さぁ、今夜は……?



「…………っ、」

「……康二本当に大丈夫?」

いよいよドームツアーが明日に迫り、まずは康二と一緒に集合場所の事務所へ向かおうと、俺が玄関で靴を履こうとした時。

俺の後ろで康二が突然ふらつき、辛そうに玄関の壁に手を付いた。

俺は康二へと向き直り、息の荒くなった康二の背中に手を当てゆっくりと撫でてやる。

「大丈夫やで……ライブ前はいつもこうなんよ」

「……康二がこんなに苦しんでたなんて今まで気付かずにごめん」

瞳を潤ませ、眉を寄せ微笑む康二の顔は相当キツそうだ。

その表情に一体今までどれほど無理を重ねていたのかと思うと、俺の胸が途端に大きく痛みだす。

「……めめ、俺のこと強く抱きしめて」

「愛してるよ、康二。ドームツアー中は俺がちゃんと側にいるから」

俺は康二を腕の中に閉じ込め、康二の震えが治るまでしなやかな背中を撫でてやる。

「めめ、俺も愛しとる」

抱き締めた小さな康二の温もりに

康二のことをこの先もずっと、
俺が守ってあげたいと思った。

——康二は愛しくて堪らない、
俺だけの『特別』な存在だから。







「目黒悪いけど、会場の関係で明日と明後日の流れが少し変わるんだ。向こうに着いたらまた細かな確認をするから準備の方よろしくな」

「はい。……わかりました」

飛行機の出発時間の数十分前に身体検査を終えれば、俺たちが乗る朝の便に急なエラーが出て出発が遅れることとなり、俺は康二の緊張を解そうと康二とラウンジの片隅の席に二人並んで腰掛け、他愛のない話をしていた。

康二の調子が家を出発する前に比べ、だいぶ回復してきたようで俺はホッとする。

しかし、突然マネージャーに呼ばれ康二の側を後ろ髪を引かれる思いで離れることになり、それによって康二の気持ちがまた一気に落ちていき、不安になった俺がチラチラと様子を伺っていると、

