☆チョッパー、親になる ※夢主は子供です
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▽よろしくね
「ティナちゃんは、ちゃんと自分のお荷物用意出来るかな?」
「はい、できます」
母親と思しき女性の問いかけに、ティナが元気良く右手を挙げて答えた。
お気に入りである水色を基調とした白のラインが入っているリュックサックに、洋服や下着、歯ブラシなど必要最低限の物を詰めていく。
リュックサックを背負ったのを見た母親は、「じゃあ行きましょうか」と足を進めた。
「ママ、手ェつなぎたい」
足を止めてその小さな手を取ると、再び歩き出した。その様子を見上げて破顔するティナ。
何も話す事なく2人が辿り着いたのは港。
離れた位置にあるが、4隻の船が停泊しているのを確認した母親は、ティナの前にしゃがんで、その小さく細い肩に手を置いた。
「ティナちゃん。今から、あなたが乗りたいと思う船を自分で選ぶの。ここに並んでる船は、海賊船かもしれないし、漁船かもしれない。それでも、あなたが決めるのよ。分かった?」
「ママは?ママも乗る?」
「乗らないわ。ママは一緒に行けないの。昨日言った事覚えてる?」
「とおーくに行く事。絶対ここに戻ってきちゃダメ」
「そう。いい子ね」
肩に置いていた右手をその頭へと移動させる。
「あなたは、きっと、ママなしでも強く生きていけるわ」
母親は、自分のスカートのポケットに入れていた紙を取り出した。
広げるとA4程の紙に紐が着けられている。その紐をティナの首にかけた。
「乗りたい船が決まったら、その船の人達に必ずこの紙を見せてね。ティナちゃん、愛してるわ。生きるのよ」
右手の親指で前髪を払うと、露になった額に口付けをした。
「さ、行ってらっしゃい。元気でね」
立ち上がってそっとリュック越しに背中を押すと、足が前に出て数歩つんのめるように進んだ。そして振り返る。
「ママも元気でね!」
大きく手を振ったのを最後に、振り向く事なく船に向かって走り出した。
大きくていかつい船ばかりで、どれも乗りたいと思わない。しかし、4隻目を見たティナの目が、キラキラと輝いたのだ。
足場が悪い中、小さな足を動かして走る。
「すごーい!すごいすごーい!ライオンさんだー!」
船首のライオンに目が釘付け。
どこから乗れるのか分からず、船の前を右往左往し、登れる場所を探すが見当たらない。
探すのをやめて、再びライオンへと視線をあげる。
ライオンに触れようとジャンプをするが、もちろん届くはずがない。
「ここの町は色々揃ってたからな。ただ、金がないのが悔しいぜ」
「そうなんだよ。でも、欲しい薬は手に入ったし、暫くは大丈夫そうだ」
どれくらいの間そこにいたのか分からないが、そんな会話が耳に届き、ティナはわたわたとその場で足踏みをしながらきょろきょろと顔を動かした。
「おい待て。おれらの船の前にちっこいのいないか?」
「うん、いる。なんだ?迷子か?」
ウソップとチョッパーは、わたわたしているティナを怪訝に思いながら近付いていく。
一方でティナは、わたわた動かしていた足を止めて、ビシッと背筋を伸ばした。
「おい、こんなとこで何やってんだ?迷子か?」
「え、えっと……」
「ウソップ、この子に何か書いてあるぞ」
「あ、ほんとだ。なんだ?」
ティナの首にぶら下がっている紙の文字を読もうと顔を近付けたが、それは持ち主の小さな手によって隠されてしまった。
「こ、この船の人ですか?」
「そうだけど、おれらの質問聞いてたか?」
「あ、じゃあ!これ読んでもだいじょーぶな人!どーぞ」
首から外してその紙をウソップに渡した。
なになに?と、その文を読んでいくウソップと距離を縮めて、チョッパーもそれを覗き込む。
それを読んだ2人はもう1度ティナへと視線を向け、手紙へと戻す。
