【OP】チョッパー
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夢主は動物です
苦手な方は注意してください
動物なので区別して夢主が話しているのは『』になっています
▽小さなお友達
メリー号は、とある島についた。
「上陸だー!肉屋あるかなぁ?」
ルフィは、船首にまたがって涎を垂らしながら、辺りをキョロキョロ見回している。
「ナミ!おれ新しい医学書が欲しいんだ。買っていいか?」
チョッパーは両手を上にあげ、つま先立ちでナミにおねだり。
「ならおれも、発明に部品がいるんだ。買っていいよな?」
ウソップも負けじと交渉する。
「あ!ずりぃぞ!おれも肉食うから金くれ!10人分!」
交渉を聞いていたルフィは、素早くナミのもとに行き、交渉開始。
チョッパーとウソップはまだしも、ルフィの交渉には耳を貸さないナミ。
「ナミさん、食材買いに行くから……って何してんだお前ら?」
サンジの目に飛び込んてきたのは、土下座をして頼んでいるルフィとウソップとチョッパーの姿。
「サンジくん、はいお金。これで食材買ってきて」
サンジの手のひらに乗せられた金額、3万ベリー。
サンジは無理だと分かっていたが――
「無茶な事を言うナミさんも素敵だー!」
と、サンジはスキップしながら降りて行った。
少しだがお金をもらえたチョッパーも、町へ行こうと船を降りようとしたその時、耳が反応した。
さわさわさわ…
(なんだ?この声……)
風に乗せられて聞こえてきた不思議な声。
チョッパーは町に行くよりも先に、不思議な声のもとに急ぐ。
さわさわさわ……
「あ、まただ……あっちかもしれないぞ」
チョッパーは声だけを頼りに、森の中に入っていく。
「おーい!」
チョッパーが呼んでみるが、返事はない。
「おかしいな……確かにこっちから……」
ムギュ
何か柔らかいものを踏んだ。
「?」
そっと足をあげて見ると、そこにはいたのはリス。
「ギャー!」
チョッパーは後退り、最悪な状況を予想しあたふたしだした。
「ど、どうしよう……い、医者ー!っておれだ!」
チョッパーは、急いで心臓が動いているか確かめる。
「はぁ……良かった……生きてた……殺したかと思った……」
安心したところで、リスの治療に入った。
「なんだこれ」
リスの後ろ足に鎖が巻きついているのを発見し、急いで、でも慎重に取り外した。血で滲んでいる傷口を治療していく。
「キュー!」
あまりの痛さに、リスが悲鳴を上げて目を覚ました。
「あ、気が付いたか?もう大丈夫だからな」
チョッパーは、ニコニコと微笑みながら、薬を薬箱にしまう。
『あ……鎖が取れてる……』
リスは不思議そうに足を眺めている。
「お前なんで鎖がついてたんだ?」
『走り回ってたら、鎖の穴に足が入っちゃって……』
恥ずかしそうにうつむき加減で話すリスに、小さく笑う。
「そうだったのか。これからは気を付けろよ」
『あなたが助けてくれたの?』
「うん。こう見えてもおれ医者なんだ」
チョッパーはちょっと威張って見せたが、リスはそれを笑って返した。
『動物なのに?ふふ、変なのー』
「変って言うな!」
『私はシマリスのティナ。よろしくね。あなたは?』
怒るチョッパーを気にしない様子で、自己紹介を始めるリス……ティナに、チョッパーもこれ以上怒る気も失せて名乗った。
「おれはチョッパー。よろしくな。お前仲間とかいないのか?1人か?」
『仲間?いない事もないけど、私達あまり集団では行動しないの。個人行動が多いのよ』
「そうなのか」
『あ、そうだ。すぐ戻ってくるからちょっと待ってて』
そう言うと、ティナはどこかに走って行った。
