短編集
「アッ……!ンンンッ、ぅ———!!」
「ん……康二っ!!」
月光が照明となっためめの薄暗い部屋のベッドの上。
俺は絶倫のめめが達するまでに本日三回目の絶頂を迎える。
「あ…………んっ」
「今日もすごく気持ち良かったよ……康二は気持ち良かった?」
めめはイった余韻を楽しみ、放った性液を俺のナカに塗り込むようにゆらゆらと腰を揺らし、枕に顔を埋める俺のうなじにキスをする。
「ん、俺も気持ち良かったで……」
「良かった、明日も早いし今日はこのまま寝ちゃおうか」
長いこと俺の尻穴を攻め立てためめのモノがゆっくりと抜き取られ、溢れる白い液体と体に纏う汗をめめがタオルで丁寧に拭き取ってくれ、微睡む俺の横に寝そべっためめは幸せそうに微笑み、腕枕をし、壊れものを扱うように俺を広く硬い胸の中に閉じ込めた。
「おやすみ、康二。……大好きだよ 」
「俺もめめが好きや……おやすみ」
俺の言葉と体温に安心しためめは俺のおでこにキスをし、すぐさま夢の中へと落ちていく。
「すぅ……」
「…………」
ドクン、ドクンと聞こえるめめの心臓の音。
子どものように熱い体温。
俺を抱く大きな体。
それを感じる度にめめより何度も射精をしているはずの俺の竿はまた硬さを取り戻し……
「(なんなん?!最近めめとしても全然物足らへん!!) 」
元気に勃ち上がったイチモツはめめの抱擁によって身動きが取れずにどうすることも出来ひんくて、この夜、俺は興奮を鎮めるために脳内で大阪うまいもんの歌を何十回と歌った。
キミに一万を超えるとびきりの”愛”を 前編
「康二はめめの誕生日はなにするか決まってるの?」
「色々考えてんねんけど、これといって思い浮かばんくて……めめも俺と二人きりで過ごせればそれでええって言うし」
それぞれ違う仕事が入っていたが、あべちゃんと撮影現場が近いということでお昼は二人で落ち合って食べることにし、互いの恋人の惚気話で盛り上がる。
「めめはあんまり物欲なさそうだからなぁ……欲しいものがないっていうのも困るね」
「そうなんよ……さっくんはすぐあれ欲しい、これも欲しい言うやろ?わかりやすくてええな 」
食後にブラックコーヒーを頼み、ビルの五階から頬杖を付いてあべちゃんと秋葉原の街並みを見下ろす。
「時間もまだあるし、佐久間の欲しい物ならここにたくさんあって選べるけど、めめがもらって嬉しいものはこの場所にはないだろうね」
「うーん……」
「あっ、でもここにはめめとの甘酸っぱい思い出がたくさんあるんじゃないの?なにかいいアイデアが浮かぶかも」
俺が上京したての頃、少しだけ住んでいた秋葉原。
なんとなく、大阪のでんでんタウンや道頓堀、心斎橋に近いごちゃごちゃとした雰囲気があって嫌いじゃなかったけど、それでも寂しがり屋で右も左もわからない俺のためにめめは自宅とは逆方向なのに俺を毎日マンションまで送り届けてくれ、いつだってハチャメチャな俺に寄り添ってくれた。
——こんなことされたらめめを好きになるのは必然やん?
「まぁ、めめの誕生日までまだ時間はあるし考えてみるわ。
……それとな、あべちゃん話は変わんねんけど」
俺にはめめの誕生日プレゼントと同じくらい誰かに相談したい悩みが一つ。
しかし、こんなことは同じグループのメンバーでパートナーを持つあべちゃんにしか相談が出来へん。
「いきなりそんな真面目な顔してどうした?」
「あべちゃんええか?大きな声出したらあかんよ」
神妙な顔つきで話を切り出し、手招きをした俺にあべちゃんは動揺しながらも頷き、俺に顔を寄せて耳を傾ける。
「最近めめとえっちしても物足りひんくて、そのマンネリかなって思うとるんやけど……あべちゃんとさっくんはその辺どうなん?」
本人からも聞いているが、その見た目からしてもさっくんはエネルギッシュでパワフルで性欲もかなり強いらしい。
結構変化を求めるタイプやろし、絶倫のめめとはまた違うマニアックなタイプと付き合うとなると大変そうや。
「あー……まぁ、マンネリは誰にでもあるよね」
