☆チョッパー、親になる ※夢主は子供です
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▽秘密の授業
夜が更け行くサニー号。
明かりが灯るリビングに向かう一つの小さな影。
「こんなもんかな?」
サンジは、明日の仕込みもひと段落終え一服していた。
その時ダイニングのドアがゆっくりと開いた。
なんの気配も感じなかったサンジは身構える。
「サンジくーん、おはよー」
顔を出したのがティナで、張っていた気が一気に抜けた。
「ティナちゃん、どうした?まだおはようには早い時間だぜ」
「寝れないのー」
パジャマの裾を持ち、ぐずるように上半身を左右に振る。その姿が可愛くて、サンジはだらしなく脂下がる。
「ココア飲むかい?」
「のむー」
ぴょんぴょんと頭に両手をつけてウサギ跳びで椅子まで移動し、よじ登って座る。
サンジがココアを用意する音を聞きながら、ティナは常日頃から思っていた事を口にした。
「ねぇサンジくん。なんでサンジくんは、ナミさんやロビンちゃんを見ると、目がハートになるの?」
「愛だ!二人をクソ愛してるから勝手に目がこうハートに」
キッチンから顔を覗かせたサンジの目が一瞬にしてハートに変わった。
「すごっ!ねぇ愛ってなぁに?」
「愛かぁ……説明するのクソ難しいな……」
愛に生きるサンジでも、それを問われ説明しろと言われればどう言語化するか考えてしまう。
しかも相手は子供。
真剣に悩むサンジを見て、ティナも同じように腕を組んで悩む……真似をする。
やかんが音を立てて湯が沸いた事を知らせると、サンジはカップに注いだ。
「はい、お待たせしましたリトルプリンセス。熱いから気を付けな」
「ありがとー」
目の前に置かれたカップが湯気を燻らす。
「ティナちゃん、恋愛って知ってる?」
初めて聞く言葉に首を傾げると、サンジは向かいに腰を下ろした。
こんな機会はそうない。
まだ5歳といえど、いずれ恋愛や恋心について知る日が来る。
丁度いい機会だと、サンジは話す事にした。
「夜だから、ティナちゃんに特別教えてあげよう」
サンジとティナの秘密の特別授業が始まった。
「恋愛を知るには、まず相手を好きっていう感情を知らなきゃならない。『好き』って感情はひどく尊いものなんだ。きっかけなんてどこにでも落ちている。それを育み、大きく実らせ、やがてそれは枯れていったり、成長を遂げたり。気付けばその人の事を考えていて、この人といつまでも一緒にいたい。この人と一緒にいたら毎日が――」
「なに言ってるのかわかんない」
話の途中でそう遮られ、項垂れる。
やはり、この話題は早すぎたかと、恋愛話はもう少し大きくなってから仕切り直そうとしたが――
「私サンジくん好きー。れんあいだねー」
そう言われ、この話が飽きたわけではないのかと思い直し、再び特別授業の続きに入る。
「おれもティナちゃんの事クソ好きだぜ。だけどそれは恋愛とは違う」
「なんで?れんあいだよー」
今の説明だけだと、そうなるのも無理はない。
サンジはもっと分かりやすく説明する事にした。
「例えば、おれ達2人が好き合っていたとしよう。告白が成功したら『恋人』という形に変わるんだ」
「こいびと……?」
また新たに聞いた事のない言葉が出てきて、首を傾げる。
「恋人とは、好き合った者同士だけが親密になれる特別な関係の事を言うんだけど……うーん、そうだなぁ……一般的にいえば、おれと一緒にいて心臓がドキドキしたり、顔に熱持ったり、きょど……あー……どうしていいか分からなくなったり、ずっとこの人と一緒にいたいとか、色々思ったら恋してるって事なんだけど」
「ならない」
「だよね……」
予想はしていたが、ハッキリと言い切られると複雑だ。とはいえ、ティナになるよと言われても同じように困っただろう。
女の子は皆好きなサンジでも、さすがに齢1桁は恋愛対象には入らない。
「サンジくんはナミさんに恋してるの?」
「あぁ、もうおれはナミさんの事しか頭にないさ。将来ナミさんとの子供欲しいなー。クソ可愛いんだろうなー」
サンジはナミとの子供を頭に描き、顔はデレデレになっている。
「サンジくん?」
「パパーって呼ばれたいなー」
脳内妄想が口から出ている為、サンジの妄想を現実にしてあげる事にした。
「パパー!」
「はぁい、なんでちゅか?パパで――……」
我に返ったサンジは言葉を切るしかない。目の前には初めて見る、引いたティナの顔。
自分が今、何を口走ったか考えたくも、思い出したくもない。気まずい空気を追い払う為、咳払いを一つ。
「話を戻すけど、恋人はギューって抱き合ったりチューしたり、手を繋いだり腕を組んだりして散歩するんだぜ」
「楽しそう!サンジくんは、ナミさんとこいびと?なの?」
「残念ながら、おれは仲間さ。恐らく、この先も、ナミさんの心がおれに向かない限り仲間なんだ。でも、おれはそれでもナミさんを愛し続ける。それでもいいんだ。だって、おれは例え仲間でもナミさんのそばにいれる事に幸せを感じているから。きっとこれは神様が与えた愛の試練!ナミさんだけじゃない、おれはロビンちゃんも護る使命がある。いや、この世の中にいるレディは全ておれが――」
「ながいよー!」
「あ、はい」
「早くこいびとの続き!」
また話が逸れていくサンジを軌道修正する。
「どこまで話たかな?えーっと……あ、それから恋人は、一緒に買い物行ったり食べさせ合ったり……」
