さぁ、今夜は……?
『あなたが好きです。もうこの気持ちを隠すことは出来ません』
「あ……っ!んんっ、気持ちっ…!!」
久しぶりの昂りに俺は玄関が開いた音にも気付かず、リビングのソファーでテレビをつけたままなにも身につけていない下半身を大きく開き、固く天を向いて勃ち上がる自身を必死で慰めた。
——体が熱くて堪らない!!
「……ねぇ、まさかしょっぴーをおかずにシてるわけじゃないよね」
「ふぁ、あっ、んぅ……やぁッ!?なに!?」
すると突然、ソファーに腰掛ける俺を背後から抱きしめる人物が。
それは俺の精神、肉体、感覚全てを支配し心から待ち侘びていた人物。
耳元で低い声で問いかけられては全身の欲望の温度計がどんどん上がって行き、測りきれない熱により俺の温度計はパリンと音を立てて割れる。
「ただいま康二。
俺が帰ってきたことにも気付かないほど夢中になっちゃって……」
「はぁ……んっ、めめぇ……」
床に散らばったティッシュの数と自分が帰ってきたにも関わらず自慰をする手を止めない俺に苦笑いをし、首元を何度も啄む。
ゆっくりとTシャツの中に差し込まれていく冷たい手に俺の肌に鳥肌が立った。
「ライブの打ち合わせや練習で会えてもお互い別の仕事があって、ずっとすれ違いだったからね」
「あっ、ヒィッ!……そこグリグリしちゃ、やだぁっ!!」
マッサージをするようにピンと立ち上がった乳首をめめの親指と人差し指の腹で入念にこねくり回され、それに感じた俺のちんこから先走りがちろちろと流れて行く。
「もうすぐツアーが始まるから、体が熱くて堪らないんでしょ。練習中も熱の籠った目で俺を見てた……わかってて慰めてあげられなくてごめんね」
「んぅっ、めめ!」
めめから漏れる熱い吐息。
……そんなお詫びの言葉はいらへん。
『あなたを想うと胸が苦しい』
「でも、だからといってしょっぴーに脚を開いて、こんな痴態を見せちゃ駄目でしょ」
「あっ、あぁんっ!! 」
乳首をいじることに飽きためめが俺の内股をいやらしく撫で、先走りでびしょびしょになった竿に手を伸ばす。
めめが薄ら微笑み視線を送るのは大画面に映る誠実な男性を演じるしょっぴーの姿。
切ない恋を描いたドラマのラブシーンは今まさにすれ違いが続く二人の恋に涙を流す女優をしょっぴーが背後から抱きしめて愛を伝えるシーンや。
オナニーをする為、めめのドラマをたくさん見ていた流れでしょっぴーのリストに切り替わってしまうほどの時間を一人エッチに費やしていたらしい。
……夢中になりすぎて、俺はそんなこと気にも留めていなかったし、俺の脳内にはいつもめめしかおらへんって。
『あなたの身も心も全てが欲しい』
「ねぇ、康二。
最近、やたらとしょっぴーにくっついてるのはもしかして俺からしょっぴーに乗り換えようとしてるとか?」
「は、ぁっ……!そんなわ、けないやろ……っ!?