「おう、チョッパー。こんな所で何してんだ?」
入れ替わりにやってきたのはゾロだ。
「ゾロが何してんだよ」
「船に戻りたいんだがよ、港が全然見えねぇんだ。どこ行ったか知らねぇか?」
また、呑気な事を言うゾロに呆れる。
「港はだいぶあっちだぞ」
「グルルルル……グルルルル……」
その時、チョッパーの少し後ろから威嚇する声が聞こえてきて、ゾロもチョッパーも声の方を見た。そこにいたのは、ティナ。
「お、リスじゃねーか。へぇー、こんな所にいるんだな」
「ティナ、こいつはおれの仲間なんだ。だから威嚇する必要はないんだ」
チョッパーがどうにか宥めようとするが、ティナは威嚇をやめない。
「ゾロ、港はああ行ってこう行ったら着くから」
ゾロを追い返そうと、早口で説明しながらゾロの膝を押した。
ゾロは、渋々足を進め、暫く行った所で立ち止まった。左右に視線を走らせ首を傾げる。
「ああ行ってこう行って?……どう行きゃいいんだ?」
ゾロは勘を頼りに、港とは逆の方に足を進める。
『チョッパー、人間の仲間だったの?』
「ああ、うん。でもあいつら悪い奴じゃないんだ」
『人間に良いも悪いもないわ。私達にとって敵なのよ』
ティナは今にも泣きそうな悲しい表情を浮かべている。そんなティナを見て、ドクターに会う前の事を思い出していた。
『でも変よ。チョッパーは動物なのに、人間の仲間なんて……』
そう言うティナに、自分の気持ちを伝えていく。
「おれも最初そう思ってた。ティナの言う通り変だって。おれは、トナカイなのに青っ鼻だし、人間の言葉も話せる。ヒトでも動物でもない化け物だ。だけど、そんなおれをルフィは"仲間"だって言ってくれたんだ。だからってわけじゃないけど、ティナにも良い人間もいるって事知ってほしいんだ」
ティナは、チョッパーを見上げた後、俯いた。
『そう……でも、私は、すぐにそう切り替えられそうにないの。良い人間ってのに、会った事がないから……ごめんなさい』
「そうだよな……すぐには無理だよな……」
『でも、チョッパーの言う通り、良い人間もいるって希望を持ってもいいかもしれないわね』
先程までとは違う、声を弾ませたティナに、チョッパーは「そんな人間に出会えるといいな」と微笑んだ。
『これ、助けてくれたお礼。受け取って』
差し出されたのはドングリ。
「え……?」
キョトンとするチョッパー。
ドングリをプレゼントされたのは、産まれて初めての事だった。
『これ美味しいのよ』
「おれ、ドングリ食えねぇ」
チョッパーは、顔の前で手を横に振った。
『あら、美味しいのに。じゃあ私が食べちゃお』
ティナは、ドングリを頬袋に詰めた。
『ねぇチョッパー』
思い詰めたような表情で、チョッパーを見つめる。
「なんだ?」
『私達離れちゃうけど、ずっと友達でいていい?』
"友達"……
"仲間"とは違う言葉にチョッパーは嬉しくなった。
勿論答えは――
「うん。おれとティナは"友達"だ」
笑顔で答えるチョッパー。
そんなチョッパーとティナを祝うかのように、オレンジ色の夕日が木の隙間から2匹を明るく照らす。
トナカイとリス――会う事も話す事もなかったであろう2匹の友情。
これは2匹だけの秘密。
「チョッパー遅い!」
船についた途端、ナミが一喝してきた。
「お前どこ行ってたんだ?」
「船医さん嬉しそうね。何か良い事でもあったのかしら?」
「肉食ったのかずりぃぞ!」
話しかけてくる、ウソップとロビン、ルフィにチョッパーは両手で口元を隠して笑う。
「エッエッエッ。秘密だ」
「おう、戻ったか。メシにするぞ。チョッパー、ゾロ起こしてこい」
「うん!」