「康二、なんか落ち着かないじゃん」

「……やっぱドームツアーが近付くと緊張すんねん」

頭が床についてしまうんじゃないかと思うほど項垂れてしまった康二をしょっぴーが俺に見せつけるように背後から抱き締め、俺の体は燃えるように一気に熱くなる。

「俺と康二のデュエットの演出めっちゃ楽しみ。二ヶ月間頑張ろうな」

「っ、うん、よろしゅう頼むわ」

「(俺の康二に触るな)」

康二を抱き締めて幸せそうにはにかむしょっぴーに感情が昂り、眉間に皺が寄っていくのがわかる。

マネージャーの話はそっちのけで俺は早く康二の元に戻りたくて仕方がなかった。

「じゃあ、目黒。次は渡辺に宮舘のところに来るように伝えて」

「はい」

ナイスなタイミングだ。

「…………」

「しょっぴー、マネージャーが舘さんのところに来てだって」

俺がニッコリ微笑めばしょっぴーは苦虫を噛み潰した様な顔をする。

「……じゃあ、康二また戻ってくるから」

「……おぅ、いってらっしゃい」

康二の頭を撫でて立ち去るしょっぴー。

「ねぇ、康二。……本当に大丈夫?」

「……出発までまだ時間あるよな。めめ、トイレ行こ」

康二は顔を少し上げてしょっぴーが離れたのを見届けた後、俺の右手を握り艶を含んだ目で俺を見上げた。

「……っ、わかった」

……ここが何処であろうと、
どうしたって愛する彼の誘惑には抗えず、先ほど抱いた醜い嫉妬心すらも康二への情欲に全て塗り替えられてしまうのだ。









「ふぅっ、あんっ!めめぇっ……!」

「康二、静かにして」

人がいないことを確認し、男子トイレの個室に二人で入り鍵を掛ければ、それがスイッチのように二人で熱い抱擁を交わし、どれだけしても足りない濃厚なキスを交わす。

「んっ、ん……!!」

「(……またこんなにおっ勃てて)」

欲に塗れた康二は舌を絡めて俺と唾液を交換し合うキスに興奮し、普段は出さない大きな声を上げ、俺はそれに焦って声が外に漏れぬよう康二の口を完全に塞いでやる。

俺の息子に当たる康二のモノは完全に臨戦状態となり、これを解放せねば康二はこの魅惑の色香を辺りに撒き散らかし、俺以外の人間が康二に発情しかねないだろう。

「康二。手で抜いてあげるから、もう少し前に出て壁に手をついてくれる?」

「ふぁ、い……」

俺が康二の耳元で囁けばトロンとした焦点の定まらぬ眼差しで康二は返事をし、便器を跨ぎトイレのタンクの真上の壁に手をつき、俺にお尻を突き出す格好となる。

「……今、俺が康二を気持ちよくしてあげるからね」

「う、んっ……」

康二のズボンのベルトとタックボタンを外し、チャックを下げて現れたグレーのボクサーパンツには大きな黒いシミが出来ていて、背後からそれを確認した俺はゴクリと唾を飲む。 

いつ誰が来るかもわからない、公衆のトイレでこんなことをするなんて……ものすごい背徳感だ。

恐らく康二もドームツアーによる影響だけではなく、この状況にもとても興奮している。

「こんなに濡らしていけない子だね……替えのパンツはトランクケースの中だろうし、どうするの?」

「あっ、ン……ごめんなさっ、ん!」

康二の下着を下ろした後、康二の背に覆い被さり大きくなったちんこをゆっくりと扱いてやれば、その気持ちよさに康二の膝がガクガクと震えて、悦ぶ。

俺の右手は康二の逸物を弄り、左手は康二の上半身を支えつつ康二の右の乳首も可愛がることを忘れない。

「めめのも大き……なって、るッ!」

「そりゃ、こんな可愛い恋人が目の前にいたら誰だって大きくなるよ……」

康二の尻の割れ目に勃起した俺の竿を擦り付ければ、それに呼応するように康二が尻を揺らし、その悩ましげな姿に俺のモノはまた一回り成長を遂げる。

……正直固く張り詰めて痛いくらいだ。

「はう……っ、アァンッ!!めめっ、イイっ!!」

「……康二、しーっだよ」

康二の先走りを潤滑剤代わりにペニスを上下に扱く手を早め、亀頭を手のひらで包んでやれば、その刺激で感じた康二から喜声が上がり、俺は康二の乳首を弄っていた指を三本、康二の口内に差し込む。

「は、ぁう……!」

「いい子だね。ちゃんと、静かにするんだよ」

こくこくと頷き、俺の指を必死でしゃぶる姿とねっとり絡み付く康二の舌に俺の意識がどこか遠くに飛びそうになる。

昨晩もその前の夜だって何度もまぐわって、性を解放したというのに俺らは互いの体温を分かち合えば分かち合うほどに互いを欲してしまう。

「あッ、ハァァっ……!
めめぇ、もっ……イってまう!!」

「うん……便器に出そうね」

声を押し殺そうとするも、どうしたって漏れる康二のエロい声に俺は口角が上がり、康二が大好きな尿道を親指の腹で撫で、爪を立てれば強烈な刺激に康二の体がビクビクとしなる。

