恋愛も人それぞれ
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ドSと言えば沖田。
沖田と言えばドS。
何を隠そう、私は沖田さんに憧れている。
瓦版で見る沖田さんは、いつもかっこいい。
調べた所によれば、真選組随一の剣の使いなんだとか。そして、何よりドS。私のドM心が疼いて仕方がない。
『おきた』や『そうご』という単語を聞いただけでも、発情してしまう。そう、例えば『昼過ぎに"起きた"』という話だったとしても、『総合病院』の『"そうご"』という所に反応して、沖田さんの話かなと思う所まで達している。沖田さんへの愛は誰にも止められない。止められてたまるか。
沖田さんに「このメス豚!」と罵られたい。命令されたい。命令に従った後に、褒められたい。もし、そんな事をされたらどれだけ素敵な事だろう。
想像しただけでも、背筋にゾクゾクと甘い戦慄が走り、興奮する。
しかし、残念ながら、私はただのしがない町娘。
相手は、特殊武装警察、真選組。
テロリストや攘夷浪士でないと、真選組や沖田さんと繋がれない。だが、そんな物騒な者になる勇気も力もなかった。
沖田さんに想いを寄せて、恋焦がれて年月が経ったある日、事件が沖田。いや、起きた。
その出会いは偶然だった。
好きな人に会えるおまじないをしたのが、功を成したのだろう。
「あのおまじないイケる!」
今日も元気に、破壊活動に勤しむ沖田さん。
いつ見ても爽やか。イケメン。眼福。
このチャンスを逃す手はないと、思い切って声をかけてみる事にした。
緊張を深呼吸で払って、咳払いをしてその名を呼ぶ。
「お、沖田さん」
「ん?誰でィ?」
喋った!どうしよ!嬉しい!泣きそう!
緊張と歓喜で、心臓がバクバク音を立てている。緩む涙腺。
バズーカの砲口が、目の前にあるのは気にしない。
「こちとら暇じゃねーんだ。さっさと言え」
「あ、あの!私矢浪紗羽って言います!あなたの犬にしてください!」
あ、違った。セリフ間違えた。握手してくださいって言うはずだったのに、願望がダダ漏れになってしまった。興奮しすぎた。穴があったら入りたい。いや、沖田さんのを私の穴に……
「3回回ってワン。やれ」
頭の中で悶絶していると、沖田さんの命令が聞こえてきた。
「え……」
「3回回ってワンをやれって言ったんでィ。さっさとやれ」
蔑む眼差しで見られて、心臓がギュッと甘く締め付けられた。
「はい!」
忠実に3回回ってワンと言ったが、沖田さんが目の前からいなくなっている。
不思議に思い辺りを見回せば、近くにある団子屋にいた。
――ほうちぷれい
この6文字が私の脳裏を占めた。
ゾクゾクと背筋に甘い戦慄が走る。
「沖田さんんん!」
行き交う人にぶつかるのも気にせず、団子屋のベンチに座って、団子待ちの沖田さんに駆け寄った。
「沖田さん、あの……3回回ってワンやりました」
「見てなかった。もっかいやれ」
そう報告をするが、こっちを見ずにされた命令に従う。
「はいよ、団子。お待ちどうさん」
ワンと鳴いたと同時に、団子が運ばれてきた。
勿論、沖田さんの目は私に向いていない。
1人で団子を食べている沖田さんの横顔を、うっとりと眺める。
咀嚼している姿も素敵だ。
「あーヤベッ。落としちまった……もったいねェし、誰か食ってくんねーかな」
地面に落ちた団子は、砂まみれ。
沖田さんは、誰か食ってくんねーかなと言いながら、視線が私に向いている。
私は、その場にしゃがんで、地面に落ちた団子を見た。
こ、これは……まさか……!
私が完璧な犬になれるよう、沖田さんがわざと演出してくださったんじゃ……!自分の団子を犠牲にしてまで、私の為に……!なんていい人なんだ……!