チョッパーはティナの事を一生忘れないだろう。
(また会いに来るから元気でいろよな)
苦手な方は注意してください
動物なので区別して夢主が話しているのは『』になっています
▽小さなお友達
メリー号は、とある島についた。
「上陸だー!肉屋あるかなぁ?」
ルフィは、船首にまたがって涎を垂らしながら、辺りをキョロキョロ見回している。
「ナミ!おれ新しい医学書が欲しいんだ。買っていいか?」
チョッパーは両手を上にあげ、つま先立ちでナミにおねだり。
「ならおれも、発明に部品がいるんだ。買っていいよな?」
ウソップも負けじと交渉する。
「あ!ずりぃぞ!おれも肉食うから金くれ!10人分!」
交渉を聞いていたルフィは、素早くナミのもとに行き、交渉開始。
チョッパーとウソップはまだしも、ルフィの交渉には耳を貸さないナミ。
「ナミさん、食材買いに行くから……って何してんだお前ら?」
サンジの目に飛び込んてきたのは、土下座をして頼んでいるルフィとウソップとチョッパーの姿。
「サンジくん、はいお金。これで食材買ってきて」
サンジの手のひらに乗せられた金額、3万ベリー。
サンジは無理だと分かっていたが――
「無茶な事を言うナミさんも素敵だー!」
と、サンジはスキップしながら降りて行った。
少しだがお金をもらえたチョッパーも、町へ行こうと船を降りようとしたその時、耳が反応した。
さわさわさわ…
(なんだ?この声……)
風に乗せられて聞こえてきた不思議な声。
チョッパーは町に行くよりも先に、不思議な声のもとに急ぐ。
さわさわさわ……
「あ、まただ……あっちかもしれないぞ」
チョッパーは声だけを頼りに、森の中に入っていく。
「おーい!」
チョッパーが呼んでみるが、返事はない。
「おかしいな……確かにこっちから……」
ムギュ
何か柔らかいものを踏んだ。
「?」
そっと足をあげて見ると、そこにはいたのはリス。
「ギャー!」
チョッパーは後退り、最悪な状況を予想しあたふたしだした。
「ど、どうしよう……い、医者ー!っておれだ!」
チョッパーは、急いで心臓が動いているか確かめる。
「はぁ……良かった……生きてた……殺したかと思った……」
安心したところで、リスの治療に入った。
「なんだこれ」
リスの後ろ足に鎖が巻きついているのを発見し、急いで、でも慎重に取り外した。血で滲んでいる傷口を治療していく。
「キュー!」
あまりの痛さに、リスが悲鳴を上げて目を覚ました。
「あ、気が付いたか?もう大丈夫だからな」
チョッパーは、ニコニコと微笑みながら、薬を薬箱にしまう。
『あ……鎖が取れてる……』
リスは不思議そうに足を眺めている。
「お前なんで鎖がついてたんだ?」
『走り回ってたら、鎖の穴に足が入っちゃって……』
恥ずかしそうにうつむき加減で話すリスに、小さく笑う。
「そうだったのか。これからは気を付けろよ」
『あなたが助けてくれたの?』
「うん。こう見えてもおれ医者なんだ」
チョッパーはちょっと威張って見せたが、リスはそれを笑って返した。
『動物なのに?ふふ、変なのー』
「変って言うな!」
『私はシマリスのティナ。よろしくね。あなたは?』
怒るチョッパーを気にしない様子で、自己紹介を始めるリス……ティナに、チョッパーもこれ以上怒る気も失せて名乗った。
「おれはチョッパー。よろしくな。お前仲間とかいないのか?1人か?」
『仲間?いない事もないけど、私達あまり集団では行動しないの。個人行動が多いのよ』
「そうなのか」
『あ、そうだ。すぐ戻ってくるからちょっと待ってて』
そう言うと、ティナはどこかに走って行った。
「おう、チョッパー。こんな所で何してんだ?」