……俺が好きなのはめめだけや!なぁ、体が熱くて熱くて堪らへん!!」
答えをわかっているくせに切なげに問いかけ、めめの親指の腹で先走りを尿道に塗り込むように撫でられてはその気持ちよさに俺の腰が浮く。
「良かった。……ふふっ。あのね、熱くなってるのは康二だけじゃないんだよ」
「ひゃっ!ふ、わァ、っ……んんぅ!お願いめめぇ、焦らすんはもうやめて早く、俺を犯してぇな……」
突然耳を齧られ、驚いた俺。
耳のふちを丁寧に舐められ、囁かれる声に早く、もっと触ってと俺は腰を上下に動かすことでめめを煽る。
なぜなら、めめと体を重ねるようになってから俺の体は自慰をするだけではこの熱を下げることが出来ず、冷ますのにはめめの×××が必要となった。
想像するだけで俺の尻の穴は強い収縮を繰り返し、めめしか触れることの出来ない最奥がビリビリと痺れる。
あぁ、やっとこの身を焼き尽くすほどの苦しい熱から開放される。
喜びに震え思わず口角の上がる俺にめめはクスクスと微笑み、意地悪を言う。
「んー……でも、汗をかいてるからまずはシャワーを浴びようかな?臭いよね?」
「そんなん、後でえぇ…っ!ん」
ソファー越しでわからないがめめだって、俺の痴態に竿をおっ勃てているはず。
俺をほったらかしにして、さらに余裕をぶっこく姿に腹が立ち、俺は勢いよく振り返っては恋人の唇を奪う。
「……今まで出来なかった分、たくさん愛し合おうね。
康二、今夜は寝かせないから覚悟して」
甘く絡め取られた舌に俺の思考は停止し、俺を見つめるめめの瞳の奥にはもう『俺しか』見えていなかった。
さぁ、今夜は……?
「ん、っ、めめお願い早く挿れてぇ……!」
「久しぶりだし、ちゃんと慣らさないと……
見て、俺のが康二でこんなに大きくなってる。
今このまま挿れたら康二のココ、多分壊れちゃうよ?」
場所を二人の寝室に移し、めめは俺の一枚しか纏っていなかったTシャツを脱がせ、ベッドに二人で雪崩れ込む。
まず初めに指を中を傷つけぬよう丁寧に出し挿れされ、閉じかけていた穴がめめを受け入れる為にゆっくりと解れていく。
めめのワイドパンツの上から見た膨らみはその輪郭がはっきりとわかるほど張り詰めていた。
「あ、んぅ、こんなんじゃ足りない……!」
「焦らなくてもこれから嫌というほど抱きつくしてあげる」
俺の肛門を解す指が二本から三本に増え、めめの中指が俺のイイところを突き、まるでその後の行為を連想させるかのようにじゅぼじゅぼと水音を立てて抜き差しを繰り返す。
「はぁ…っ、イイっ……!」
「…………」
少しずつ脳が溶けているのではないかというめめから与えられる刺激に俺の陰茎は何度も強く自身の腹を叩き、その度に鳩尾を濡らす。
めめは黒い茂みから除く卑猥な俺のモノを凝視し、ゴクリと唾を飲み込む。
「めめも服脱いでっ……!」
「……ちょっと待っててね」
俺一人が素っ裸でめめに視姦され、俺はまるでめめに陵辱されている気分になる。
俺の尻から指を引き抜き、めめは俺に見せつけるように時間をかけて服を脱いではベッドの外に放り投げて行く。
「っ、クラクラする……」
服を全て脱ぎ終えためめから香る汗の匂いと色香に俺の意識が濁る。
「挿れるよ」
「う、ん……ぁぁあっ!!」
俺の第二の性感帯にいきり勃つ男根をあてがい大きな突起が俺のナカに侵入していく。
それを見ためめが今度は俺の両膝の裏に手を差し入れて俺の脚を大きく開脚させる。
「ぁ、あ……っ、めめ気持ちぇえ、ッ!!」
それによって開いた俺のケツ穴の奥にめめはどんどんと先に進んでいき、久しぶりの挿入に俺の全神経がめめのモノに集中する。
「はぁ、康二っ……すげぇ、締まってるよ 」
「ふぅ、ンッ!ね、めめ、抱きしめて!」
「ん、ちょっ!康二っっ!」
強い刺激にめめが大きな吐息を漏らし、その姿にさらに欲情した俺はめめの体温を求める。
めめが俺の膝裏から手を離し、欲に飲まれた虚な瞳に胸が締め付けられた俺は、俺を抱き締めるために前のめりになりなっためめに勢いよく抱き付いた。
それにより俺の腸壁がめめの男根を締め付け、めめが強い刺激に歯を食いしばる。
「めめ、好きぃ……」
「俺も康二が大好きだよ……」
