☆チョッパー、親になる ※夢主は子供です
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
▽誕生日
「ナミさんナミさん」
「なぁに?」
ダイニングで、新聞のページを捲りながら生返事するナミ。
「ゆき降る?」
「え……雪?」
突然の質問に、新聞からティナへと視線をずらした。
今はグランドラインを航海中の為、雪が降る可能性も低くはない。
甲板に出て流れ行く雲や風、気圧などで天候を感じ取る。
「残念。当分快晴ね」
「かいせー?」
「晴れよ。は、れ」
そう言うと、ティナの表情が一転し「雪がいい!」とごねだした。
そう駄々をこねられても、さすがのナミにも天候など操れない。
「そんな事言われても雪降らないんだもん!しょうがないでしょ!」
「やぁーだぁー!空からふってるの見たいー!空からふってくる雪は、それはとてもとてもげんそーてきでしたー!」
地団駄を踏みながら突然説明口調で言われたそれに、どこかで聞いた事があり、記憶を引っ張り出す。
寝る前に読んであげる絵本に、そう書いてあったのを思い出した。時に絵本は、余計な知識を与えてくれるものだ。
駄々が続くようであれば、技を応用して雪を作れないか考えたけれど、それで納得しない事が分かった。
ティナは、床に寝そべってゴロゴロと転がっている。
「あ、そうだ。ねぇティナ、雪よりいい事があるんだけど」
「いい事?なぁに?」
転がっていた体を止めて、立ち上がってナミに近寄ると、ナミは体を縮めてティナの耳に口元を近付けた。
「あのね……」
「チョッパーの!?」
「しー!声でかい」
意外にも大声をあげて驚いたので、慌ててティナの口を手で塞ぎ、チョッパーがいないか辺りを見回した。いない事に安堵し、その口から手を離す。
「チョッパーには内緒よ」
「ないしょね、しーっ」
「そうそう。しー」
雪を忘れられる事があって良かった、と息をついた。
「ねぇナミさん。何したらいい?」
「そうねぇ、ここじゃなんだから女部屋行きましょ」
ティナの手を引き、女部屋に向かった。
その頃チョッパーは、アクアリウムバーで折り紙の練習をしていた。
「出来たぞ。ロビン見てくれ」
近くで本を読んでいたロビンに、今しがた折れたそれを得意気に見せるチョッパー。
「あら、ゾウね。ティナにあげるの?」
「エッエッエッ。そうなんだ。喜んでくれるかな?」
「えぇ、きっと」
「ロビン、この事ティナには内緒だぞ。プレゼントするんだ」
次は何にしようかと、折り紙の本のページを捲っていくチョッパーの姿をロビンは微笑ましく見ていた。
「ティナちゃん、ここはこうやってやったら簡単だぜ」
「わっすごー!さすがサンジくん」
少し休憩しようとダイニングに行けば、ダイニングに漂っている甘い匂い。
サンジの手元を見ているティナに声をかけた。
「ティナ、何してるんだ?お菓子作りか?」
ビクッと肩を震わせたティナは、慌てて椅子から下りた。すると、何故かダイニングから押し出されてしまったのだ。
「チョッパーはダメ!あっち行って!」
思いもよらない反応に、思考がついていかない。
閉まったダイニングのドアの前で、呆然と立ち尽くす。徐々に、ティナに追い出された事を認識し、肩を落とす。
初めてティナに突き放され、ショックを隠しきれず、医務室に行きベッドに横になった。
「はぁー……あっち行って、か……」
思春期や反抗期というやつなのだろうか。
ティナからの拒絶がこんなにも心を抉り、空虚感に襲われるとは思いもしなかった。
流れ落ちそうになる涙を拭い、机に広げた折り紙と折り紙の本に視線をやる。そして、何かを決意したように机に向かった。
「ティナちゃん、チョッパーにメシだって伝えてきてくれねぇか?」
サンジに言われ、元気よく返事するとダイニングを飛び出して、チョッパーがいる医務室のドアを開けた。
「チョッパー?あのねぇ、サンジくんが――」
「後で行くよ。それとティナはこの中に入ったらダメだからな」
なんで?と聞きたそうに首を傾げるティナに、「一人にしてくれ」と伝え、部屋から追い出した。
