていう事実がめっちゃくちゃ嬉しい。

昨日もドームツアーで一緒やったけど、曲の振り付けでメンバーやファンの前で手を握り合うだけじゃ、大好きだよって台詞だけじゃ、肩を組まれるだけじゃ、たった数秒見つめ合うだけじゃ、俺はまだまだめめが物足りひんのよ。

「めめ……」

俺の手元にあるスマホの画面に表示された着信の履歴を見ればほとんどがめめで埋め尽くされ、さらにアルバムのピープルでめめをタップすれば出てくるのは何百枚もの俺とめめの親密なツーショット。

下にスクロールしながらめめとのこの一年の思い出を振り返る。

今年は色々なことがあった。
めめと二人でレギュラーをしていた番組が終了した後、めめと俺は立て続けにドラマに出演し、そこからはお互い多忙を極めていき、会える時間はどんどん減っていった。

さらに極め付けは俺にBL映画のオファーがきたことや。

恋人であるめめに真っ先にそれを伝えた時、嫉妬に狂っためめは大きく体調を崩し芸能活動が出来なくなるほど病んでしまい、俺もそんなめめに最初は断るべきかどうかかなり悩んだんやけど、めめに

『俺がこの世で一番に愛してるのはめめやから。

相手の俳優さんをめめやと思って演じるわ。
俺はな、めめ。
初めての主演がこのジャンルなのにもきっと意味があると思うとる。

俺が普段どんな風にめめを見て、めめを想ってるか、めめにも客観的に見て実感して欲しいんよ。
そしたらな、それが世の中に映像として残った時、俺のめめへの愛は計り知れないほど大きなもんなんやってめめも安心出来ると思うで。

俺もめめが女優さんとラブシーンを演じるってなった時は毎回やきもきするんやけど、視聴者のめめはこんな風に優しく女性を扱うんだ、めめのパートナーになれる人が羨ましいって声を聞いた時、俺は誇らしげな気持ちになんねん。