その快感に愉悦に浸り振り返った康二に俺は優しく微笑み、ラストパートをかけるように康二の陰茎を上下に激しく扱く。

「ンンぅッ……!!イクッ!!」

ビュッ、ビュッと便器に吐き出される康二の子種は透明に近く、きっと生物としての本来の役割は果たせないだろう……

「康二が毎日俺を欲情させるから、俺のコレも使い過ぎて擦り減ってなくなっちゃうかも」

まぁ、それはもちろん俺にも言えることなわけで……

例えば康二が女の子だったなら、仮に避妊をしていたとしても一緒に暮らしてこれだけ体を重ねていればとっくに孕んでいるかもしれない。

「……それはだめ」

「……康二、そんなエロい顔を俺以外の男に絶対見せるなよ」

それほどまでに康二と濃ゆいセックスライフを送るのは目に涙を溜め、悩ましげな表情で俺と視線を交わす目の前の彼が俺の”雄”としての本能を激しく煽動してくるからだ。

本当はメンバーどころかファンにだって康二のどんな姿も見せたくない。

「ふっ、そう言うめめやって俺のことすごい顔して見てるで。気付いてないやろ?」

達したことでようやく体の熱が治ってきたのか、康二が微笑み楽しそうに語る。

「え?俺、そんなに顔に出てる?」

「こないだラウールに兎を狙う鷲みたいな顔でめめが俺のこと見てたから喧嘩でもしたのかって、聞かれて思わず笑ってもうたわ」

康二と付き合うまで自分では気付いていなかったが、俺はきっとかなり嫉妬深い方だ。

自分が思ってる以上に康二のことを目で追い、改めて康二が他のメンバーに触れて、楽しそうに会話をしていればその言動一つ一つに一期一憂したり、ファンやメンバーだけじゃなく周囲の人をものの数秒で笑顔に出来る陽の気を兼ね備えた康二。

去年のドームツアー前はただの”尊敬”だった康二の持ち前の明るさが今は”尊愛”となり、そういうところに強く感情を揺さぶられ、さらにはそれを俺だけが独り占めしたいと思っている。

「それだけ好きなんだよ……康二のことが。
ちゃんと伝わってるかな?」

「今、この身を持って思い知っとるがな。
で、めめのコレはどうする?」

クスクスと笑い康二は俺のいきり勃つモノに尻を擦りつけ、俺のムラムラがピークを迎える。

下ネタは好きじゃないくせに俺に対してはまるで娼婦のように大胆になってきたところがまた良い。

「数時間前にシたばかりだし、このまま挿れちゃう? 」

正直、手だけで治めようと思っていたのにこんな風に誘われたらそれだけでは飽き足らず、康二のナカで熱を解放せねば俺は飛行機の中で二時間ほど康二の隣で悶々とした時間を過ごすことになるだろう。

「めめの大きくて固くて、熱いの早く康二にちょうだい……」

それは言わずもがな康二も同じだ。
今、射精をしたばかりの陰茎は緩く勃ち、早速次の淫楽を期待している。

「……毎日こんなにしてたら、俺ドームツアー中ミイラになっちゃいそうだな」

上目遣いで可愛いく、てんちでおねだりしてくるあたり康二は俺より一枚どころか何十枚も上手で、康二によって大きくなったモノを出そうとタックボタンに手をかけた瞬間。

俺自身もジーンズに人には決して見せられないシミをつくっていることに気付き、康二のことを言えないなと自嘲した。








「ァ!め、めっ…!ヨすぎておかしくなってまうっ……!!」

「はァ…っ!! 」

挿入した康二の中は昨晩の名残もあってか熱く、ビショビショに解れており、それでいて俺の男根をキツく締め上げるものだから俺の頭は快感で真っ白となる。

なのに頭の片隅で康二の言葉に「互いを求め合う俺たちはもうとっくに狂ってるよ」なんて返答し、俺は無我夢中で康二の尻にこれまでにないくらい勃起した肉棒を叩きつけていく。