「え、ええええ!?」
チョッパーとウソップの驚きの声が空に響き渡った。
「ど、どうしよう。迷子じゃなかったよこの子」
「どうするったって……ナミだ!ナミは!?」
「買い物行くって言ってた。ゾロなら船番でいる」
「ゾロがいた所でなんの役にも立たねーし、ナミ探しに行くか?いや、でも戻ってくるの待った方がいいか。すれ違っても困る」
今度は、1人と1匹が落ち着きなく相談している傍らで、ティナは1人コンクリートに転がって遊んでいる。
結局、ナミが戻ってくるまで待とうという事に落ち着き、チョッパーは転がっているティナに近付いた。
「君、名前は?おれはチョッパー。トニートニー・チョッパーだ。よろしくな」
転がるのをやめて立ち上がり、チョッパーの名前を復唱しようとしたが。
「とにとい?」
「あぁ、ごめん。チョッパーでいいよ」
「チョッパー!私ティナ!5歳!」
開いた手の平を見せてきて、満面の笑みで自己紹介するティナの眩しさに思わず目を眇めた。
「あと、こっちにいるのがウソップだ」
「ウソップ!私ティナ!5歳!」
「おう。よろしくな。ちなみにおれには8千万人の部下が……って聞けよ!」
ウソップに自己紹介をして満足したのか、ティナはウソップの言葉に耳を貸さず「チョッパーもふもふー」とチョッパーに抱きついている。
ナミを待つ間、ティナはずっとチョッパーの毛皮に触れたり抱きついたりしてじゃれていた。
「で?どうするのよ、この子」
ナミを含めたクルー全員が船に戻り、ダイニングに集合している。
「おれはいいぞ!仲間にしても!」
「ルフィ、そんな簡単に言うけどあんたね、ここは海賊船よ。こんな小さい子危険だわ。この親も何考えてるのかしら?」
ルフィの楽観的な意見に、更に頭を抱えだしたナミ。ため息をついて、もう一度ティナが持っていたという手紙に目を通す。
『この子を育ててください。お願いします』
「確かに危険だよなぁ。いつ砲弾も飛んでくっか分かんねぇし」
「だったら、おれがスーパーな防弾用の箱を作ってやるぜ!」
「服じゃなくて箱なのね」
フフと小さく笑って優雅に紅茶を飲むロビンに、フランキーは、「服は無理だ!」と威張る。
そんな中、サンジはティナにミルクココアを入れたマグカップを目の前に置いた。目を輝かせながら、その中を覗き込む。
「ティナちゃん、熱いからちゃんとふーふーして飲むんだぜ」
「なぁに?これ。茶色いよー」
「ココアって言うんだ。飲んでみな、きっと美味しいぜ」
ココア……!と、目の輝きを失わないまま、マグカップを両手で囲むように持とうとするその手を咄嗟に掴んで、火傷を回避させた。それを隣で、助けようとしていたチョッパーは安堵する。
「ティナちゃん、ここは熱いからこっち持とうね」
サンジは、その掴んだ手を優しく取っ手に導く。
「ここ、あつくないよ」
「うん。ここは熱くないけど、ここ以外は熱いから気を付けな。火傷するぜ」
「はーい」
「サンジくん、私にも紅茶お代わりお願い出来る?」
「はぁい!もちろんです!ナミさん!」
ナミに頼まれたサンジは、からになったカップを受け取ってキッチンの中へと消えた。
ティナは、サンジくん、ナミさんと口の中で呟く。
「もういいじゃねーか!おれは決めた!ティナを仲間にするぞ!」
「もう!だからー……あーもう!こんな簡単に決めていい事なの!?」
テーブルに肘をついて前髪を掴んで頭を悩ませるナミに、ロビンが疑問を呈する。
「もし、ここを出て行ったら、この子はどこへ行くのかしら。また他の海賊船に乗り込む気かしら」
「え、それだとここに置いた方がいいんじゃないのか」
「ティナ、ちゃんとココア飲めるか?手伝おうか?」
ティナを仲間にするかの話し合いが続いている中で、チョッパーがティナに声をかけた。
「ふーふーするよー」
「そうそう。火傷しないようにな」