突き放されたティナは、医務室のドアを見つめたまま呆然とする。
『ティナは入ったらダメ』というチョッパーのセリフが脳裏を駆け巡り、服の裾を握りしめる。
目から滝のような涙が溢れ出て、声を上げて泣きながらダイニングへと引き返した。
「チョッバーにぎやわえだー……」
ナミの膝の上で泣きじゃくるティナ。
「嫌ってんじゃないわよ。拗ねてんの」
よしよしとその背を撫で、慰めるけれどなかなか泣きやまない。
ダイニングに来たチョッパーも、泣いているティナを見ても特に声もかけず、先にご飯を食べ始めた。
その様子を見ていたナミとサンジは、顔を合わせて困ったように肩を竦める。
翌日、ナミとロビンの口添えもあり、チョッパーから嫌われてない事を知ったティナは、続きをサンジに教えてもらう事にした。
そして、チョッパーとティナが待ちに待った12月24日。
それぞれ準備は万端な様子。
テーブルに並ぶいつもより豪華な食卓と、ダイニングを彩る飾り付け。
「島に着けなかったのが残念だけど、これだけ出来れば十分ね」
「ティナがよく動いてくれたから助かったぜ。ありがとよ」
「んー!すーぱー!」
フランキーに褒められ、ポーズを決めるティナ。
そして9人全員揃って、ジョッキやグラスを掲げる。
「チョッパー誕生日おめでとう!」
「みんなありがとな」
みんなからチョッパーにプレゼントが手渡され、ティナの番が来た。
「チョッパー……これ、私から!デス……」
小さな箱の中を開けてみると、少し歪な形のカップケーキが一つ入っていた。
「……ティナが作ったのか?」
気恥しそうに頷くのを見て、チョッパーは胸が熱くなり泣きそうになった。
「ありがとな。俺からもあるんだ」
「え!私に?」
渡された巾着袋の中には、たくさんの動物や花の折り紙。綺麗に折れているその動物達に目を輝かせる。
「ティナと仲直りしたくてたくさん折ったんだ」
「ありがとう!チョッパー大好きー!」
「俺も大好きだ!」
ぎゅーっと抱きしめ合う二人を見て、暖かな気持ちになるクルー。
「チョッパーおめでとう。これからもよろしくね!」
「うん!俺の方こそよろしくな!」
顔を合わせて笑う二人は、今日も仲良し。
「ナミさんナミさん」
「なぁに?」
ダイニングで、新聞のページを捲りながら生返事するナミ。
「ゆき降る?」
「え……雪?」
突然の質問に、新聞からティナへと視線をずらした。
今はグランドラインを航海中の為、雪が降る可能性も低くはない。
甲板に出て流れ行く雲や風、気圧などで天候を感じ取る。
「残念。当分快晴ね」
「かいせー?」
「晴れよ。は、れ」
そう言うと、ティナの表情が一転し「雪がいい!」とごねだした。
そう駄々をこねられても、さすがのナミにも天候など操れない。
「そんな事言われても雪降らないんだもん!しょうがないでしょ!」
「やぁーだぁー!空からふってるの見たいー!空からふってくる雪は、それはとてもとてもげんそーてきでしたー!」
地団駄を踏みながら突然説明口調で言われたそれに、どこかで聞いた事があり、記憶を引っ張り出す。
寝る前に読んであげる絵本に、そう書いてあったのを思い出した。時に絵本は、余計な知識を与えてくれるものだ。
駄々が続くようであれば、技を応用して雪を作れないか考えたけれど、それで納得しない事が分かった。
ティナは、床に寝そべってゴロゴロと転がっている。
「あ、そうだ。ねぇティナ、雪よりいい事があるんだけど」
「いい事?なぁに?」
転がっていた体を止めて、立ち上がってナミに近寄ると、ナミは体を縮めてティナの耳に口元を近付けた。
「あのね……」
「チョッパーの!?」
「しー!声でかい」
意外にも大声をあげて驚いたので、慌ててティナの口を手で塞ぎ、チョッパーがいないか辺りを見回した。いない事に安堵し、その口から手を離す。
「チョッパーには内緒よ」
「ないしょね、しーっ」
「そうそう。しー」
雪を忘れられる事があって良かった、と息をついた。
「ねぇナミさん。何したらいい?」
「そうねぇ、ここじゃなんだから女部屋行きましょ」
ティナの手を引き、女部屋に向かった。
その頃チョッパーは、アクアリウムバーで折り紙の練習をしていた。