「ありがとうございます!私、あなたの忠犬になります!第2のハチになってみせます!」
「おすわり」
「え?」
「なんでィ。犬の癖におすわりも出来ねーのか。躾がなってねー犬だな」
ハッとして、慌てて犬のように座った。
「お手」
差し出された右手に右手を乗せようとして、思わず止めてしまった。沖田さんの手に、自ら触れるのは難易度が高過ぎる。
沖田さんの手に触ってしまったら、後戻り出来なくなってしまう。もう一生手が洗えなく――
「お手も出来ねーのか。お手はこうだ。覚えろ」
沖田さん自ら、私の手を掴んでその手の平に乗せたのだ。一生右手を洗えないのが決まってしまった。
思ったよりも暖かく、そして少しかさついた、私より大きな手に触れられて、心臓を吐き出しそうになる。
「よし」と言われて、その場に四つん這いになって、犬のように団子に口を近付けた。砂利がついた団子を食べる私を、満足そうに見ている沖田さんと目が合う。
「おばちゃんご馳走さん。オイ紗羽帰るぜ」
沖田さんが私の名前を……!私の名前ををを!うわああああ!ど、どうしよ!どうしよう!うわああああ!涙出そう!泣きそう!いやもう泣いてる!涙止まんないよォォ!お父さんお母さん、私を産んでくれてありがとう!沖田さんを産んでくれてありがとう!我が人生に一片の悔いなし!
「え、なっ!は!?」
沖田さんの行動に瞠目した。
だって、だって、目の前に……
「うるせーな。静かにしろィ」
いやあああ!綺麗なお顔が目の前にあるのに無理ですぅぅぅ!
沖田さんは、私に首輪をつけてくださったのだ。その時、どうしてもお顔が接近してしまう。
体に熱がこもって、体温調節が出来ない。
鼻息が荒くなっているのが分かって、沖田さんが完全に離れるまで息を止めていた。
「沖田さん、好きです、大好きです」
「俺の事はご主人様って呼べ」
その命令に、甘く痺れる体を抱き締めて悶えた。
こ、こんな生活が続くんだ。やっぱり私、ご主人様の事が好きだ!
沖田と言えばドS。
何を隠そう、私は沖田さんに憧れている。
瓦版で見る沖田さんは、いつもかっこいい。
調べた所によれば、真選組随一の剣の使いなんだとか。そして、何よりドS。私のドM心が疼いて仕方がない。
『おきた』や『そうご』という単語を聞いただけでも、発情してしまう。そう、例えば『昼過ぎに"起きた"』という話だったとしても、『総合病院』の『"そうご"』という所に反応して、沖田さんの話かなと思う所まで達している。沖田さんへの愛は誰にも止められない。止められてたまるか。
沖田さんに「このメス豚!」と罵られたい。命令されたい。命令に従った後に、褒められたい。もし、そんな事をされたらどれだけ素敵な事だろう。
想像しただけでも、背筋にゾクゾクと甘い戦慄が走り、興奮する。
しかし、残念ながら、私はただのしがない町娘。
相手は、特殊武装警察、真選組。
テロリストや攘夷浪士でないと、真選組や沖田さんと繋がれない。だが、そんな物騒な者になる勇気も力もなかった。
沖田さんに想いを寄せて、恋焦がれて年月が経ったある日、事件が沖田。いや、起きた。
その出会いは偶然だった。
好きな人に会えるおまじないをしたのが、功を成したのだろう。
「あのおまじないイケる!」
今日も元気に、破壊活動に勤しむ沖田さん。
いつ見ても爽やか。イケメン。眼福。
このチャンスを逃す手はないと、思い切って声をかけてみる事にした。
緊張を深呼吸で払って、咳払いをしてその名を呼ぶ。
「お、沖田さん」
「ん?誰でィ?」
喋った!どうしよ!嬉しい!泣きそう!