俺の話に苦笑いをしながらあべちゃんは頬を掻く。
反応を見る限り、俺とめめよりも遥かに交際の暦が長いあべちゃんとさっくんにもソウイウ時期があったんやね。
「二人は今もめっちゃラブラブやん?どうやって乗り越えたん?」
付き合ってるとまでは公言していないが、誰が見ても付き合ってるとわかるほど、あべちゃんとさっくんはどこに誰がいようとスキンシップも多いし、二人からは常に甘いピンクな雰囲気がちょこちょこ溢れ出ている。
「康二もうっすら知ってると思うけど、俺は初めてマンネリを感じた時、佐久間と距離を置いたよ」
その時を思い返し、切なげに微笑み秋葉原の景色に視線を移すあべちゃん。
「さっくんと一緒にいすぎて自分自身がさっくんになりそうって言ってた時期やね」
「うん。実はあの頃、お互い甘えが出過ぎて自分勝手になってたんだ。今までは相手を喜ばせるために出来ていたことが環境の変化で価値観も大きく変わって、自分の考えこそが正しいと思い込んでさ、俺も佐久間も我が儘になって相手に主観を押し付けてた」
その時期はちょうど俺やめめ、ラウがSnow Manに加入する時期であべちゃんとさっくんの精神状態もかなり不安定やったやろう。
現にさっくんは俺たちがすぐにグループに打ち解けられるようにいつも明るく振る舞ってくれたんやけど、どこかイライラしてはあべちゃんに通路で当たり散らして泣きついていたこともあり、当時はその差に驚いたもんや。
「二人が裏で喧嘩してて、さっくんもあんな風に泣くことがあるんやなってビビったわ 」
「もちろん眠っていた持ち前の明るさもあるけど、いつもみんなのために元気でいようと無理をしてることもたくさんあるよ。俺はそんな佐久間に無理をしないでって何度もお願いして……今だから言えるけど佐久間はあの頃、虚勢も神経も張り詰めてて、いつ爆発するかわからない状態だった。それなのに佐久間は俺にすら弱さを見せてくれなくて、大丈夫だの一点張り。
だから、佐久間にとって俺はなんなんだろうって疑心暗鬼になってさ……長く一緒にいすぎてお互いを想い合うことが出来なくなったんだ」
そっと目を閉じ、数年前の出来事を思い出すあべちゃんの口角はうっすらと上がっている。
「そんな佐久間のことを俺は嫌いになりたくなかったし、佐久間がああやって俺に必死で泣きついて新たな一面を知った時、思ったんだ。
俺はやっぱり佐久間を愛してるし、佐久間はもう阿部亮平の生活の一部で俺の分身。佐久間の心を守れるのはこの世で俺しかいないんだって」
あべちゃんの口から語られるさっくんとの過去に俺はうんうんと頷き、俺も二人のようにめめとこれからも強い絆を結びたいと思ってる。
「めめも言ってたけど、俺らのグループの中で二人の信頼関係は飛び抜けてるよな」
「ふふっ、その出来事以来佐久間は猫みたいに俺にちゃんと甘えるようになったし、一時期佐久間を避けたのは俺が佐久間に飽きたからだと思ったのか
……佐久間は夜に色々な顔を見せてくれるんだ。
正直俺はそんなに性欲が強いわけじゃないんだけど、俺がマンネリを感じないように試行錯誤してくれてる。そうだな例えば」
窓の外の一点を見つめて次第に緩んでいくあべちゃんの頬。
幸せそうに語られるあべさくのラブライフに俺は二人の新たな一面を知り、想像していたものと違う方向にただただ「ヒャ〜ッ」と高い声を出し頬を赤くするばかりやった。
「……じゃあ、解散したら康二の家に行くからね」
「うん……待ってる」
待ちに待ったバレンタインデー。
この日はグループの仕事が一本だけ入っていて、終わった後はめめと俺の家で過ごすことになっている。
……明後日のめめの誕生日はお互い仕事が入っており、その後もめめと中々会えない日が続くため、俺はめめのバースデー計画にだいぶ力を入れた。
この後も会えるのに俺との短い別れを惜しむめめと軽いハグをし、テキパキと準備を済ませて現場を後にする。
今日はめめとたくさん愛し合って、あべちゃんやさっくんのように絆を深めるんや!!