めめは柔らかな眼差しで俺に微笑み、俺の顔に優しいキスの雨をたくさん降らせてくれる。
めめはたまに意地悪をするけど、いつも俺に優しくて、俺をドキドキさせる。
それにドームツアーへの期待や不安、緊張が加われば俺の精神が爆破寸前の爆弾状態となり、それが連鎖反応を起こし強烈な性欲となって現れる。
「めめ、めめっ! 」
「……やばい、久しぶりすぎてすぐイっちゃうかも 」
そして、その爆破をとめられるのは目の前のこの男だけや。
めめの背中を俺の爪痕が残るくらいギュウギュウと抱き締め、二人の体温が中和して行く。
快感に飲まれて一心不乱に腰を振るめめの鬼頭がピンポイントで俺の一番気持ちいいところを何度も擦り、その刺激に俺の口からはだらしなく涎が溢れる。
「ん、ぅん!は、ぁ…ぅ!」
「………つ 」
めめが俺の唾液を舌で掬い取った後、そのまま強引に俺の口内へと侵入し、俺の口内で縦横無尽に暴れるめめの舌を俺は必死で受け入れ、その合間になんとか酸素を吸い込む。
上の口はめめの舌、下の口はめめの男根を受け入れ、めめの汗を体に纏った俺も正直もう限界だった。
「あ、うっ、ぁあ、ん!
めめ俺もイってまう……!!」
「う、ん、一緒にイこう……中に出すよ?」
ラストパートでめめが大きく腰をグラインドし、固い先端が俺の一番奥にピッタリハマり俺のナカがめめのちんこをもう二度と離さないというように閉じ込める。
「ンンッ!!」
「くっ……!」
それによりめめの熱い体液が俺のナカへ流れ込む。
だけど、こんなんじゃまだ俺の熱はまだまだ治らず、俺は貪欲にめめを欲した。
「う……んっ」
「康二落ちんの早いって……っ」
『熱い、熱い……めめ、もっと体が熱くて堪らへん』
涙目で俺を煽る康二に俺の欲望の炎は瞬く間に大きくなり逆に俺の康二へ対する熱が激しく上がってゆく。
それなのに康二は俺から与えられる愛撫に感じまくり、早い段階で意識を手放した。
「今夜は寝かせないって言っただろ?」
「……ん……っ」
俺は寝バックの体制で仰向けで眠ってしまった康二に抜き差しを繰り返す。
意識のない相手を犯すなんて、本意ではないが久しぶりのSEXと康二が俺のすぐ近くにいるという事実が堪らなく、俺の興奮は全く冷めやらない。
「こ、う…… 」
「ぁ………… 」
そして、理由はそれだけではない。
『あなたが好きです。もうこの気持ちを隠すことは出来ません』
先程、康二が録画したドラマで悩ましげに愛を囁いていた男。
『めめ、俺最近康二のこと本っ当に可愛いと思ってて、実は康二も俺をラブの方で好きなんじゃないかと思ってるんだけど……』
俺は帰り際、事務所で落ち合ったしょっぴーに突然こんな相談をされ、至極真面目に話すしょっぴーに俺は思わず吹き出しそうになってしまった。
ラブ?
誰が誰に?
『しょっぴー……。
俺、隠し事はしたくないから正直に言うね。実は俺、最近康二と付き合い始めたんだ』
『え』
記憶に新しい康二との休暇。
俺を好きだと甘える康二を思い出し、思わず口元が緩みそうなるがそれを必死に堪えて、驚きで固まるしょっぴーに俺は申し訳なさそうに言葉を並べる。
『康二は俺の恋人だから、申し訳ないけどしょっぴーには諦めて欲しい』
『……もし、俺が諦めないと言ったらどうする』
眉根を寄せ、少し潤んだ瞳でこちらを見るしょっぴーに俺の心がスーッと冷めていく。
『康二が俺をどんな目で見てるか気付いてないってことはしょっぴーはまだまだ康二のことわかってないね』
『…………』
うっとりとまるで情事を思い浮かばせる眼差しを康二は俺に向ける。
それは俺にしか見せない表情。
そして康二は康二がしょっぴーに甘えるように本当は康二も俺に甘えたいのだ。
しかし、普段お笑い気質で甘えん坊の彼は本命には中々うぶで、本当は思う存分康二に甘えて欲しいのに俺には甘えてくれない。
……まぁ、ベッドの上ではすごく素直だからいいんだけど。
『その視線に気付いたら、しょっぴーはもっと康二のこと好きになっちゃうと思う』
俺に敵意を向けるしょっぴーの耳元でコソッと囁く。
——だって、康二さ俺のことすっげぇやらしい目で見てるから何度その場で犯そうと思ったことか。
多分しょっぴーも勃っちゃうよ?