サンジの授業は、ティナが眠たくなるまで語られた。
夜が更け行くサニー号。
明かりが灯るリビングに向かう一つの小さな影。
「こんなもんかな?」
サンジは、明日の仕込みもひと段落終え一服していた。
その時ダイニングのドアがゆっくりと開いた。
なんの気配も感じなかったサンジは身構える。
「サンジくーん、おはよー」
顔を出したのがティナで、張っていた気が一気に抜けた。
「ティナちゃん、どうした?まだおはようには早い時間だぜ」
「寝れないのー」
パジャマの裾を持ち、ぐずるように上半身を左右に振る。その姿が可愛くて、サンジはだらしなく脂下がる。
「ココア飲むかい?」
「のむー」
ぴょんぴょんと頭に両手をつけてウサギ跳びで椅子まで移動し、よじ登って座る。
サンジがココアを用意する音を聞きながら、ティナは常日頃から思っていた事を口にした。
「ねぇサンジくん。なんでサンジくんは、ナミさんやロビンちゃんを見ると、目がハートになるの?」
「愛だ!二人をクソ愛してるから勝手に目がこうハートに」
キッチンから顔を覗かせたサンジの目が一瞬にしてハートに変わった。
「すごっ!ねぇ愛ってなぁに?」
「愛かぁ……説明するのクソ難しいな……」
愛に生きるサンジでも、それを問われ説明しろと言われればどう言語化するか考えてしまう。
しかも相手は子供。
真剣に悩むサンジを見て、ティナも同じように腕を組んで悩む……真似をする。
やかんが音を立てて湯が沸いた事を知らせると、サンジはカップに注いだ。
「はい、お待たせしましたリトルプリンセス。熱いから気を付けな」
「ありがとー」
目の前に置かれたカップが湯気を燻らす。
「ティナちゃん、恋愛って知ってる?」
初めて聞く言葉に首を傾げると、サンジは向かいに腰を下ろした。
こんな機会はそうない。
まだ5歳といえど、いずれ恋愛や恋心について知る日が来る。
丁度いい機会だと、サンジは話す事にした。
「夜だから、ティナちゃんに特別教えてあげよう」
サンジとティナの秘密の特別授業が始まった。
「恋愛を知るには、まず相手を好きっていう感情を知らなきゃならない。『好き』って感情はひどく尊いものなんだ。きっかけなんてどこにでも落ちている。それを育み、大きく実らせ、やがてそれは枯れていったり、成長を遂げたり。気付けばその人の事を考えていて、この人といつまでも一緒にいたい。この人と一緒にいたら毎日が――」
「なに言ってるのかわかんない」
話の途中でそう遮られ、項垂れる。
やはり、この話題は早すぎたかと、恋愛話はもう少し大きくなってから仕切り直そうとしたが――
「私サンジくん好きー。れんあいだねー」
そう言われ、この話が飽きたわけではないのかと思い直し、再び特別授業の続きに入る。
「おれもティナちゃんの事クソ好きだぜ。だけどそれは恋愛とは違う」
「なんで?れんあいだよー」
今の説明だけだと、そうなるのも無理はない。
サンジはもっと分かりやすく説明する事にした。
「例えば、おれ達2人が好き合っていたとしよう。告白が成功したら『恋人』という形に変わるんだ」
「こいびと……?」
また新たに聞いた事のない言葉が出てきて、首を傾げる。
「恋人とは、好き合った者同士だけが親密になれる特別な関係の事を言うんだけど……うーん、そうだなぁ……一般的にいえば、おれと一緒にいて心臓がドキドキしたり、顔に熱持ったり、きょど……あー……どうしていいか分からなくなったり、ずっとこの人と一緒にいたいとか、色々思ったら恋してるって事なんだけど」
「ならない」
「だよね……」
予想はしていたが、ハッキリと言い切られると複雑だ。とはいえ、ティナになるよと言われても同じように困っただろう。
女の子は皆好きなサンジでも、さすがに齢1桁は恋愛対象には入らない。
「サンジくんはナミさんに恋してるの?」
「あぁ、もうおれはナミさんの事しか頭にないさ。将来ナミさんとの子供欲しいなー。クソ可愛いんだろうなー」
サンジはナミとの子供を頭に描き、顔はデレデレになっている。
「サンジくん?」
「パパーって呼ばれたいなー」
脳内妄想が口から出ている為、サンジの妄想を現実にしてあげる事にした。
「パパー!」
「はぁい、なんでちゅか?パパで――……」
我に返ったサンジは言葉を切るしかない。目の前には初めて見る、引いたティナの顔。
自分が今、何を口走ったか考えたくも、思い出したくもない。気まずい空気を追い払う為、咳払いを一つ。
「話を戻すけど、恋人はギューって抱き合ったりチューしたり、手を繋いだり腕を組んだりして散歩するんだぜ」
「楽しそう!サンジくんは、ナミさんとこいびと?なの?」
「残念ながら、おれは仲間さ。恐らく、この先も、ナミさんの心がおれに向かない限り仲間なんだ。でも、おれはそれでもナミさんを愛し続ける。それでもいいんだ。だって、おれは例え仲間でもナミさんのそばにいれる事に幸せを感じているから。きっとこれは神様が与えた愛の試練!ナミさんだけじゃない、おれはロビンちゃんも護る使命がある。いや、この世の中にいるレディは全ておれが――」
「ながいよー!」
「あ、はい」
「早くこいびとの続き!」
また話が逸れていくサンジを軌道修正する。
「どこまで話たかな?えーっと……あ、それから恋人は、一緒に買い物行ったり食べさせ合ったり……」
サンジの授業は、ティナが眠たくなるまで語られた。