「ねぇ、ティナ。あなたのお母さん、他に何か言ってなかった?」
「他にー?うーん……」
ナミの問いかけに、ココアに息を吹きかけるのをやめて答える。
「この町に戻ってきちゃダメって言ってた。ティナはとおーくに行きなさいって」
町に残す事を選択肢に入れていたナミは、そう言われてしまい項垂れる。チョッパーは、眉を下げてティナを見つめる。
「そんな事言われたのか。可哀想に。戻ってきちゃいけない理由とかあるのか?」
「しらなーい。なんでだろーね」
「じゃあ親はチョッパーでいいんじゃないか?」
「え!?親!?おれが!?」
話し合いが進む傍ら、ティナがココアに息を吹きかけているのを見守っていたチョッパーの耳にありえない言葉が入ってきて、反射的にみんなの方を向く。
提案者であるウソップに、どういう事だと説明を求める。
「だって1番懐かれてるし」
「だったらナミかロビンの方が適役だろ?女同士だし」
「私もチョッパーがいいと思うわ」
「私も同意見よ」
「ちょっと待ってくれよ。おれ、親なんてやった事ないんだ。無理だよ」
「ここにいるみんなやった事ねーよ」
ウソップのツッコミに、確かにと口を噤む。
1番懐かれているといっても、会ったのはついさっきだ。半日も経っていない。なのに、親なんて大役を任されて戸惑いを隠せないチョッパー。
「そうだ。ゾロもなんとか言ってくれよ」
今までずっと口を閉ざしたままのゾロに話をふるが、結果ゾロも「いいんじゃねーか?」とあっさり承諾され玉砕。
「大丈夫よ、チョッパー。何も全部1人でやれって言ってるんじゃないんだから。もちろん私達もフォローするわ」
「ナミ……」
「そうだぜ、チョッパー。俺も協力すっからスーパーに行こうぜ」
「サンジくん、ココアおいしいよー」
「お、そりゃ良かった」
「みんな、ありがとう……おれ、頑張るよ!」
満場一致で親も決まり、無事にティナが仲間へと加わった。
「よーし!今夜は宴だぁあ!」
「ティナ、これからよろしくな」
「うん、よろしくね」
「ティナちゃんは、ちゃんと自分のお荷物用意出来るかな?」
「はい、できます」
母親と思しき女性の問いかけに、ティナが元気良く右手を挙げて答えた。
お気に入りである水色を基調とした白のラインが入っているリュックサックに、洋服や下着、歯ブラシなど必要最低限の物を詰めていく。
リュックサックを背負ったのを見た母親は、「じゃあ行きましょうか」と足を進めた。
「ママ、手ェつなぎたい」
足を止めてその小さな手を取ると、再び歩き出した。その様子を見上げて破顔するティナ。
何も話す事なく2人が辿り着いたのは港。
離れた位置にあるが、4隻の船が停泊しているのを確認した母親は、ティナの前にしゃがんで、その小さく細い肩に手を置いた。
「ティナちゃん。今から、あなたが乗りたいと思う船を自分で選ぶの。ここに並んでる船は、海賊船かもしれないし、漁船かもしれない。それでも、あなたが決めるのよ。分かった?」
「ママは?ママも乗る?」
「乗らないわ。ママは一緒に行けないの。昨日言った事覚えてる?」
「とおーくに行く事。絶対ここに戻ってきちゃダメ」
「そう。いい子ね」
肩に置いていた右手をその頭へと移動させる。
「あなたは、きっと、ママなしでも強く生きていけるわ」
母親は、自分のスカートのポケットに入れていた紙を取り出した。
広げるとA4程の紙に紐が着けられている。その紐をティナの首にかけた。
「乗りたい船が決まったら、その船の人達に必ずこの紙を見せてね。ティナちゃん、愛してるわ。生きるのよ」
右手の親指で前髪を払うと、露になった額に口付けをした。
「さ、行ってらっしゃい。元気でね」
立ち上がってそっとリュック越しに背中を押すと、足が前に出て数歩つんのめるように進んだ。そして振り返る。
「ママも元気でね!」
