映画に行きませんか(学パロ)
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ドッドッドッドッドッ
私の心臓は今、こんな音を立てている。
涙腺が緩み、額に汗が滲み出ていて、呼吸の仕方を忘れる程緊張しきっている。
「はぁー……」
長く深い息を吐いて、冷静さを取り戻そうとしてみたが失敗。
今、上映中の『えいりあんVSやくざ』のパンフレットを読んでいる土方くんを見て、これはチャンスだと、話しかけるのは今しかないと思っているわけだが、私は何をやっているのか。
「紗羽、まだ誘えてないアルか?」
弁当に入っているタコ様ウインナーをフォークで刺して、口に運んだ神楽。
「さっさと誘えヨ」
そしてまたブスッと刺して口の中へ。
「うるさいな。分かってんだけど、私には心の準備がいるんです」
「紗羽は一体、何日かければ心の準備が出来るアルか?もう1週間経ったアルよ」
唾と一緒に、ウインナーの食べくずも飛ばしながら話され、それらは全て私の所に飛んでくる。
そして、何個目か分からないウインナーを口に放り込んだ。
飛んできたそれをティッシュで拭いながら、「うるさいなぁ」と少しの怒気を含めて返す。
フォークがウインナーに突き刺さった音がやけに大きく聞こえ、そろりと視線を神楽に滑らせていく。
「心配してやってんのに何アルか!その言い草はァァ!」
「ああああ!ごめ、ごめんなさいぃぃ……」
ウインナーを頬に突きつけられ、油のベタベタが不快だ。ふん、と鼻を鳴らしてそれを口にいれ、咀嚼している。油でベタベタの頬をティッシュで拭う。
誘いたい気持ちはあるのに、どうしても土方くんを前にすると緊張で押し潰されそうになって、話しかけられない。
モタモタしている間に上映が終わってしまいそうだ。
「なんて誘ったらいいと思う?」
「知らないアルヨ。付き合えっつって引きずってけヨ」
「そんな事出来るならここまで悩んでないよ」
「じゃあ私が言ってやるネ。おーい!マヨ――」
「うわあああ!やめんかァァァ!」
咄嗟にその口を両手で塞いだ。
幸いにも、土方くんには気付かれていないようで安心した。
「そ、そういうのは自分でやるから。アドバイスだけ欲しいの」
「じゃあさっさと言えヨ、ウスノロ。私からのアドバイスはそんだけネ」
「あっ、はい……」
冷ややかな視線が向けられ、体を小さくさせる。
ここで怖気付いていても時間が経つばかり。
翌日、意を決して土方くんを映画に誘った。
「ひっ、土方くん、あの……いっ、一緒に、えいりあんの映画、見に行かない?」
「わりぃ、もう行った」
「あ、あー……そっか……ならいいんだ、うん、はい。じゃあ……」
嗚呼、心の準備に時間をかけすぎた!クソー!
私の心臓は今、こんな音を立てている。
涙腺が緩み、額に汗が滲み出ていて、呼吸の仕方を忘れる程緊張しきっている。
「はぁー……」
長く深い息を吐いて、冷静さを取り戻そうとしてみたが失敗。
今、上映中の『えいりあんVSやくざ』のパンフレットを読んでいる土方くんを見て、これはチャンスだと、話しかけるのは今しかないと思っているわけだが、私は何をやっているのか。
「紗羽、まだ誘えてないアルか?」
弁当に入っているタコ様ウインナーをフォークで刺して、口に運んだ神楽。
「さっさと誘えヨ」
そしてまたブスッと刺して口の中へ。
「うるさいな。分かってんだけど、私には心の準備がいるんです」
「紗羽は一体、何日かければ心の準備が出来るアルか?もう1週間経ったアルよ」
唾と一緒に、ウインナーの食べくずも飛ばしながら話され、それらは全て私の所に飛んでくる。
そして、何個目か分からないウインナーを口に放り込んだ。
飛んできたそれをティッシュで拭いながら、「うるさいなぁ」と少しの怒気を含めて返す。
フォークがウインナーに突き刺さった音がやけに大きく聞こえ、そろりと視線を神楽に滑らせていく。
「心配してやってんのに何アルか!その言い草はァァ!」
「ああああ!ごめ、ごめんなさいぃぃ……」
ウインナーを頬に突きつけられ、油のベタベタが不快だ。ふん、と鼻を鳴らしてそれを口にいれ、咀嚼している。油でベタベタの頬をティッシュで拭う。
誘いたい気持ちはあるのに、どうしても土方くんを前にすると緊張で押し潰されそうになって、話しかけられない。
モタモタしている間に上映が終わってしまいそうだ。
「なんて誘ったらいいと思う?」
「知らないアルヨ。付き合えっつって引きずってけヨ」
「そんな事出来るならここまで悩んでないよ」
「じゃあ私が言ってやるネ。おーい!マヨ――」
「うわあああ!やめんかァァァ!」
咄嗟にその口を両手で塞いだ。
幸いにも、土方くんには気付かれていないようで安心した。
「そ、そういうのは自分でやるから。アドバイスだけ欲しいの」
「じゃあさっさと言えヨ、ウスノロ。私からのアドバイスはそんだけネ」
「あっ、はい……」
冷ややかな視線が向けられ、体を小さくさせる。
ここで怖気付いていても時間が経つばかり。
翌日、意を決して土方くんを映画に誘った。
「ひっ、土方くん、あの……いっ、一緒に、えいりあんの映画、見に行かない?」
「わりぃ、もう行った」
「あ、あー……そっか……ならいいんだ、うん、はい。じゃあ……」
嗚呼、心の準備に時間をかけすぎた!クソー!
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