『っ!』
真っ赤に染まるしょっぴーの顔に俺は「康二って思わせぶりで本当罪な人だよね」とわざとらしく困った顔で言い放つ。
『でも、俺と付き合ってるのを知ってしょっぴーが態度を変えたら康二は傷付くと思うから、今まで通り構ってあげてね』
『……お前に言われなくてもそのつもりだ』
ふんと鼻を鳴らし、立ち去るしょっぴー。
去年まで康二の思いを知らずにいたが、思ったより康二を好きな男は多いらしい。
『うーん、気を抜いてられないな』
ドームツアーが決まればやってくるのは康二の発情期。
去年ホテルで俺に馬乗りになった康二を思い浮かべれば俺の腹の下が渦を巻き出す。
『……やばいな。早く帰って康二を抱きしだかなきゃ』
今日は久しぶりに愛の巣に帰って恋人と過ごすことが出来る。
会えない時間や触れ合えない時間は逆にお互いの愛を深めてくれる。
俺が帰ればまずは玄関で熱い抱擁を交わし、舌が溶けて無くなるくらいのキスを送ってやろう。
俺ははやる気持ちを抱えて帰路に着くのだ。
そう思いながら帰れば、チャイムを鳴らしても応答はなく、玄関を開けた先は薄暗い。
そして、
『あなたが好きです。もうこの気持ちを隠すことは出来ません』
「あ……っ!んんっ、気持ちっ…!!」
真っ暗なリビングから聞こえてくる先刻まで話をしていた男の声と康二の嬌声に一瞬心臓が止まりそうだった。
「(なんだテレビの声か……康二がリビングでオナニーしてる) 」
俺の前では普段照れ屋な彼が俺が今日帰ってくるのをわかっていながら、なんとリビングで自慰をしている。
しばらく聞いていなかった康二の高く愛らしいえっちな声にゆるく勃ち上がっていた俺の竿は臨戦体制に入る。
「(えー、もししょっぴーをおかずにしてたらどうしよう)」
恐らく俺が帰ってきたことに気付いてない康二に気付かれぬよう、俺は足音を立てずにリビングへと向かう。
「……ねぇ、まさかしょっぴーをおかずにシてるわけじゃないよね」
「ふぁ、あっ、んぅ……やぁッ!?なに!?」
リビングのドアを静かに開け、康二の背後に抱き付き耳元で囁く。
なんと着ているのはTシャツ一枚のみで、下半身は素っ裸だ。
床には何回したのか使用済みのティッシュが散乱し、俺はあられもない姿の康二に鼻血が出そうだった。
この様子だとTVに映っているしょっぴーは俺の番組が見終わり、たまたま流れているだけだろう。
……早く康二を俺の腕の中で鳴かせたい。
俺が康二の熱を分かち合ってやらねば。
「ただいま康二。
俺が帰ってきたことにも気付かないほど夢中になっちゃって……」
「はぁ……っ、めめぇ……」
俺が後ろにいるにも関わらず康二はちんこを扱く手を止めない。
康二の痴態に俺の股間は腹と同化するのではないかというくらい張り詰め、この男は常に俺を熱くさせるのが得意だ。
さぁ、康二。
待ちに待った夜が来たよ。
今夜はベッドの上でたくさん愛し合おうか?
互いを熱で焦がすほどに、ね。
終わり
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