大きく手を振ったのを最後に、振り向く事なく船に向かって走り出した。
大きくていかつい船ばかりで、どれも乗りたいと思わない。しかし、4隻目を見たティナの目が、キラキラと輝いたのだ。
足場が悪い中、小さな足を動かして走る。
「すごーい!すごいすごーい!ライオンさんだー!」
船首のライオンに目が釘付け。
どこから乗れるのか分からず、船の前を右往左往し、登れる場所を探すが見当たらない。
探すのをやめて、再びライオンへと視線をあげる。
ライオンに触れようとジャンプをするが、もちろん届くはずがない。
「ここの町は色々揃ってたからな。ただ、金がないのが悔しいぜ」
「そうなんだよ。でも、欲しい薬は手に入ったし、暫くは大丈夫そうだ」
どれくらいの間そこにいたのか分からないが、そんな会話が耳に届き、ティナはわたわたとその場で足踏みをしながらきょろきょろと顔を動かした。
「おい待て。おれらの船の前にちっこいのいないか?」
「うん、いる。なんだ?迷子か?」
ウソップとチョッパーは、わたわたしているティナを怪訝に思いながら近付いていく。
一方でティナは、わたわた動かしていた足を止めて、ビシッと背筋を伸ばした。
「おい、こんなとこで何やってんだ?迷子か?」
「え、えっと……」
「ウソップ、この子に何か書いてあるぞ」
「あ、ほんとだ。なんだ?」
ティナの首にぶら下がっている紙の文字を読もうと顔を近付けたが、それは持ち主の小さな手によって隠されてしまった。
「こ、この船の人ですか?」
「そうだけど、おれらの質問聞いてたか?」
「あ、じゃあ!これ読んでもだいじょーぶな人!どーぞ」
首から外してその紙をウソップに渡した。
なになに?と、その文を読んでいくウソップと距離を縮めて、チョッパーもそれを覗き込む。
それを読んだ2人はもう1度ティナへと視線を向け、手紙へと戻す。
「え、ええええ!?」
チョッパーとウソップの驚きの声が空に響き渡った。
「ど、どうしよう。迷子じゃなかったよこの子」
「どうするったって……ナミだ!ナミは!?」
「買い物行くって言ってた。ゾロなら船番でいる」
「ゾロがいた所でなんの役にも立たねーし、ナミ探しに行くか?いや、でも戻ってくるの待った方がいいか。すれ違っても困る」
今度は、1人と1匹が落ち着きなく相談している傍らで、ティナは1人コンクリートに転がって遊んでいる。
結局、ナミが戻ってくるまで待とうという事に落ち着き、チョッパーは転がっているティナに近付いた。
「君、名前は?おれはチョッパー。トニートニー・チョッパーだ。よろしくな」
転がるのをやめて立ち上がり、チョッパーの名前を復唱しようとしたが。
「とにとい?」
「あぁ、ごめん。チョッパーでいいよ」
「チョッパー!私ティナ!5歳!」
開いた手の平を見せてきて、満面の笑みで自己紹介するティナの眩しさに思わず目を眇めた。
「あと、こっちにいるのがウソップだ」
「ウソップ!私ティナ!5歳!」
「おう。よろしくな。ちなみにおれには8千万人の部下が……って聞けよ!」
ウソップに自己紹介をして満足したのか、ティナはウソップの言葉に耳を貸さず「チョッパーもふもふー」とチョッパーに抱きついている。
ナミを待つ間、ティナはずっとチョッパーの毛皮に触れたり抱きついたりしてじゃれていた。
「で?どうするのよ、この子」
ナミを含めたクルー全員が船に戻り、ダイニングに集合している。
「おれはいいぞ!仲間にしても!」
「ルフィ、そんな簡単に言うけどあんたね、ここは海賊船よ。こんな小さい子危険だわ。この親も何考えてるのかしら?」
ルフィの楽観的な意見に、更に頭を抱えだしたナミ。ため息をついて、もう一度ティナが持っていたという手紙に目を通す。
『この子を育ててください。お願いします』
「確かに危険だよなぁ。いつ砲弾も飛んでくっか分かんねぇし」
「だったら、おれがスーパーな防弾用の箱を作ってやるぜ!」