「出来たぞ。ロビン見てくれ」
近くで本を読んでいたロビンに、今しがた折れたそれを得意気に見せるチョッパー。
「あら、ゾウね。ティナにあげるの?」
「エッエッエッ。そうなんだ。喜んでくれるかな?」
「えぇ、きっと」
「ロビン、この事ティナには内緒だぞ。プレゼントするんだ」
次は何にしようかと、折り紙の本のページを捲っていくチョッパーの姿をロビンは微笑ましく見ていた。
「ティナちゃん、ここはこうやってやったら簡単だぜ」
「わっすごー!さすがサンジくん」
少し休憩しようとダイニングに行けば、ダイニングに漂っている甘い匂い。
サンジの手元を見ているティナに声をかけた。
「ティナ、何してるんだ?お菓子作りか?」
ビクッと肩を震わせたティナは、慌てて椅子から下りた。すると、何故かダイニングから押し出されてしまったのだ。
「チョッパーはダメ!あっち行って!」
思いもよらない反応に、思考がついていかない。
閉まったダイニングのドアの前で、呆然と立ち尽くす。徐々に、ティナに追い出された事を認識し、肩を落とす。
初めてティナに突き放され、ショックを隠しきれず、医務室に行きベッドに横になった。
「はぁー……あっち行って、か……」
思春期や反抗期というやつなのだろうか。
ティナからの拒絶がこんなにも心を抉り、空虚感に襲われるとは思いもしなかった。
流れ落ちそうになる涙を拭い、机に広げた折り紙と折り紙の本に視線をやる。そして、何かを決意したように机に向かった。
「ティナちゃん、チョッパーにメシだって伝えてきてくれねぇか?」
サンジに言われ、元気よく返事するとダイニングを飛び出して、チョッパーがいる医務室のドアを開けた。
「チョッパー?あのねぇ、サンジくんが――」
「後で行くよ。それとティナはこの中に入ったらダメだからな」
なんで?と聞きたそうに首を傾げるティナに、「一人にしてくれ」と伝え、部屋から追い出した。
突き放されたティナは、医務室のドアを見つめたまま呆然とする。
『ティナは入ったらダメ』というチョッパーのセリフが脳裏を駆け巡り、服の裾を握りしめる。
目から滝のような涙が溢れ出て、声を上げて泣きながらダイニングへと引き返した。
「チョッバーにぎやわえだー……」
ナミの膝の上で泣きじゃくるティナ。
「嫌ってんじゃないわよ。拗ねてんの」
よしよしとその背を撫で、慰めるけれどなかなか泣きやまない。
ダイニングに来たチョッパーも、泣いているティナを見ても特に声もかけず、先にご飯を食べ始めた。
その様子を見ていたナミとサンジは、顔を合わせて困ったように肩を竦める。
翌日、ナミとロビンの口添えもあり、チョッパーから嫌われてない事を知ったティナは、続きをサンジに教えてもらう事にした。
そして、チョッパーとティナが待ちに待った12月24日。
それぞれ準備は万端な様子。
テーブルに並ぶいつもより豪華な食卓と、ダイニングを彩る飾り付け。
「島に着けなかったのが残念だけど、これだけ出来れば十分ね」
「ティナがよく動いてくれたから助かったぜ。ありがとよ」
「んー!すーぱー!」
フランキーに褒められ、ポーズを決めるティナ。
そして9人全員揃って、ジョッキやグラスを掲げる。
「チョッパー誕生日おめでとう!」
「みんなありがとな」
みんなからチョッパーにプレゼントが手渡され、ティナの番が来た。
「チョッパー……これ、私から!デス……」
小さな箱の中を開けてみると、少し歪な形のカップケーキが一つ入っていた。
「……ティナが作ったのか?」
気恥しそうに頷くのを見て、チョッパーは胸が熱くなり泣きそうになった。
「ありがとな。俺からもあるんだ」
「え!私に?」
渡された巾着袋の中には、たくさんの動物や花の折り紙。綺麗に折れているその動物達に目を輝かせる。
「ティナと仲直りしたくてたくさん折ったんだ」
「ありがとう!チョッパー大好きー!」
「俺も大好きだ!」
ぎゅーっと抱きしめ合う二人を見て、暖かな気持ちになるクルー。
「チョッパーおめでとう。これからもよろしくね!」
「うん!俺の方こそよろしくな!」
顔を合わせて笑う二人は、今日も仲良し。
16/16ページ