1章
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地獄のダイエットが始まって、もう3週間が経過した。毎日地道にプログラムをこなし、体重はさほど変化しないもものの、鏡に映る自分の身体はかなり締まってきたのではなかろうか。体脂肪が減り、筋肉が増えてきた証拠だ。勉強でもダイエットでも効果が目にみえるようになると楽しくなってくる。少し無理をしてでも、もっと効果を実感したいと欲張りになってしまうのだ。
「愛梨ちゃん、今朝それしか食べないの...?お腹空いちゃうし、朝はしっかり食べた方がいいんじゃない?」
「あー、ちょっと食欲なくて...。」
「あまり無理しないでね。」
嘘ついてごめん!と心の中で謝りつつ、普段では絶対に物足りない量の朝ごはんを食べた。お昼にはサラダチキン、夜はプロテインの置換えで我慢するつもりだ。...早くお腹いっぱいご飯を食べたい。焼肉に唐揚げ、お寿司にラーメン。1ヶ月まであと少しだ。頑張ろう。
お腹を鳴らしながら授業を受け、林檎ちゃんに指摘されてしまい恥ずかしかったが、今日も誘惑に打ち勝った。チョコたべる?クッキーもあるよと友ちゃんをはじめクラスのみんなが美味しそうなお菓子を勧めてきたがお腹の調子が悪いと言って全て断った。今日は筋トレも終えたので、あとは少しだけ走って寮に帰ろう。
朝のルーティンと同じく、お気に入りのセットリストを再生し走り出した。最初に比べるとずいぶんスタミナも付いてきたな、なんて思ったのも束の間、急に苦しくなって頭がくらくらとし、しゃがみ込んでしまった。
息を整えようとしてもなかなか整わず、思わず膝をついてしまった。やっぱ、食べる量減らしたのがいけなかったかな、なんて朝の美穂との会話を思い出していた。
「どうしたんです!?大丈夫ですか!?」
苦しくて顔を上げられなかったが、声の主はすぐにわかった。大丈夫だと言いたかったが、大丈夫ではなかったのでなにも言えなかった。
私の息が整うまで、ずっと背中をさすってくれた。そのあともベンチに移動させてくれて、スポドリまで買ってきてくれた。
「一ノ瀬くんありがとう、ごめんね。」
「いえ、驚きましたが良くなったようで安心しました。...最近、毎朝走ってますよね。」
「そうなの、ダイエット中でさ...っ、あ!!」
みんなには秘密にしてたのに言っちゃった!と口を抑えたが手遅れだった。美穂にも、友ちゃん達にも言ってないのに...!
「...隠してたんですか?無理のあるダイエットはいけませんよ。」
「みんなには黙っててもらえますか...」
「...わかりました、秘密にしておきます。」
ありがとう!と言うのと同時に盛大にお腹が鳴った。凄く恥ずかしかったが、一ノ瀬くんはびっくりした顔をして、ふふっと笑った。そんな顔、初めて見た。
「良ければどうぞ。このくらいなら食べても太りませんし、無理に食事制限するとリバウンドしてしまいますよ。」
手渡されたプロテインバーを遠慮なく食べつつ、一ノ瀬くんダイエット詳しいね、経験者?など冗談半分で聞いたら、そうです、こう見えて幼少期は太ってたんですよ、なんて言われてうそ!!?と大声を上げてしまった。夜なのに。
「...夜なんですから、お静かに。」
「ご、ごめん。びっくりして...。小さい頃どのくらい太ってたのかは分からないけど、頑張ったんだね。」
「...いえ、別に、」
大したことでは、と言いながら目を逸らされてしまった。まずいこと言っちゃったかな、と思ったが杞憂だった。
「よろしければ、明日から一緒に走りませんか?2人の方が気が楽になるでしょうし。...もちろん、迷惑でなければ。」
「ぜひ!ありがとう何から何まで...。」
「私も走ってますし、ついでです。朝ごはんはしっかり食べてきてくださいね。あと、しっかり寝ること。では、そろそろ戻りますよ。」
男女で棟が違うので寮の入り口で分かれ、部屋に戻った。美穂はまだ起きており、風呂に入って軽くストレッチをし、布団に入った。