「服じゃなくて箱なのね」
フフと小さく笑って優雅に紅茶を飲むロビンに、フランキーは、「服は無理だ!」と威張る。
そんな中、サンジはティナにミルクココアを入れたマグカップを目の前に置いた。目を輝かせながら、その中を覗き込む。
「ティナちゃん、熱いからちゃんとふーふーして飲むんだぜ」
「なぁに?これ。茶色いよー」
「ココアって言うんだ。飲んでみな、きっと美味しいぜ」
ココア……!と、目の輝きを失わないまま、マグカップを両手で囲むように持とうとするその手を咄嗟に掴んで、火傷を回避させた。それを隣で、助けようとしていたチョッパーは安堵する。
「ティナちゃん、ここは熱いからこっち持とうね」
サンジは、その掴んだ手を優しく取っ手に導く。
「ここ、あつくないよ」
「うん。ここは熱くないけど、ここ以外は熱いから気を付けな。火傷するぜ」
「はーい」
「サンジくん、私にも紅茶お代わりお願い出来る?」
「はぁい!もちろんです!ナミさん!」
ナミに頼まれたサンジは、からになったカップを受け取ってキッチンの中へと消えた。
ティナは、サンジくん、ナミさんと口の中で呟く。
「もういいじゃねーか!おれは決めた!ティナを仲間にするぞ!」
「もう!だからー……あーもう!こんな簡単に決めていい事なの!?」
テーブルに肘をついて前髪を掴んで頭を悩ませるナミに、ロビンが疑問を呈する。
「もし、ここを出て行ったら、この子はどこへ行くのかしら。また他の海賊船に乗り込む気かしら」
「え、それだとここに置いた方がいいんじゃないのか」
「ティナ、ちゃんとココア飲めるか?手伝おうか?」
ティナを仲間にするかの話し合いが続いている中で、チョッパーがティナに声をかけた。
「ふーふーするよー」
「そうそう。火傷しないようにな」
「ねぇ、ティナ。あなたのお母さん、他に何か言ってなかった?」
「他にー?うーん……」
ナミの問いかけに、ココアに息を吹きかけるのをやめて答える。
「この町に戻ってきちゃダメって言ってた。ティナはとおーくに行きなさいって」
町に残す事を選択肢に入れていたナミは、そう言われてしまい項垂れる。チョッパーは、眉を下げてティナを見つめる。
「そんな事言われたのか。可哀想に。戻ってきちゃいけない理由とかあるのか?」
「しらなーい。なんでだろーね」
「じゃあ親はチョッパーでいいんじゃないか?」
「え!?親!?おれが!?」
話し合いが進む傍ら、ティナがココアに息を吹きかけているのを見守っていたチョッパーの耳にありえない言葉が入ってきて、反射的にみんなの方を向く。
提案者であるウソップに、どういう事だと説明を求める。
「だって1番懐かれてるし」
「だったらナミかロビンの方が適役だろ?女同士だし」
「私もチョッパーがいいと思うわ」
「私も同意見よ」
「ちょっと待ってくれよ。おれ、親なんてやった事ないんだ。無理だよ」
「ここにいるみんなやった事ねーよ」
ウソップのツッコミに、確かにと口を噤む。
1番懐かれているといっても、会ったのはついさっきだ。半日も経っていない。なのに、親なんて大役を任されて戸惑いを隠せないチョッパー。
「そうだ。ゾロもなんとか言ってくれよ」
今までずっと口を閉ざしたままのゾロに話をふるが、結果ゾロも「いいんじゃねーか?」とあっさり承諾され玉砕。
「大丈夫よ、チョッパー。何も全部1人でやれって言ってるんじゃないんだから。もちろん私達もフォローするわ」
「ナミ……」
「そうだぜ、チョッパー。俺も協力すっからスーパーに行こうぜ」
「サンジくん、ココアおいしいよー」
「お、そりゃ良かった」
「みんな、ありがとう……おれ、頑張るよ!」
満場一致で親も決まり、無事にティナが仲間へと加わった。
「よーし!今夜は宴だぁあ!」
「ティナ、これからよろしくな」
「うん、よろしくね」