「んっ!アァッ!め、め、っ声我慢出来ひんっ!!」

「……しっ!誰か来る」

全神経が体の中心で感じる甘美な刺激に酔いしれていた時。

コツコツと足音が聞こえ、

そして

「康二ー!いるー?」

「……っ!!」

「うっ!」

大きな声で叫ぶ佐久間くんの声がトイレに響き、それに驚いた康二の尻がギュッと締まり、俺は突然の刺激に吐息を吐き出す。

「こーじー???」

「……さっくん、ごめんな俺ちょっと腹の調子悪いねん」

使用中のトイレに誰が入っているかわからないのに、佐久間くんが尚大きな声を出すもんだから、康二があたかも具合が悪いかのように返答をする。

「あー、康二いつもライブ前はお腹壊すもんね。無理すんなよ? 」

「迷惑かけてごめんなぁ」

「…………」

体の中心に俺のが突き刺さったまま話す康二のナカは早く律動を再開して欲しいというようにうねり、俺に加虐心が芽生える。

「ところで蓮はどこにいるか知ってる?」

「…………」

「いや、俺はわからへんけど……っ、アアァッ!?」

「え?」

トイレの入り口に佐久間くんがいるのをわかっていながら、俺が大きく腰をグラインドすればそれが康二のイイ所にピンポイントに当たり康二がよがり声を上げ、勢いよくこちらを振り返る。

「な、なにしてん……?」

「ごめん、我慢出来なくて 」

佐久間くんに聞こえないようにかなり小さな声でやり取りをし、俺は顔の前に手を出し、康二に申し訳なさそうに謝った。

「……おい、今すごい声出してたけど本当に大丈夫かよ?」

「し、出発までまだ時間あるよな?俺はほんまに大丈夫やから、めめを探した方がいいんやない?」

「(まぁ、ここにいるんだから探したところで見つからないけどね)」

今まで散々でかい声で話していた佐久間くんだが、康二の異常な声の上げ方に不安になり、俺たちのいる個室の前に駆け寄る。

「マジでキツかったらちゃんと電話しろよ?」

「う、うん。時間には間に合うようにするから」

俺は謝りつつもゆっくりと腰を動かすのを止めず、ジワジワと広がる気持ちよさに必死で耐える康二の息は上がっていき、その姿に俺の逸物は固さを増していく。

「じゃあ、俺は蓮を探してくるわ 」

「っぁ、さっくんあり、がと……な。め、めのこと頼むわ」

「りょ」

ダッシュで俺のことを探しに行く佐久間くん。

「……佐久間くん行ったね」

「…………さっきの絶対わざとやろ 」

涙目で俺を振り返り、睨み上げる康二の滅多に見られない姿に俺の口角が上る。

「ゴメンネ、また邪魔が入ったら困るし、そろそろイかせてもらうよ」

「アッ!あんっ!ふうっ、アッ……気持ちっ!!」

容赦なく康二の一番感じる場所に先端をゴリゴリ押し当ててやれば、全てを搾り取るかのように康二がナカを圧迫し、俺の限界も近い。

「康二大好き……俺、ドームツアーで康二と思い出が出来るの楽しみだよ、ッ——!!」

「う、ん!俺、もや……はぁッ、んぅっ——!」

康二の背中に覆い被さり耳元で囁けば、康二が俺の低い声に身震いをし、康二の服に精液がつかないよう便器に向けて康二の竿を支えてやり、俺自身も康二の最奥をめがけて絶頂を迎えた。

——俺の脳内にはいつも熱に浮かされ、俺をホテルのベッドで押し倒した扇状的な康二がいて、実は目の前の彼がこのドームツアー中どんな風に俺を掻き乱してくれるのかドキドキしているんだ。

「康二と二日間丸々一緒にいられるのはあの休み以来だね」

「ん……や、めめ、掻き出さないで」

トイレットペーパーを巻き取り、康二の尻から小さくなったペニスを引き抜いて溢れ出てくる精子を拭き、俺がナカに残った液体を綺麗にしようとすれば康二はそれを嫌がった。

「思ったより量が出てるし、嫌じゃない?」

「めめの精子がナカに入ってると思うと、めめが俺を支配してるような気になって緊張が落ちつくねん」

やんわりと微笑む姿に俺は最高の笑顔で返してやる。

「俺を支配してるのは間違いなく康二の方だけどね? 」

そして、この約二ヶ月に渡るドームツアーで俺と康二の愛が大きく試される出来事が起こる。

続く
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