入れ替わりにやってきたのはゾロだ。
「ゾロが何してんだよ」
「船に戻りたいんだがよ、港が全然見えねぇんだ。どこ行ったか知らねぇか?」
また、呑気な事を言うゾロに呆れる。
「港はだいぶあっちだぞ」
「グルルルル……グルルルル……」
その時、チョッパーの少し後ろから威嚇する声が聞こえてきて、ゾロもチョッパーも声の方を見た。そこにいたのは、ティナ。
「お、リスじゃねーか。へぇー、こんな所にいるんだな」
「ティナ、こいつはおれの仲間なんだ。だから威嚇する必要はないんだ」
チョッパーがどうにか宥めようとするが、ティナは威嚇をやめない。
「ゾロ、港はああ行ってこう行ったら着くから」
ゾロを追い返そうと、早口で説明しながらゾロの膝を押した。
ゾロは、渋々足を進め、暫く行った所で立ち止まった。左右に視線を走らせ首を傾げる。
「ああ行ってこう行って?……どう行きゃいいんだ?」
ゾロは勘を頼りに、港とは逆の方に足を進める。
『チョッパー、人間の仲間だったの?』
「ああ、うん。でもあいつら悪い奴じゃないんだ」
『人間に良いも悪いもないわ。私達にとって敵なのよ』
ティナは今にも泣きそうな悲しい表情を浮かべている。そんなティナを見て、ドクターに会う前の事を思い出していた。
『でも変よ。チョッパーは動物なのに、人間の仲間なんて……』
そう言うティナに、自分の気持ちを伝えていく。
「おれも最初そう思ってた。ティナの言う通り変だって。おれは、トナカイなのに青っ鼻だし、人間の言葉も話せる。ヒトでも動物でもない化け物だ。だけど、そんなおれをルフィは"仲間"だって言ってくれたんだ。だからってわけじゃないけど、ティナにも良い人間もいるって事知ってほしいんだ」
ティナは、チョッパーを見上げた後、俯いた。
『そう……でも、私は、すぐにそう切り替えられそうにないの。良い人間ってのに、会った事がないから……ごめんなさい』
「そうだよな……すぐには無理だよな……」
『でも、チョッパーの言う通り、良い人間もいるって希望を持ってもいいかもしれないわね』
先程までとは違う、声を弾ませたティナに、チョッパーは「そんな人間に出会えるといいな」と微笑んだ。
『これ、助けてくれたお礼。受け取って』
差し出されたのはドングリ。
「え……?」
キョトンとするチョッパー。
ドングリをプレゼントされたのは、産まれて初めての事だった。
『これ美味しいのよ』
「おれ、ドングリ食えねぇ」
チョッパーは、顔の前で手を横に振った。
『あら、美味しいのに。じゃあ私が食べちゃお』
ティナは、ドングリを頬袋に詰めた。
『ねぇチョッパー』
思い詰めたような表情で、チョッパーを見つめる。
「なんだ?」
『私達離れちゃうけど、ずっと友達でいていい?』
"友達"……
"仲間"とは違う言葉にチョッパーは嬉しくなった。
勿論答えは――
「うん。おれとティナは"友達"だ」
笑顔で答えるチョッパー。
そんなチョッパーとティナを祝うかのように、オレンジ色の夕日が木の隙間から2匹を明るく照らす。
トナカイとリス――会う事も話す事もなかったであろう2匹の友情。
これは2匹だけの秘密。
「チョッパー遅い!」
船についた途端、ナミが一喝してきた。
「お前どこ行ってたんだ?」
「船医さん嬉しそうね。何か良い事でもあったのかしら?」
「肉食ったのかずりぃぞ!」
話しかけてくる、ウソップとロビン、ルフィにチョッパーは両手で口元を隠して笑う。
「エッエッエッ。秘密だ」
「おう、戻ったか。メシにするぞ。チョッパー、ゾロ起こしてこい」
「うん!」
チョッパーはティナの事を一生忘れないだろう。
(また会いに来るから元気でいろよな)