緊張と歓喜で、心臓がバクバク音を立てている。緩む涙腺。
バズーカの砲口が、目の前にあるのは気にしない。
「こちとら暇じゃねーんだ。さっさと言え」
「あ、あの!私矢浪紗羽って言います!あなたの犬にしてください!」
あ、違った。セリフ間違えた。握手してくださいって言うはずだったのに、願望がダダ漏れになってしまった。興奮しすぎた。穴があったら入りたい。いや、沖田さんのを私の穴に……
「3回回ってワン。やれ」
頭の中で悶絶していると、沖田さんの命令が聞こえてきた。
「え……」
「3回回ってワンをやれって言ったんでィ。さっさとやれ」
蔑む眼差しで見られて、心臓がギュッと甘く締め付けられた。
「はい!」
忠実に3回回ってワンと言ったが、沖田さんが目の前からいなくなっている。
不思議に思い辺りを見回せば、近くにある団子屋にいた。
――ほうちぷれい
この6文字が私の脳裏を占めた。
ゾクゾクと背筋に甘い戦慄が走る。
「沖田さんんん!」
行き交う人にぶつかるのも気にせず、団子屋のベンチに座って、団子待ちの沖田さんに駆け寄った。
「沖田さん、あの……3回回ってワンやりました」
「見てなかった。もっかいやれ」
そう報告をするが、こっちを見ずにされた命令に従う。
「はいよ、団子。お待ちどうさん」
ワンと鳴いたと同時に、団子が運ばれてきた。
勿論、沖田さんの目は私に向いていない。
1人で団子を食べている沖田さんの横顔を、うっとりと眺める。
咀嚼している姿も素敵だ。
「あーヤベッ。落としちまった……もったいねェし、誰か食ってくんねーかな」
地面に落ちた団子は、砂まみれ。
沖田さんは、誰か食ってくんねーかなと言いながら、視線が私に向いている。
私は、その場にしゃがんで、地面に落ちた団子を見た。
こ、これは……まさか……!
私が完璧な犬になれるよう、沖田さんがわざと演出してくださったんじゃ……!自分の団子を犠牲にしてまで、私の為に……!なんていい人なんだ……!
「ありがとうございます!私、あなたの忠犬になります!第2のハチになってみせます!」
「おすわり」
「え?」
「なんでィ。犬の癖におすわりも出来ねーのか。躾がなってねー犬だな」
ハッとして、慌てて犬のように座った。
「お手」
差し出された右手に右手を乗せようとして、思わず止めてしまった。沖田さんの手に、自ら触れるのは難易度が高過ぎる。
沖田さんの手に触ってしまったら、後戻り出来なくなってしまう。もう一生手が洗えなく――
「お手も出来ねーのか。お手はこうだ。覚えろ」
沖田さん自ら、私の手を掴んでその手の平に乗せたのだ。一生右手を洗えないのが決まってしまった。
思ったよりも暖かく、そして少しかさついた、私より大きな手に触れられて、心臓を吐き出しそうになる。
「よし」と言われて、その場に四つん這いになって、犬のように団子に口を近付けた。砂利がついた団子を食べる私を、満足そうに見ている沖田さんと目が合う。
「おばちゃんご馳走さん。オイ紗羽帰るぜ」
沖田さんが私の名前を……!私の名前ををを!うわああああ!ど、どうしよ!どうしよう!うわああああ!涙出そう!泣きそう!いやもう泣いてる!涙止まんないよォォ!お父さんお母さん、私を産んでくれてありがとう!沖田さんを産んでくれてありがとう!我が人生に一片の悔いなし!
「え、なっ!は!?」
沖田さんの行動に瞠目した。
だって、だって、目の前に……
「うるせーな。静かにしろィ」
いやあああ!綺麗なお顔が目の前にあるのに無理ですぅぅぅ!
沖田さんは、私に首輪をつけてくださったのだ。その時、どうしてもお顔が接近してしまう。
体に熱がこもって、体温調節が出来ない。
鼻息が荒くなっているのが分かって、沖田さんが完全に離れるまで息を止めていた。
「沖田さん、好きです、大好きです」
「俺の事はご主人様って呼べ」
その命令に、甘く痺れる体を抱き締めて悶えた。
こ、こんな生活が続くんだ。やっぱり私、ご主人様の事が好きだ!
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