第一印象は悪く、そこまで深く関わる事も無かろうと思っていたのに、気付けば一緒に走る約束までしていて不思議な感じだ。
この時の私はまだ、もっともっと深い関係になるなんて、思ってもみなかった。
「愛梨ちゃん、今朝それしか食べないの...?お腹空いちゃうし、朝はしっかり食べた方がいいんじゃない?」
「あー、ちょっと食欲なくて...。」
「あまり無理しないでね。」
嘘ついてごめん!と心の中で謝りつつ、普段では絶対に物足りない量の朝ごはんを食べた。お昼にはサラダチキン、夜はプロテインの置換えで我慢するつもりだ。...早くお腹いっぱいご飯を食べたい。焼肉に唐揚げ、お寿司にラーメン。1ヶ月まであと少しだ。頑張ろう。
お腹を鳴らしながら授業を受け、林檎ちゃんに指摘されてしまい恥ずかしかったが、今日も誘惑に打ち勝った。チョコたべる?クッキーもあるよと友ちゃんをはじめクラスのみんなが美味しそうなお菓子を勧めてきたがお腹の調子が悪いと言って全て断った。今日は筋トレも終えたので、あとは少しだけ走って寮に帰ろう。
朝のルーティンと同じく、お気に入りのセットリストを再生し走り出した。最初に比べるとずいぶんスタミナも付いてきたな、なんて思ったのも束の間、急に苦しくなって頭がくらくらとし、しゃがみ込んでしまった。
息を整えようとしてもなかなか整わず、思わず膝をついてしまった。やっぱ、食べる量減らしたのがいけなかったかな、なんて朝の美穂との会話を思い出していた。
「どうしたんです!?大丈夫ですか!?」
苦しくて顔を上げられなかったが、声の主はすぐにわかった。大丈夫だと言いたかったが、大丈夫ではなかったのでなにも言えなかった。
私の息が整うまで、ずっと背中をさすってくれた。そのあともベンチに移動させてくれて、スポドリまで買ってきてくれた。
「一ノ瀬くんありがとう、ごめんね。」
「いえ、驚きましたが良くなったようで安心しました。...最近、毎朝走ってますよね。」
「そうなの、ダイエット中でさ...っ、あ!!」
みんなには秘密にしてたのに言っちゃった!と口を抑えたが手遅れだった。美穂にも、友ちゃん達にも言ってないのに...!
「...隠してたんですか?無理のあるダイエットはいけませんよ。」
「みんなには黙っててもらえますか...」
「...わかりました、秘密にしておきます。」
ありがとう!と言うのと同時に盛大にお腹が鳴った。凄く恥ずかしかったが、一ノ瀬くんはびっくりした顔をして、ふふっと笑った。そんな顔、初めて見た。
「良ければどうぞ。このくらいなら食べても太りませんし、無理に食事制限するとリバウンドしてしまいますよ。」
手渡されたプロテインバーを遠慮なく食べつつ、一ノ瀬くんダイエット詳しいね、経験者?など冗談半分で聞いたら、そうです、こう見えて幼少期は太ってたんですよ、なんて言われてうそ!!?と大声を上げてしまった。夜なのに。
「...夜なんですから、お静かに。」
「ご、ごめん。びっくりして...。小さい頃どのくらい太ってたのかは分からないけど、頑張ったんだね。」
「...いえ、別に、」
大したことでは、と言いながら目を逸らされてしまった。まずいこと言っちゃったかな、と思ったが杞憂だった。
「よろしければ、明日から一緒に走りませんか?2人の方が気が楽になるでしょうし。...もちろん、迷惑でなければ。」
「ぜひ!ありがとう何から何まで...。」
「私も走ってますし、ついでです。朝ごはんはしっかり食べてきてくださいね。あと、しっかり寝ること。では、そろそろ戻りますよ。」
男女で棟が違うので寮の入り口で分かれ、部屋に戻った。美穂はまだ起きており、風呂に入って軽くストレッチをし、布団に入った。
第一印象は悪く、そこまで深く関わる事も無かろうと思っていたのに、気付けば一緒に走る約束までしていて不思議な感じだ。
この時の私はまだ、もっともっと深い関係になるなんて、思ってもみなかった。