俺は拳を握り、恐らくこの後行われるであろう激しい営みを妄想し、体が熱くなっていくのを感じた。
「おかえりなさいませ、ご主人様」
「え…………え、康二?」
静かに開いた玄関から現れたご主人様にふんわりと微笑んだ後、俺はスッと背筋を伸ばし片足を斜め後ろの内側に引き、フリルのスカートと黒いニーハイから覗く白い太ももをご主人様に見せつけるように短いスカートの裾を軽く持ち上げ頭を深々と下げる。
チラッとご主人様に視線を移せば、突然のことに動揺したご主人様は手に持っていたバックを落とし、口をぽかーんとさせ玄関で立ちすくんでいて、俺は心の中でガッツポーズをして、ご主人様の問いかけに答える。
「はい、ご主人様の康二でございます」
「…………」
ゆっくりと顔を上げ、ふわっと揺れる緩いパーマの掛かった茶髪のウィッグ。
ご主人様との再会を頬に両手を当て愛らしく笑って俺が喜べば何やらご主人様はこの状況に着いて行けず、オロオロと動揺するばかり。
「……もしかして俺この格好似合ってへん?」
「えっ!?いやすごく似合ってるし、その、めちゃくちゃ可愛いよ……」
俺の問いかけに明らかに顔が引き攣っているめめにこれは失敗やんかと俺の心が早々に折れる。
「ごめんな。メイドはめめの好みじゃなかったみたいやな。一度着替えてくるから仕切り直しさせてや 」
「あ、えっと……」
マンネリ解決策としてあべちゃんから教えてもらったのはコスプレエッチ。
Snow Manというアイドルでありながら、アニメオタクという一面を持つさっくんはコスプレも好きらしく、定番のメイド服やナース服、学生服のみならず、プロのコスプレーヤー並にアニメのキャラになりきり、あべちゃんとのsexライフを楽しんでいるらしい。
しかもすごいのはそれだけじゃなく、日々愛撫のテクニックも磨いているらしく、その……さっくんに一度フェラされたら二度と他の人じゃ感じられなくなるほど、さっくんは舌使いも極めているようで……。
「(俺も今日めめに御奉仕するために言葉遣いだけやなくて、フェラもバナナで一生懸命練習したんやけど……)」
俺が踵を返し、トボトボと自分の部屋に戻ろうとすれば悲しいかなめめの好みとは違ったメイド服のスカートのフリルが揺れる。
「康二、ちょっと待ってよ。
あの、好みじゃないとかじゃなくて……!
実は今日俺の誕生日祝いで康二にお願いしようとしてたことがあって、なんか予想してなかったことが起きてビックリしただけだよ」
慌てて靴を脱いだめめに背後から抱きしめられ、俺の胸が急激に熱く高鳴る。
「……ご主人様のお望みはなんでしょうか。本日はご主人様がお生まれになった素晴らしき日の前祝いでございます。私でお応えできることであればなんなりとお申し付け下さい」
「いいの……? 」
腰に回された大きな手にそっと手を重ねれば、俺の左肩に頭を乗せためめがゴクリと唾を飲み込むのがわかった。
俺をベッドに連れていくため、こんな格好をしているが間違いなく男である俺を軽々とお姫様抱っこするご主人様。
俺はうっとりとそんなご主人様を見上げては心の中で「俺のご主人様は本当なにをするにも様になっていてカッコ良すぎて困る 」とわちゃわちゃする。
「ご主人様、康二をベッドに運んで下さりありがとうございます。ありがたき幸せにございます 」
そっとお姫様のように俺をベッドに横たえるご主人様を見上げれば、そんな俺にご主人様はくすくすと笑い、頭のてっぺんからつま先まで舐め回すように見つめていく。
「ふふっ、ようやくメイドの康二に慣れてきたよ。ねぇ、この服は自分で買ったの?」
「はいっ……ご主人様に喜んでいただきたく自分で買いました」
ご主人様の大きな右手が俺の左脚の膝下からゆっくりと太ももに伝っていく。
「俺の康二はいつもメイクが上手だけど、このメイクも自分?」
「はいっ……少しでもご主人様に可愛いと思っていただけるように頑張りました」
今度はご主人様の左手が俺の頬を撫で、親指で唇のリップをさらに塗りこんでいくもんやから、俺は目を伏せご主人様にされるがままとなり、ここがベッドの上、さらに普段しないコスプレ+メイドを演じることで欲望のスイッチが入っていく。
「……あぁ、下着も女性用の物なんだ。
白いフリフリのパンツにシミをつくってこんなエッチな格好して興奮してるの?」
「アァッ……!!んふぅ、っ、めめっ!!」
スカートを勢いよく捲り上げ現れた俺の痴態にめめは微笑み、女性用の下着ではどうやっても隠すことの出来ない俺の勃起した竿を容赦なく強く握り、今めめから与えられたものが快感なのか痛みなのかわからぬまま俺の腰は大きくのけ反る。
「……うん。俺は康二のご主人様じゃなくて、康二のめめだよ」
「えっ……」
涙が滲む俺の目にめめはキスをし困ったように微笑み、話し出す。
「メイドの康二もすごく素敵だけど、俺はありのままの康二がいいな。誕生日プレゼントじゃないけど、コレは俺のお願い。
コレに着替えて今日は俺を精一杯お祝いして欲しい。いい?」
「ん……それがめめのお望みとあらば」
めめから渡された小さな紙袋を受け取り頷けばめめは俺が大好きな子どものようにくしゃっとした顔で笑う。
「じゃあ、俺は軽くシャワーを浴びて来るから着替えたらリビングで出迎えてね?」
「はぁい……」
ベッドの上で渡された紙袋の軽さに俺が首を傾げれば、めめは至極楽しそうに俺の部屋を後にし、早く準備をせねばと起き上がった俺が紙袋の中身をひっくり返してみれば
「は……はぁ?!なんなんコレ!!」
布団の上にポトっと落ちた布切れ一枚に先程のめめ同様、今度は俺がポカンと口を開ける番で……
俺の驚く声にめめが脱衣所で腹を抱えて笑うところが想像出来た。
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