みんなが羨む目黒蓮に俺は世界でただ一人だけこんな風に抱かれて愛されてるんやでって、心の中でいつもほくそ笑んでる。

でもいつかは俺もめめと付き合うてるのは俺、目黒蓮は向井康二だけの男やって声を大にして言いたい。
俺やって他の芸能人の熱愛報道や結婚報告がめっちゃ羨ましいんよ。

せやから、誰が誰と付き合っても偏見のない世の中に俺がしてきたい。今回のオファーはそういう世界を変える俺らのチャンスやないの?』

この時、精神的に参ってしまった恋人をどう支えるか俺も深く悩んでしまったが、俺の心の内にあるものを正直に伝えた。

『……康二っ』

悲痛な顔でベッドに横たわり、指を絡めて握り合っためめの手首は以前と比べて少し細くなった。

なにをしても様になるこの男は俺のことになると唯一神経質となり、一度嫉妬や不安の渦に嵌れば中々抜け出せず、体調にまで支障をきたす。

めめが目に涙を溜める姿なんて、めめの生涯のパートナーである俺以外中々見れへんよ。

『それでめめや俺のラブシーンを見た人がもしかしてあの時のラブシーンはめめは俺を、俺はめめを想いながら演じてたのかなって思うてもらえたらサイコー。

……まぁ、こんなこと言いつつ、ほんまは相手がめめやったら良かったのにって思うとるけどな』

『実は俺もそう思ってた。そしたら俺らの愛を世界に見せつけたのにって。こんな嫉妬深くて情けない男でごめんね。康二、好きだよ。愛してる』

『俺もやで、めめ愛しとる。だから、俺を信じて安心して休んでや』

めめの悔しげに微笑む表情にやるせない気持ちになるが、どんなことがあっても俺らの愛は無限大で、歳を重ねるごとにそれは形を変えて行き日々進化してる。

特にこの年は会えない時間が大きな愛を育み、めめと夫婦のような絆を築けた年やと思う。

「あー、早くめめに会いたいわ」

俺がうっかりしていなければ、二日後にはめめに会えたのに。俺のアホ。

溜息を吐いて控え室のメイク台の前に伏せ、スマホに写るとびきりの笑顔のめめをジッと眺める。

なぁ、めめ?
俺な、いつもちゃんと言葉に出してるけど、めめに言いたいこと、伝えたいことがまだまだたくさんあるんよ。














「康二。改めて明けましておめでとう。さ、早く着替えて俺の家に帰るよ」

「え、ちょちょ!シャワーは浴びへんの!? 」

配信が終わりスタッフにも新年の挨拶を交わし、各々が年始を迎えるために裏に下り始めた頃。

めめは俺の腕を引きながら足早に楽屋へと突っ切って行く。

うっすら気付いてたんやけど、生配信中めめが俺に見せていた笑顔はどうやら見せかけやったらしく、俺が昨日の約束を忘れたことをまだ根に持っているみたいや。

「いいよ、シャワーなんて家で浴びれば。それより他のメンバーに捕まる前にさっさと帰ろ」

そう言うめめの額や頬には汗が伝い、めめやってシャワーを浴びてさっぱりしたいやろに。

「……分かった」

しかし、汗で張り付いためめの髪から覗く切羽詰まった視線にめめがこの後、俺をどうする気なのかが読み取れてしまい、それを意識した途端、俺の心臓がドクンドクンと高鳴り出す。

……あぁ、めめは俺がめめに会いたいと思ってた以上に俺に会いたくて堪らなかったんやね。

そして、急いで早着替えをした俺たちはめめが予約していたタクシーへと乗り込みめめの自宅へと向かう。

「…………」 

「…………」

めめの家までの道中、俺たちに会話は無かったけど、めめの長い腕はしっかりと俺の腰に回されており、それにより俺の胸の音がめめとタクシーの運転手に聞こえているのではないかと緊張し、俺はなるべく早くタクシーがめめのマンションに到着することを祈った。

「ご利用ありがとうございました」

「どうも。康二、行くよ」

そんなことを考えていると、タクシーはめめのマンション前に緩やかに停車し、素早く精算を終えためめに手を引かれ車から降りれば、めめは俺の手に指を絡め颯爽と歩き出す。

「めめ……っ」

「…………」

繋がれた手は温かく、俺の前を歩くがっしりとした男らしい背中から目が離せないでいると、マンションのエレベーターの扉が俺らを待ち構えていたかのように開き、それに乗り込めばめめの空いている左手が俺の腰を捕らえる。

唐突にめめの硬い胸元に引き寄せられ、噛み付くようなキスを仕掛けられた俺はめめから顔を背けて必死で酸素を吸い込む。

「ふ、ぅん……あ、んっ……!」

「……ねぇ、キスだけでこんなエロい声出して誘ってんの? 」

逃げる俺をめめは咎めるようにエレベーターの壁に押し付け、さらに荒々しく舌を絡めていき、俺の口からはいやらしい声が漏れ、舌を抜き去っためめをボーッと見つめる俺にめめは意地悪く微笑む。

「ちがっ!めめがいつもと違うキスするからやろっ……!」

「……あんま可愛いことばっかしてくれると、俺加減出来なくなるからね」

「っ…… 」

口を尖らせ顔を背ける俺をめめはさらにキツく抱き締め、俺の額にキスを贈れば、

ピンポーン

エレベーターがめめの部屋のある階への到着を告げ、扉が開いた。

「じゃあ、行こうか。俺のお姫様」

「……誰が姫やねん、この色ボケ王子」

繋いだ手の甲にキスをされ、俺が照れ隠しに悪態をつけばめめは俺の手を引き、ゆったりと部屋までの道のりを歩く。

都会に吹く風は冷たく、空気は澄んでおり、高層階から見える無数の星が輝く夜空はめめが大好きな景色。

そんな空の下、どこか遠くで聞こえる低く重たい除夜の鐘の音に新しい年が始まったという実感が湧く。

「(年明け早々めめと一緒におれてめっちゃ嬉しい)」

吐く息は白く、外気が触れる耳や頬は恐らく寒さで赤く染まっているが、心の中はポカポカしていた。

数秒後。

まさか、そんなことを悠長に考えたことを後悔するなんて、

俺は思いもしなかった。

8/13ページ
スキ