ヒーローとヒロイン
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紗羽は、ソファに座って難しい表情を浮かべている。
時折、デスクでジャンプを読んでいる銀時を一瞥すると、頭が急に重くなったかのように、こてんと天井を仰ぐ。それも数分すると持ち上がり、脚を組んでまた銀時を見る。
見兼ねた銀時は、ジャンプを閉じて椅子から立ち上がると、おもむろに紗羽の隣に腰掛けた。
「なーに、どうした?俺に構ってほしいのか?ん?」
肩を抱くように後ろに手を回す。
それを嫌がりもしなければ、喜びもせずに銀時に顔を向ける。
「『ヒロインは私アル』って、神楽ちゃん言ってたよね?」
突然の疑問に、記憶を呼び起こす。
父親と一緒に、宇宙へ出て行ったとばかり思っていた神楽が、ココに戻ってくるなりそう言ったのだ。
「あぁ、言ってたな。それがどうした?」
紗羽の髪を指先で弄ぶ。
掬えば、するすると指の間から髪の毛がこぼれ落ちる。その感触に、銀時は優しく目を細めた。
紗羽はそれを気にもしないで、話を続ける。
「ヒロインが神楽ちゃんだとすると、ヒーローは誰になるのかと思って」
「そんなの俺に決まってんだろ。主人公がヒーローじゃなきゃ誰だっつー話になんだろーが」
髪の毛を梳くように撫でれば、枝毛に引っかかった。痛みを与えないように、ゆっくりと指をおろしていく。
「お前はヒロインの座に興味ねーの?」
「うん、ない」
即答された。
「オイオイ、ちったー考えるなりしろよ。俺がヒーローで紗羽がヒロイン。いい組み合わせじゃねェか」
考えているのか、いないのか、分からないといった具合に、銀時の目を見て首を軽く傾ける。
「いや、ヒロインは神楽ちゃんで決まってるのに、なんで私になってんの」
「アイツはヒロインじゃなくてゲロインだから。んで、お前はヒロインとして俺の隣にいればいいんだよ。OK?」
「ゲロインとヒロインって別なの?」
「もうそういう細けーこたァいいんだよ!何?そんなにヒロイン嫌なの?俺の隣にいたくないってか?」
それでも、難しい表情を浮かべて思考を巡らせている紗羽に、不安が生じる。
「え、何?そんな考える事?その反応ちょっと傷付くんだけど。え、嫌なの?銀さんの隣嫌なの?」
「嫌じゃないので私ヒロインやります。何かあった時はよろしくお願いしますね。ヒーローさん」
「任せとけ」
「で?ヒロインって何すればいいの?」
「なーんもしなくていいんだよ。はい、この話は終わり!」
少し声を大きくしてこの話を締めると、デスクに戻ってジャンプを手に取った。
「私がヒロインか、変なの……」
そんな呟きが耳に届き、ジャンプ越しに紗羽を見れば、うっすらと弧を描く口元。
満更でもなさそうなその表情に満足し、続きのコマに視線を落とした。そんな銀時の口角も少し上がっていた。
時折、デスクでジャンプを読んでいる銀時を一瞥すると、頭が急に重くなったかのように、こてんと天井を仰ぐ。それも数分すると持ち上がり、脚を組んでまた銀時を見る。
見兼ねた銀時は、ジャンプを閉じて椅子から立ち上がると、おもむろに紗羽の隣に腰掛けた。
「なーに、どうした?俺に構ってほしいのか?ん?」
肩を抱くように後ろに手を回す。
それを嫌がりもしなければ、喜びもせずに銀時に顔を向ける。
「『ヒロインは私アル』って、神楽ちゃん言ってたよね?」
突然の疑問に、記憶を呼び起こす。
父親と一緒に、宇宙へ出て行ったとばかり思っていた神楽が、ココに戻ってくるなりそう言ったのだ。
「あぁ、言ってたな。それがどうした?」
紗羽の髪を指先で弄ぶ。
掬えば、するすると指の間から髪の毛がこぼれ落ちる。その感触に、銀時は優しく目を細めた。
紗羽はそれを気にもしないで、話を続ける。
「ヒロインが神楽ちゃんだとすると、ヒーローは誰になるのかと思って」
「そんなの俺に決まってんだろ。主人公がヒーローじゃなきゃ誰だっつー話になんだろーが」
髪の毛を梳くように撫でれば、枝毛に引っかかった。痛みを与えないように、ゆっくりと指をおろしていく。
「お前はヒロインの座に興味ねーの?」
「うん、ない」
即答された。
「オイオイ、ちったー考えるなりしろよ。俺がヒーローで紗羽がヒロイン。いい組み合わせじゃねェか」
考えているのか、いないのか、分からないといった具合に、銀時の目を見て首を軽く傾ける。
「いや、ヒロインは神楽ちゃんで決まってるのに、なんで私になってんの」
「アイツはヒロインじゃなくてゲロインだから。んで、お前はヒロインとして俺の隣にいればいいんだよ。OK?」
「ゲロインとヒロインって別なの?」
「もうそういう細けーこたァいいんだよ!何?そんなにヒロイン嫌なの?俺の隣にいたくないってか?」
それでも、難しい表情を浮かべて思考を巡らせている紗羽に、不安が生じる。
「え、何?そんな考える事?その反応ちょっと傷付くんだけど。え、嫌なの?銀さんの隣嫌なの?」
「嫌じゃないので私ヒロインやります。何かあった時はよろしくお願いしますね。ヒーローさん」
「任せとけ」
「で?ヒロインって何すればいいの?」
「なーんもしなくていいんだよ。はい、この話は終わり!」
少し声を大きくしてこの話を締めると、デスクに戻ってジャンプを手に取った。
「私がヒロインか、変なの……」
そんな呟きが耳に届き、ジャンプ越しに紗羽を見れば、うっすらと弧を描く口元。
満更でもなさそうなその表情に満足し、続きのコマに視線を落とした。そんな銀時の口角も少し上がっていた。
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