☆空を飛んだ日に
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青い空をビュンビュン飛ぶ人間。
少女は、それを目で追っていた。
「のどかちゃんもおいでよー!」
「行けるかー!ていうか、なんで飛べんの!?体にタケコプターでも仕込んでんじゃないの!?」
叫ぶ少女、のどかの前に降りながら、「ん?竹?そんなの知らないよ。あるのかなぁ?」と呑気な事を言いながら、自分の体をぺたぺたと触っている。
あるわけないだろ、と思いながら、のどかはその空飛ぶ人間、悟天にまた少し近付いた。
自分の周りを歩くのどかを目で追いながら、小首を傾げる悟天。
(頭にも背中にも何もない)
腕を組んで疑問を口にする。
「悟天くん、なんで飛べるの?」
「舞空術を使ったら簡単に飛べるんだよ」
「ぶくー……?なにそれ?」
学校でも習わない言葉に、ただ疑問符を浮かべる。しかし悟天は、舞空術だよ!と説明する。
体内の気をコントロールして放出し浮遊するのだと言うが、何を言っているのか全く理解出来ない。
「そもそも『気』ってどうやったら分かるの?」
「え?気が分からないの?」
そんな人いるんだ、と言わんばかりに驚く悟天。
のどかは悟天に出会うまで、人が飛べるというのも知らなかったくらいだ。
舞空術だの、気だの知らないのも当たり前。
「のどかちゃんも飛びたいならぼくが連れてってあげるよ」
有無を言わさずのどかを小脇に抱えると、軽々と宙に浮いた。
「うわわわわ、怖い……怖い怖い怖い」
家や森があんなに小さく見えるなんて事、今までなかったのどかは、恐怖と興味の狭間にいた。
そして、悟天は容赦なく、もの凄いスピードで風を切っていく。
まるで、線路と安全バーのないジェットコースターに乗っているかのような感覚だ。
「落ちる……落ちる……落ちる……」
「大丈夫だよ。ぼくがついてるし」
笑顔で言い切る悟天に、のどかの顔は引きつりっぱなし。
恐怖が体を支配し、固く目を瞑るが変な浮遊感に気持ち悪くなっていく。
「のどかちゃん楽しいね」
返事がない事に気付き、急ブレーキをかけて立ち止まる。のどかの顔を覗けば、青白い顔をしていた。
「ど、どうしよ!のどかちゃん大丈夫?ごめんね」
体を大袈裟に揺らすと「うぇぇぇ……吐くぅ……」と小さい声を漏らした。
地上におりて、草の絨毯が広がるそこへ体を寝かせる。
「気持ち悪ーい……」
悟天は、近くを流れる小川で水を掬うが、指や両手を重ねた隙間から零れ落ちてしまう。
のどかの元に辿り着くまでに全ての水が零れる為、なかなか水を飲ませられない。
考えた悟天は、のどかを川の中に放り投げた。
水しぶきが舞うのも気にせず、のどかの様子を窺う。
苦しさで顔をあげたのどかは、酸素を求めるように肩で息をする。
「のどかちゃん大丈夫?」
「はぁ……はぁ……大丈夫じゃない!悟天くん酷い!普通女の子を川に落とす!?」
「えーだって上手く水掬えなかったんだもん」
人差し指と人差し指を胸の前で合わせて、口を尖らせて言う悟天に水をかけた。
「わぁ!何するんだよ!」
「言っとくけど、私高いとこダメだから」
「大丈夫だよ。すぐ慣れるから。ぼくが教えてあげるね」
「いや、もういい。トラウマになりそう」
少女は、それを目で追っていた。
「のどかちゃんもおいでよー!」
「行けるかー!ていうか、なんで飛べんの!?体にタケコプターでも仕込んでんじゃないの!?」
叫ぶ少女、のどかの前に降りながら、「ん?竹?そんなの知らないよ。あるのかなぁ?」と呑気な事を言いながら、自分の体をぺたぺたと触っている。
あるわけないだろ、と思いながら、のどかはその空飛ぶ人間、悟天にまた少し近付いた。
自分の周りを歩くのどかを目で追いながら、小首を傾げる悟天。
(頭にも背中にも何もない)
腕を組んで疑問を口にする。
「悟天くん、なんで飛べるの?」
「舞空術を使ったら簡単に飛べるんだよ」
「ぶくー……?なにそれ?」
学校でも習わない言葉に、ただ疑問符を浮かべる。しかし悟天は、舞空術だよ!と説明する。
体内の気をコントロールして放出し浮遊するのだと言うが、何を言っているのか全く理解出来ない。
「そもそも『気』ってどうやったら分かるの?」
「え?気が分からないの?」
そんな人いるんだ、と言わんばかりに驚く悟天。
のどかは悟天に出会うまで、人が飛べるというのも知らなかったくらいだ。
舞空術だの、気だの知らないのも当たり前。
「のどかちゃんも飛びたいならぼくが連れてってあげるよ」
有無を言わさずのどかを小脇に抱えると、軽々と宙に浮いた。
「うわわわわ、怖い……怖い怖い怖い」
家や森があんなに小さく見えるなんて事、今までなかったのどかは、恐怖と興味の狭間にいた。
そして、悟天は容赦なく、もの凄いスピードで風を切っていく。
まるで、線路と安全バーのないジェットコースターに乗っているかのような感覚だ。
「落ちる……落ちる……落ちる……」
「大丈夫だよ。ぼくがついてるし」
笑顔で言い切る悟天に、のどかの顔は引きつりっぱなし。
恐怖が体を支配し、固く目を瞑るが変な浮遊感に気持ち悪くなっていく。
「のどかちゃん楽しいね」
返事がない事に気付き、急ブレーキをかけて立ち止まる。のどかの顔を覗けば、青白い顔をしていた。
「ど、どうしよ!のどかちゃん大丈夫?ごめんね」
体を大袈裟に揺らすと「うぇぇぇ……吐くぅ……」と小さい声を漏らした。
地上におりて、草の絨毯が広がるそこへ体を寝かせる。
「気持ち悪ーい……」
悟天は、近くを流れる小川で水を掬うが、指や両手を重ねた隙間から零れ落ちてしまう。
のどかの元に辿り着くまでに全ての水が零れる為、なかなか水を飲ませられない。
考えた悟天は、のどかを川の中に放り投げた。
水しぶきが舞うのも気にせず、のどかの様子を窺う。
苦しさで顔をあげたのどかは、酸素を求めるように肩で息をする。
「のどかちゃん大丈夫?」
「はぁ……はぁ……大丈夫じゃない!悟天くん酷い!普通女の子を川に落とす!?」
「えーだって上手く水掬えなかったんだもん」
人差し指と人差し指を胸の前で合わせて、口を尖らせて言う悟天に水をかけた。
「わぁ!何するんだよ!」
「言っとくけど、私高いとこダメだから」
「大丈夫だよ。すぐ慣れるから。ぼくが教えてあげるね」
「いや、もういい。トラウマになりそう」
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